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金(ゴールド)投資の最適解について

ここでは金(ゴールド)投資についてまとめましたので、もし興味がありましたらご覧ください。

1.金投資の特徴

金投資は以下の特徴があります。
・金の価格と購入価格との差分(キャピタルゲイン)でリターンを得る投資方法(ここに手数料やスプレッド、税金などが絡んできます)
・配当、利息がつかないため、インカムゲインは発生しない
・全世界の金保有量は上限がある(=供給には限界がある)ため、需要がなくならない限り理論上は価格が上昇する可能性が高い
・インカムゲインがないため市場金利が高い状態の場合、金の価格は下落しやすい(預金の方がローリスクでリターンが得られるため人気を金は売られやすい)
・金利が低い状態の場合、預金のリターンが低くなるため金の価格は上昇しやすい
・インフレに強い(現物の価格が上昇しやすいため)
・世界情勢、社会情勢、景気・経済動向が不安視される時に価格上昇しやすい

2.金価格の現状


一般に金と株式では長期に投資したリターンは大きな差があるとされています。




ところが上3つの画像が示す通り、ここ5年の上昇率はS&P500と金は大きな差は生じておらず、さらに2005年からのパフォーマンス比較で示すと
「金の方が上昇率が大きい」
「金の方がボラティリティが激しい」

ことが分かります。

この要因として
・金融緩和等による金利の低下
・社会情勢、経済的不安要素の多様化
・金投資を積極的に行なっている国、人の増加
などが挙げられます。特に2022年〜2023年は金利が上昇しているのに金価格も上昇しているというセオリーに反する事象が続いており金投資の注目度が高まっています。

なお、ここでは金投資の原理・原則の部分に基づいた投資情報をお伝えするためいわゆる金投資支持者などが用いている基軸通貨:ドルの信頼性低下や基軸通貨崩壊といったイデオロギーに寄せた話からは距離を置いて説明します。

とはいえ現金の価値が相対的に弱くなっていることにより、投資商品の価格(価値)が上昇しているという評価は妥当であると思われます。

今が金投資のチャンスかどうかは分かりませんが、以下の理由から一度検討してみても良いのではと思われます。

①将来への不安を和らげるため
②資産の保全を図るため
③ポートフォリオのリスク分散を図るため
④株式投資のパフォーマンスを上げるため

3.金投資の具体的方法

①金の現物購入(スポット購入)
②純金積立
③金ETF、投資信託購入
④金鉱株ETF購入
⑤金鉱株(個別株)購入
⑥金先物、オプション取引

以上6つの具体的方法があります。
簡単に方法を説明すると
①金の現物購入
・ゴールドバー
・金貨
を直接購入する。

(メリット)
・金を直接購入できる
・金保有の実感が湧く(極論ですが自分で保管すれば国や第三者に接収されず、自分のものとして生涯保有できる)
・継承、相続できる

(デメリット)
・盗難、消失リスクがあるため管理・保管方法を決めておく必要あり
・単価が高い

②純金積立
一定期間ごとに定額もしくは定量金を購入する。

(メリット)
・少額から金を購入できる

(デメリット)
・手数料が高い

③金ETF、投資信託
金のETF(IAU、GLDなど)や金の投資信託を購入する。

(メリット)
・少額から購入可能
・保管の負担がない

(デメリット)
・金自体が自分のものではないため、有事に必ずしも価格(利益)が保証されるわけではない
・購入手数料がかかる

④金鉱株ETF
金採掘などを扱っている企業で構成される金鉱株ETF(GDXなど)を購入する。

(メリット)
・少額から購入可能
・株式の性質も兼ねているため、ボラティリティが高くリターンが期待できる
・配当がもらえる

(デメリット)
・ボラティリティが高いため、損失が大きくなる可能性がある
・金価格に必ずしも連動しない

⑤金鉱株(個別株)
金鉱株を構成している各企業の個別株を購入する。

(メリット)
・金ETF、投資信託、金鉱株ETFよりも高いリターンが得られる可能性がある
・配当がもらえる場合がある

(デメリット)
・個々の企業の業績の影響も受けるため、金価格に連動しない可能性がある
・倒産リスク
・株式とも連動するため、株式が厳しい局面で値下がりする可能性がある

⑥金先物、オプション取引
金先物価格に連動した先物取引、あるいは金ETF・金鉱株ETF・金鉱株を元にしたオプション取引を行う。

(メリット)
・レバレッジをかけられるため、少ない金額でリターンを得ることができる
・金価格が横ばい、下落局面でもリターンを得ることができる

(デメリット)
・レバレッジをかけているため、①〜⑤の投資以上の損失を受ける可能性がある
・ルール、仕組みの理解が必要
・一定の投資元本が必要(少額からは無理)

4.金投資の戦略

最後に各方法をどう活用するかについてまとめました。

<将来の不安を和らげる、資産保全を図りたい場合>
ポートフォリオの一定割合を
①金現物
②純金積立
③金ETF、投資信託
で構成する。割合の目安は3%〜5%程度が一般的ですが
・心配性な方
・将来の方がリスクが大きい方
・将来必要な資金が多い方
・予期せぬ有事、ハイパーインフレが気になる方
は10%程度まで引き上げても良いと思います。

<ポートフォリオのリスク分散を図りたい場合>
③金ETF、投資信託
を中心にポートフォリオの一部を金で構成するように調整する。

<株式投資のパフォーマンス上昇を図りたい場合>
株式投資のポートフォリオの一部を
④金鉱株ETF
⑤金鉱株(個別株)
で構成するように調整する。金鉱株をポートフォリオに組み込むことで金価格が上昇する際にリターンが上がるようにします。

投資について十分理解し、最悪全額失っても問題ない資金がある場合は
⑥金先物、オプション取引
にチャレンジして、金価格の変動をリターンに取り込めるようにすると良いですが、手間がかかるので兼業投資家の方は注意が必要です。

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