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読書メモ『人的環境のユニバーサルデザイン』

なかなかありそうでなさそうなポイントに触れていそうだと思い購入した。ざっくり読んだところ、小学校の教育にフォーカスしている内容だと感じた。以下重要だと感じた部分のメモ。

教育のユニバーサルデザインには3つの要素がある。
① 教室環境のユニバーサルデザイン:黒板周辺の刺激量の調節
② 授業のユニバーサルデザイン:視覚化、焦点化、共有化の工夫
③ 学びやすい学級の空気管の醸成 
(10頁)

ファシリテーション:関わりのなかで学ばせること
→大切なのは「参加感」と「達成感」。そのためには、小刻みに考えたり、お互いの意見をアウトプットしたりする時間を確保する必要がある。(95頁)
→「ここまでで大切だと思ったっことを伝え合おう」「ここまででノートの書き洩らしがないか確認してみよう」という時間を設ける。

特別な配慮→嫉妬につながりやすい

教師の気になる子への「配慮」を、子どもたちも「配慮」と捉えることができるか、それは子どもたちが教師を信頼・尊敬しているかどうかにも関係しています。そして「えこひいき」ではあなく「配慮」と受けとめるためには、子どもたちの心の器を広げる必要があります。心の器が広がらないと、配慮の必要なクラスメイトを受けとめきれません。「子どもたちの小さな器を少しでも大きくする」ためには、子どもを観察して認めてほめるという「手間ひま」がかかります。支援の必要な子どものしんどさを周りのクラスメイトに訴えても、小さな器には入りません。その器を広げない限り入らないのです。(141頁)

大事なこと。

人的環境のユニバーサルデザイン化の実現は、けっしてルール指導やスキル指導だけのことを言っているのではありません。「人はみんな異なる考え方をしている」「人は間違えるものである」「複数の人が一緒に生活すればトラブルが起こるのは当然」「人生は課題の連続であり、それを解決していくことが人生そのもの」などの、人間関係育成の前提となる人間理解の部分の教育があって初めて成り立つのではないでしょうか。(153頁)

ペアワークでのポイント

 人間関係に上下をもたらしやすいものはなんでしょうか。……それは発言の量です。……子どもたちの場合も同じで、たくさん話す子は、声が大きくなりますし、注目も集まり、立場が強くなりがちです。
 だから、授業において、できるだけ挙手して発言というスタイルをとらずに、問いかけたらお隣同士やグループで話すようにします。その時に発言量を揃えるために、ペアの場合は「交代で話す」、グループの場合は「輪番で話す」ことをルール化します。言えないときは、「パス」をしてもいいことにします。(165-166頁)



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