施設の中は、戦いだった。

中学1年の夏、私と弟は
児童相談所に連れていかれました。
そこで約2週間ほど過ごしました。
ご飯は調理師さんが作ってくれて
栄養面も考えてくれているのでしょう、
量もたっぷりで、
食べたことのない食材ばかりで
好き嫌いがありましたが、
本当にありがたかったです。

最初の食事の時は、
ご飯に味噌汁をかけて、
虫が浮いてこないか、確かめました。
職員の人からどうして
ご飯に味噌汁をかけるの?と
質問されて、
虫の話をしたら、とても同情するような顔で
見つめられました。

児童心理の職員の方とも
何度も面接をしました。
祖父母での家でのこと、
これまでの生活、
どんな気持ちだったのか、
そういう話を詳しく聞かれました。

児童相談所では、一人の子供として
初めて扱われたような気持ちになりました。

職員の中には
大きな声で威圧するような人もいました。
けれど、父親で馴れていたので
そういう人の前では
無の表情で過ごしました。
嫌な言い回しで、にやにやしながら
悪口を言われても
何も反応せずに過ごしました。
私にとってはこの
威圧したり、嫌なことを言ってきたりする
大人が通常のことでした。

優しい人、そうでない人、
児童相談所では
大人のなかにも様々な人がいるのだと
教わりました。

でも施設は
大人との関わりだけではありません。
いろんな状況からやってきた、
いろんな子供たちが過ごしています。
これから始まる戦いの日々を
児童相談所では知ることができませんでした。

続きます。

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