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卒婚の始まりも終わりも個々違うもの。なぜなら卒婚は生き方だから

卒婚の始まりも終わりも個々違うはず。
卒婚のあり方も個々違うはず。
何を求めて 何を大切にして生きていたいのか?
ひとつの人生のあり方の選択。
卒婚のゴールもまた個々違うはず。
どうパートナーと老を過ごすのか
どういう死を迎えたいのか?
おのれの選択。
自分らしく生きる為の新しい夫婦の形。
それが 卒婚。

卒婚とは 簡単に言うと
離婚届けを出さず 籍はそのままで 
別々に暮らす事。

52歳で卒婚。
今から10年前に
夫が都内の駅の近くに小さな家を建てた。
子育てを終えた二人にふさわしい 小さなお家だ。
車を必要としない都心の一画にある狭小住宅(注文住宅)。

「今の広い賃貸のマンションを出て 新築の家で一緒に暮らそう」
そう言われても 同意はできない。できなかった。

マンションの最上階 見晴らしも良く 110平米の広さ
この家で 18年間も子育て講座(離乳食講座、幼児食講座、
包茎予防講座、家庭での性教育、親子ふれあい遊び 沐浴講座、
母乳育児講座、生活リズムとしつけ、おむつはずし講座、卒乳・美乳講座
0歳の虫歯予防講座などなど)
地域のママのための講座をしてきた家でもあった。
10名前後のママを囲んで講座の日々を過ごした。
育児不安のあるママを
どれだけ多くのママや赤ちゃんを笑顔にして帰したことだろう。

32歳の時から
助産師として地域で広げて来た活動の場を
エリアを手放す事ができない。

末っ子が赤ちゃんの時から巣立って行くまで
3人の子供達と暮らした場所

18年間の思い出が詰まった家
自分の大好きなオリジナルの家具 雑貨 食器に囲まれた生活。
この家で愛用して来た 3分の2以上の品物を 
新しい家に住む為に
処分する事が 捨てることができない。

「私はここに住む 住み続けたい」
手放せないと 込み上げる感情が
「家賃は 駐車場代を含み14万
ここに住み続けたいなら 家賃もろもろ自分で払って行きなさい」
淡々と夫から言われた言葉に 揺れる事なく ブレる事なく
「わかった。払ってゆくから ここで一人で住む」
そう 言い切っていた。

夫は数日後
自分が使っていたデスク 本など
夫の物はひとつ残らず 運び出し
ガチャンとドアを締めて出て行った。

夫の大きな傘の下で 生活していたお気楽な立場から
自分で自分の小さな傘をかたく握り締めて
雨 風 雪 の日もせっせと歩く日々が 始まった。

18年間の思い出と
愛する仕事を手放せなかった
それが
私の卒婚の始まりだ。









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