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とっくに新年度ですが、卒業式あれこれ

【2019年アメブロ記事の編集バージョンです[四角かっこは現在のつぶやき]
[↓小3から不登校、小5からフリースクーラーだった長男(2024年現在ハタチ)が昼間定時制(昼間に通える公立定時制高校)に進学を決めた直後に書いた記事です。5年前ですが、同様の現象がおきている中学校の職員室は、いまも少なくないのではないでしょうか]

小5から主体的不登校をしていた長男は、地元の中学校へは1日も通わずに卒業となりました。主体的不登校に至る経緯も書いていますので、よかったら

入学式同様、卒業式も当然参列する気はないわが家でしたが、校長室で卒業証書をうけとる“第2卒業式”をしていただきました。

この“第2卒業式”、今ではけっこうどの学校でもあたりまえになりましたね。

日本全国、中学校はどの学年にもクラスに一人二人は不登校の子がいて、不登校の状態のまま卒業式を迎える場合、どのような形で式当日を過ごすかが、わりと重要になってきます(その子にとって、というより学校にとって)。

地域や学校によって違いますが、卒業式に参列するのなら、証書受取り呼名への返事席を立つ―座るタイミングなど、事前練習が必要なことが多いです。
そこで、不登校の子の希望と状態に合わせて、以下のようにさまざま対応することになります。

◎事前練習(練習の時間だけ登校する)に参加して参列する
◎練習には参加せず前日等に要所だけおさえて参列する
◎式に参列はせずに、保護者席等で参加し、式後の学級活動や門送りには参加する
◎式参加はしないが、当日午後に来校し、校長室で個別に証書等をもらう(これが“第2卒業式”)

スクールカウンセラーとして保護者さんの相談を受けていたり、学校の先生とお話ししていると、「卒業式にはなんとか参列してほしい」「最後くらいは皆と一緒に」「けじめになるから証書をうけとってほしい」といった気持ちが大人側には多いように感じます。けれど・・どうなんでしょうね~??

ある年の、卒業式直前の職員会議でのこと。3年生の学年主任が「今年は数年ぶりに卒業生全員が式に参列できそうです」と報告したんですね。

その報告に対し、「おおー!」と感嘆の声が上がり、その後拍手。たまたまその場に居合わせた私は(非常勤なので職員会議にいつも出られるとは限らない)思わず苦笑してしまいました。   そこ、拍手するところかな?・・

不登校のまま卒業を迎える子がいるのはもはや珍しいことではなく、その子の希望と状態に合わせてさまざまな形で対応するのは上述のとおりです。でもやはり「全員一緒に参列できたほうがいいに決まっている」という価値観が根強いんだな~と感じた瞬間でした。

もちろん、卒業式に出たい子もます。

皆と同じように通いたい、通わなければと思い続けて卒業の日を迎えた子が、最後の卒業式だけでもなんとか一緒に参列できて、同じ時間を共有できた・・というイメージなら確かに「拍手」かもしれません。

ただ、接する大人側にそのイメージしかないってことは問題ですよね。

皆と同じように通いたい、通わなければと思わせ続けることが、そもそもその子の元気を奪っていくんじゃないのかなあ・・。

「皆と一緒」が根強い学校現場・・ここに「せめて最後は」が加わる卒業式・・そんな現状を強く感じたひとこまでした。



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