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大丈夫を「見える化」する


「見える化」という言葉。

私は「見えないものは、見えなくて良い」と考えているし「見えないものは確かにある」と思っているので、この言葉を聞くと、心がざわついてしまいます。

もちろん、その意味も意義もわかっているつもりだし考え方にも賛同するけれど、ついつい気後れしてしまうのです。

でもこの頃、私は「見える化」の力を借りました。
結果は、良いものでした。
新しい考えには、しなやかに接したいと思えました。

例えば、普段は東洋医学を信じるけれど、必要な時は西洋医学の力を借りるみたいに。
お化けも、見えない時が一番怖かったりするでしょう。

我が家には小学生の娘がいます。
休校だった学校がこの頃、本格的に再開されました。「学校に行きたくない」と泣くのです。

長い間家で過ごしていた生活、学校が再開して一変し、疲れが出始める頃かなと。

初めてのクラス替えがあったこと、仲良しの友だちと離れてしまったこと、初めて男性の先生が担任になったこと。
学校が嫌になる原因は、たくさん考えられました。

「学校が再開し、環境の変化に子ども達はストレスを抱えている」
そんなニュースも見ました。
職場の同僚のお子さんも同じ様子だと聞きます。

うちの子も、そのうち慣れるかしら。
でも、数日経っても毎朝毎晩さめざめと泣かれると、さすがに心配になります。

「学校には何で行きたくないの?」と聞くと
「勉強が嫌。遊べなくて嫌。先生が怒るから嫌」とのこと。
子供の拙い言葉、聞き漏らしがないように、よくよく聞いてみると、いじめられているわけではなさそうです。それだけは、安心しました。

でも、本人にとって嫌なものは嫌なのです。
「学校に行くと悩みが増えるから嫌」なのだそうです。

私は、娘よりもずっとずっと学校が嫌いな子供だったので、気持ちがよくわかるし、無理に行かなくても良いと思う。
でも、とりあえず環境の変化に慣れるまでは、少し様子を見ようと思い、娘にあることを提案しました。

「大丈夫の見える化」を。

私「ねえ、勉強は嫌だけれど、今日の授業は全然わからないわけではなかったよね。昨日宿題ちゃんとやったしね」

娘「うん。テストができたよ」

私「今日は先生に怒られた?」

娘「ううん。男の子は怒られてたけれど」

私「友達に何か意地悪された?」

娘「されてない。違うクラスの友達とも話せた」

私「じゃあ、今日は特に困ったことはないのかな。疲れたけれど、最悪な日ではなかったでしょう」

娘「うん。まあまあだった」

私「大丈夫だったんだね」

娘「うん」

その言葉を確認し、カレンダーにシールを1枚貼りました。

これと言って良いことはなかったかもしれないけれど、特別悪いこともなかった日は、シールを一枚。
シールの数が増えると、カレンダーがにぎやかになりました。少しずつ。

生活が変わり、娘は不安を抱いている。特に原因はなくても、慣れない不安、どうなるかわからない不安。具体的には問題ないかもしれないけれど、見えない故の不安がある。それを一つずつ一緒に見てみようと思ったのです。

朝、学校に行きたくないと泣いた日は
「大丈夫な日が何日も続いているから、今日も大丈夫かもしれないよ」
とシールを一緒に数えました。

娘一人だけが貼るのも、あれ、なので
私もトイレのカレンダーにシールを貼ってみました。私も「大丈夫の見える化」の波に乗ってみようかと。

それから、しばらく。
娘は朝は「学校面倒くさい」と言うけれど、それは休校前と同じ姿です。声にも元気が出てきました。時間が経ち、新しい生活に慣れたのだと思います。

特に、シール作戦が目立った効果があったとも思えないけれど、夏休み前までは、大丈夫シールを続けてみようと思います。

大丈夫な日が増えれば、娘の自信につながるかもしれない。問題が起こっているなら、見逃さずに済むかもしれない。

ちなみに、私がシールを貼っていたのは「noteを更新できた日」です。
トイレで「書けない日が続いてしまった」と嫌でも見えてしまう。
シールが貼れないと追い詰められる感じ半端ないです。
娘の方もプレッシャーにならないように慎重にやろうと思います。聞き方によっては「ダメな日も大丈夫」と答えてしまうかもしれないので。よくよく話を聞いて、大丈夫かどうか二人で考えてからシールを貼ろうと思います。

でもね、今日も、無事に過ごせました。
娘はリビングのカレンダーに1シール。
私もnoteが書けたから、トイレのカレンダーに1シール。

8月24日追記
もうすぐ8月31日です。
短い夏休みが終わり、娘の学校行きたくないが再び始まります。この前、無事に休校後の学校行きたくないを乗り越えられたこと、心配だったけれど最後は大丈夫だったことを二人で思い出して、また大丈夫シールを貼りながら2学期を迎えようと思います。今回もきっと大丈夫。
親子で2学期の始まりも乗り越えようと思います。
大丈夫、大丈夫。

9月2日
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