【強すぎる数え歌】毎週ショートショートnote
大阪の雑誌『怖い念』の編集部に投稿があった。地方にある廃屋から数え歌が聴こえるらしい。聴いた者は取り憑かれるそうだ。編集長と部下、霊媒師は取材に向かった。
現地に着いたのは丑三つ時。
数分後、部下が一人寝室に入った刹那、女の歌声が聴こえてきた。
いち、にい、さんまのしっぽ、ゴリラのむすこ、なっぱ、はっぱ、くさった、とうふ……
部下は寝室から飛び出して発狂し卒倒した。取り憑かれたのだ。
編集長は霊媒師に除霊を任せた。
「かなり強い怨念だ。私では…」
「どうすれば?」
「数え歌返ししかありません」
「数え歌返し?」
「数え歌にも地方によって違いがあります。編集長なら大阪の数え歌で言い返してやればいいのです」
「わかりました」
いち、にい、さんまのしっぽ、ゴリラのムスコ、なっぱ、はっぱ、くるくるパ〜〜!!
部下は救われ、近隣の悪霊すべて逃げ去った。
霊媒師は慄いた。
「強すぎるっ!」
たらはかにさん企画
毎週ショートショートnote
お題【強すぎる数え歌】より
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