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全て丸投げして、仕事を辞めたら

仕事を辞めた。

何もかもが嫌になって辞めた。

丸投げして辞めた。

病院で働いていた。

働き始めた時は、患者が良くなる事で、やりがいを感じていた。患者や家族から感謝されて、先生なんて呼ばれて、チヤホヤされ、なんでも自分で出来ると、このまま思い通りいくと思っていた。

でも、それは勘違いだった。

経験年数が増えてくると、難しい患者を担当することが増え、ストレスもどんどん増えていた。拒否する人や家族関係の悪い人、態度の悪い人、神経質な人などリハだけでは解決しない問題が増えていた。

仕事にやりがいを感じる事も、感謝される事も減っていった。

出来て当たり前だと周りからは見られて出来なければダメなやつと思われる。周りの目ばかり気にして仕事をしていた。もはや誰のために何の為に働いているのかわからなかった。

それでも、がんばろうと自分で選んだ道は間違えてないと信じて自分一人の力で進みたかった。

自分の弱さから目を背けて、強がって勝手にストレスを抱え込んで、声をかけてくれた人たちや、助けようと手を差し伸べてくれた人たちを、無視し続けて、限界になって倒れた。

立ち上がれなくなった。

出来の悪いやつを下に見る事で、優越感に浸り自分よりよ下がいると思いながら、人に頼ることを恥ずかしい事や負けだと思っていた。

だから、誰にも相談してこなかった。 

教えて、助けて、無理です、出来ませんが言えなかった。

自分から歩み寄ればよかった、ただそれだけの事が出来なかった。


全て丸投げして、仕事を辞めたら

後悔しか生まれなかった。


※このおはなしはフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。




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