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「退屈なルーティンワーク」じゃない、「プロセスが洗練された業務」なんだ!

製造業出身でない僕は、製造業界の優れたところをたくさん見つけることができた。そのうちの一つは、業務プロセスが洗練されているということだ。

これについての詳細は、以前書いた記事を参照してほしい。

ところが、である。ほかの製造業関係者と話してみて気づいたのは、「洗練されたプロセス」の見方を少し変えれば魅力的ではなくなるということだ。

その方曰く、「製造業の仕事はルーティンワークばかりでつまらない」とのこと。

「プロセスが洗練された業務」と「退屈でつまらないルーティンワーク」。同じ業務プロセスに対する評価でも、ここまで明暗が分かれると面白い。

最初は「なるほどそういう考え方もあるのか」なんて呑気に考えていた僕であったが、実は僕の考え方のほうが少数派でなのではないかという気がしてきた。

そもそもルーティンワークとは?

決まった手順で繰り返し行われる定常作業、あるいは日常の仕事をいう。生産工場で決められた作業手順により、1台1個ごとに繰り返し行われる作業、あるいは始業前の準備、終業時の整理整頓のように毎日決められた手順で行う作業などをいう。<中略>事務所業務でも毎日あるいは毎月決められた手順で行われる業務もルーティンワークといわれ、新規業務などの企画、計画、あるいは仕事の仕組みの改善を行うなどのプロジェクト的業務と対比される。

出典:「ルーティンワーク」の意味や使い方 Weblio辞書

「プロセスが洗練された業務」が「退屈でつまらない」と思われてしまうワケは、大きく以下の二つの理由からだと思う。

①頭脳を使わないから
もっと創造性に溢れた仕事がしたい。

②業務ではなく作業になっているから
全体像が見えない。マニュアルに従って繰り返し動作だけになっている。

「洗練されたプロセス」への転換のために

「①頭脳を使わないから」 に対するアドバイス

定型化された業務を、次のレベルに進化させるためにはどうすればよいのかを考えてみよう。今ある業務を最適化・自動化させていくことは、創造性に溢れた素敵な仕事だ。

今は定型化している業務であっても、起源をたどれば行き当たりばったりだったはず。業務が定型化できているのは、先人たちの努力のおかげなのだ。

定型化されたプロセスは、最も早く・最もミスなく業務を行えるように整理されてきた姿である。その姿に至るまでの過程はきっと創造性に溢れていたはずだ。

もし業務を立ち上げた人が近くにいるのであれば、業務プロセスの歴史を聞いてみるのは有意義だろう。どのような変遷を経て、現在のプロセスは完成したのだろうか?

業務の歴史を知り、良い姿にするための方法を考えてみる。あれほど「退屈でつまらない」と思っていた業務にも愛着を感じることができ、定型化されていることに感謝できるようになるだろう。

「②業務ではなく作業になっているから」 に対するアドバイス

目の前の作業と組織の大きな目的・目標が紐づいているのが「業務」

ただ与えられたタスクを粛々とこなすのが「作業」だ。

「退屈でつまらない」のは作業であり、業務ではない。これを強く伝えたい。

イソップ寓話の「3人のレンガ職人」に見られるように、今の作業が何のために存在しているのかを知ることは非常に意義のあることだ。

目の前の作業をより広い視野で俯瞰し、他の作業との関係性を図示していくことはできないだろうか?作業と作業の順序や分岐を観察し全体像を理解することができれば、作業ではなく業務として捉えられるようになるだろう。

まとめ

この記事を書きながら僕も昔のことを思い出していた。そういえば、昔の僕も「ルーチン業務はつまらない」と感じていたのであった。

当時の僕はロクに頭も使わずに、目の前の作業を黙々と行っていただけだった。これでは面白いはずがない。

紆余曲折を経て、きっと視座が一つ上がったのだと思う。その結果、今となっては「洗練されたプロセス」に対して純粋に感謝することができるようになった。ありがたいことだ。

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