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【リーダーの決断】立場が変わっても貫いた信念!変化の激しい現代ならではのマネージャーとは?【READYFOR】

デジタルテクノロジーの急激な進歩、コロナ禍やウクライナ危機などにより、現代社会は変化のスピードが速く将来予測が困難です。そんな中でも組織のリーダーは、次々に現れる課題に向き合って決断しなければなりません。
実際に現場で活躍しているリーダーは、どのような「決断」を行っているのか?それを知るために、READYFOR株式会社のキュレーター部 部長 小谷なみさんにインタビューさせて頂きました。特に印象に残ったのは、小谷さんの3つのお言葉です。

「入社面接では『2年くらいで辞めると思います』と言いました」
「キュレーターとして働く人間がキュレーターを率いることに大きな意味があると思います」
「『すぐ決める、まずやってみる』を大事にしています」

若くして一部門のマネージャーとなった小谷さんが何を思い、どんな考えのもとに「決断」を下しているのか。インタビューを参考に描いたマンガと記事を通じてご紹介していきたいと思います。

〇プロフィール
小谷なみ
法政大学社会学部卒業。編集アシスタント·WEBディレクターを経てREADYFOR株式会社に参画。アート部門を立ち上げて、社会的養護の子どもたちへの支援に特化した「こどもギフト」プログラムオフィサーを務める。大規模プロジェクトを主に担当し、国内最高額の「新型コロナウイルス感染症:拡大防止活動基金」のキュレーターを務めた。現在はキュレーター部部長でマネジメント業務を行いつつも、自身もキュレーターとして精力的に活動している

■想いの乗ったお金の流れを増やす仕事


伊勢村:まず初めに、READYFOR株式会社について教えてください。

小谷:弊社は日本初・国内最大級のクラウドファンディングサービス『READYFOR』の運営を主に行なっており、ほかにも基金の運営や企業様寄付活動のサポートなど資本主義や既存の金融の仕組みでは流れない領域にお金を流すような事業を展開しています。

伊勢村:御社がミッションとして掲げている『想いの乗ったお金の流れを増やす』に沿った事業をしているんですね。そんなREADYFORで、小谷さんはキュレーター部の部長として働いています。キュレーターの業務内容はどんなものでしょうか?

小谷:キュレーターはクラウドファンディングの実行者様のプロジェクトの達成までの道のりをお手伝いします。たとえば支援者様の目に留まりやすいタイトルのつけ方、プロジェクトのストーリー編集·リターン設計·広報戦略などを一緒に作り上げる、コンサルティングのような役割を担います。プロジェクトの資金調達の達成を目標としていて、現在の達成率は約75%となっており、これはクラウドファンディング業界全体で見ても非常に高い水準です。

伊勢村:クラウドファンディングの実行者様のサポートをして、しっかりと成果を挙げているんですね。現在はそのように活躍している小谷さんですが、READYFORに入社する前はどんなお仕事をなさっていたんですか?

小谷:新卒からの3年間は主にwebサイトの編集ディレクター·アシスタントとして、記事の編集や取材など、web関連のコンテンツ制作に携わっていました。

伊勢村:その時の経験も、クラウドファンディングで募集ページを通じて支援を得ることに繋がっているのでしょうか?

小谷:文章やページを構成する·企画を考えるといったスキルは、READYFORに参画した後にもそのまま役立っていますね。逆に資金調達に関するクラウドファンディングの独特のセオリーは、READYFORに入社した後に身に付けました。

■採用面接で伝えた『2年くらいで辞めると思います』という言葉

伊勢村:2017年に小谷さんはREADYFOR株式会社に参画されましたよね。当時といえば著名人もクラウドファンディングを利用し始めるなど、クラウドファンディング業界は第一次ブームといえる状態にさしかかっていたと思います。そんな中で小谷さんは、なぜREADYFORで働こうと考えたのですか?

小谷:WEBサイトの編集ディレクター·アシスタントだった時は、デザインや企画などのクリエイティブな仕事ができる点では満足していたのですが、新しい業界のベンチャーで新しい分野を開拓したいという思いもありました。そこで以前関わったことがあり、掲げる世界観にも共感できるREADYFORへの入社を志願しました。ですが最終的には広告業界でキャリアアップしたいという想いもあったので、READYFORでは期間限定で頑張ろうと考えていました。そのため当時の採用担当の方には「2年くらいで別のキャリアを選択すると思います」と言いました。

伊勢村:ええ……!?それで採用されたんですか?

小谷:ありがたいことに採用していただけました(笑) 

伊勢村:その後にキュレーターとして働くようになって、最初の頃の感触はいかがでしたか?

小谷:世の中にまだクラウドファンディングがそれほど浸透してない環境下で、キュレーターという仕事を進めるのは、セオリーが確立されておらず難しい面はありました。ただキュレーターの仕事はREADYFORや実行者の皆さんにとって重要だということは感じられましたし、手探りの中で正解を見つけていくのは私の性にも合っていて、天職だと思うようになりました。もしかしたら当時の採用担当もそんな私の正確を見抜いて、採用してくれたのかもしれません(笑)

伊勢村:実際にキュレーターの業務を行うようになってから、その仕事にのめり込むようになられたんですね。

■良いサポートを提供するためにチームリーダーに

伊勢村:その後はどういった流れで、チームを率いるマネージャー的な立ち位置になったんですか?

小谷:入社してから半年後に小規模なチームのマネージャーを任されました。そこから徐々にチームの規模が大きくなっていって、現在はキュレーター部部長という立場になりました。

伊勢村:早い段階からチームを任され、やがてキュレーター全体の部長になられたわけですね。ご自身がなぜそういった立場に選ばれたのだと思いますか?

小谷:最初からマネージャーをやりたかったわけではないんですよ。ですが、クラウンドファンディングのキュレーターという世の中にない職業を前に進められるのは、キュレーターしかいない。キュレーターのことはキュレーターが一番分かっている……と私は信じていました。

伊勢村:マネジメント経験のある方がチームを率いるのではなく、現場の中からマネージャーを専任されたんですね。ではキュレーターの中から、なぜ小谷さんが現在の立場に選ばれたと思いますか?

小谷:『キュレーターとして良いサポートをして、実行者様のプロジェクトが目標金額を達成できるようにしたい』という想いが私には強くあります。そのためにはチームとして協力していくべきだと考えていました。たとえば特定ジャンルを得意とするキュレーターがその分野のプロジェクトを担当してはどうか、編集業務を得意とする人間が編集を担当した方がいい、各自が得た知見をしっかりフィードバックすべきだ……などと考えて組織側に提案していました。そういった姿勢が評価されたのかも知れません。

伊勢村:キュレーターという新しい職業をより良いものにして、クラウドファンディングの実行者様に還元するために最適化を進めていった結果、キュレーター事業部の部長になられたんですね。

■現場で働き続けるからこそ、現場のことが理解できる

伊勢村:部長という立ち位置になると、決断を下さなければいけない場面も多いと思います。小谷さんの決断の中で、特に大きかったものはなんですか?

小谷:マネジメントに専念するのではなく、キュレーターのとしてプロジェクトも担当しよう、という決断です。先ほどお伝えしたように、キュレーターの業務内容や気持ちはキュレーターがいちばん深く理解できると私は考えています。だからこそマネジメント業務だけを行うのではなく、クラウドファンディングの実行者様をキュレーターとして直接サポートする業務を今も行っています。キュレーターとして働いている人間がキュレーターを率いることに大きな意味があると考えているので、自分自身がキュレーターとして働き続けることを大事にしています。

伊勢村:キュレーターとして現場で働きながらチームを率いる、プレイングマネージャーの働き方をすると決断されたんですね。出版社でも編集長が部下を管理しつつも編集業務を続けるケースは多いですし、現場で働き続ける人間だからこそ現場感覚を持ってチームをまとめられる、というのは分かる気がします。プレイングマネージャーとして忙しく働いている中で、マネジメントについて難しいと思う点はありますか?

小谷:READYFORのキュレーターは元編集者や元エンジニアなど多種多様な人材がいて年齢もバラバラです。そしてコロナ禍でオンラインのやり取り中心になっているという状況もあって、コミュニケーションの取り方が難しい部分はあります。そこで私は『部長だから従ってくれ』といった形ではなく、『みんなで一緒にやっていこう』といったスタンス·距離感でメンバーと接するようにしています。

伊勢村:マネジメント業務をするだけでなく、キュレーターとして現場でも働き続けている小谷さんならではのスタンスですね。

■『すぐ決める、まずやってみる』が合言葉

伊勢村:それでは最後の質問です。チームをまとめる上で、特に重視していることはなんですか?

小谷:『すぐ決める、まずやってみる』を大事にしています。組織として何かを決めるべき時に、決断しなければメンバーはいつまで経っても動けません。特にクラウドファンディングのキュレーターとして取り組む業務は前例のないケースが多く、やってみなければ分からない·迷っても仕方ないという状況が多々あります。だからこそ私自身がまずやってみて、『みんなもまずやってみよう』という空気を作り、メンバーが積極的に挑戦しやすい土壌を作るようにしています。

伊勢村:迅速で前向きな決断を大事にしているんですね。

小谷:READYFOR自体がサイクルの早い仕事で、たとえば今でいえばウクライナ危機などに極力速く対応しなければいけません。だからこそ『自分がトップスピードを出せなければ終わる』くらいの気持ちで、部署を率いるマネージャーとしても現場で働くキュレーターとしてもスピード感を重視しています。

伊勢村:変化の激しい今の時代だからこそ、とにかくスピード感を持って決断しているということですね。『リーダーとしてメンバーを率いつつも、現場で働き続けることへの決断』『とにかくスピード感を重視した決断·姿勢』など本日は貴重なお話を多く伺えました。ありがとうございました!

インタビュー 伊勢村幸樹(トレンド・プロ)
執筆・漫画シナリオ 茶谷葉
漫画 高鳥シンゴ






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