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セフレにされている気がします。

特に誰からも相談されていませんが笑、仮にタイトルの相談を受けたとして、回答を記事にしてみました。

突然ですが、皆さんにはセフレがいらっしゃいますでしょうか。
あるいは、セフレだった経験をお持ちでしょうか? 

セフレ、という言葉の裏には「付き合っていない相手と性的関係を持つのは異常である」という揶揄の気持ちが含まれている気がするので…

今日は
「いわゆる彼氏/彼女という相手ではないけれど、性的なことをする関係は悪いのか?」
ということと、
「出会ってからすぐに性的な関係になることは悪いのか?」について、考えてみたいと思います。

まず、私の思うところは、以下の通りです。

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(どちらかが嫌なのに性的な関係を持っている、というのでないのは大前提として)

出会ってから性的な関係を持つまで、何回会ってなきゃいけないとか何ヶ月経ってなきゃいけないとかないし、そういう関係を持つのに「付き合う」は絶対条件じゃない。

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上記の私の考えは、二人の方の言葉に大きく影響を受けて形成されたものです。

まず、「いわゆる彼氏/彼女という相手ではないけれど、性的なことをする関係は悪いのか?」についてよく考えるきっかけをくれたのは、下田美咲さんの言葉です。

彼女は様々なテーマについて独特の持論を持っている(奇抜だけど考え抜かれているので面白い)方ですが、著書『新型ぶりっ子のススメ』で、以下のように述べています。

男性との関係がワンナイトで終わってしまい、続きがなかった時、ほとんどの女性が「ヤリ捨てされた」と言いだします。
そしてまた、男性から「ヤリ捨て」されることを恐れている女性は多いですよね。しかし、これは、かなり生意気です。

思い出してください、恋に落ちた日のことを。
当初あなたは、彼に遭遇するだけで嬉しく、隣に座れるだけで舞い上がっていたはずですし、2人きりで会えるようになれた時、すごく喜んでいたはずです。 
そんな彼と、ついに同じ布団に寝ころがることができて、さらには自分の身体にたくさん触ってもらえたなんて、どう考えても幸せなひと時ではないでしょうか? 
LINEのメッセージが届いただけで嬉しいほど大好きな彼の、パンツの中まで手が届く日が来たなんて、かなりスゴいことです。

〔中略〕

そもそもセックスは、男性のためだけに「してあげる」ことでもなければ、男性に「されてしまった」ことでもなく、2人で一緒に「した」ことです。


「付き合ってないけどセックスはしている」という男女について、女の人が「利用されてる」って言われたり、男の人が「相手がかわいそう」って言われたりしがちですが、これってすごく変だな、と私は思っています。
(何度も書きますが、相手が望んでいないのに性的な関係に持ち込んでいる人(男女問わず)は、もちろんこの限りではありません)

「告白」も「プロポーズ」もそうですが、なんで女の人は「される」ことが前提になっているのでしょうか?

恋愛だって人間関係だから、自分にも相手にも、どちらにも局面を動かす権利があるはず。
どちらか片方にしか舵が取れない関係しかそこにないなら、それがむしろ不健康じゃないでしょうか。

自分で選択して、好きな人と向き合って触れ合う時間が持てたということ、その幸せな時間そのものを、もっと大事にできるといいなと思います。

※同性愛者の方の場合、恋愛「強者」の人が、「利用してるみたい」って言われたりするのでしょうか…このあたりにも興味があります…。


さて、続いて、「出会ってからすぐに性的な関係になることは悪いのか?」について考えるきっかけになった、宇多丸さんの言葉を紹介します。

宇多丸さんは、女の人の相談を受けるウェブ連載を「女子部」というサイトでお持ちなのですが(原則毎週日曜日に更新。女子部スタッフのこばなみさんとの対談形式)、この連載、女も男もどちらでもなくても参考になる言葉がたくさん載っています(特に、相談内容が今ほどピンポイント化してない連載初期)。

その中でも何回か読み返している相談、
初めてのデートで『家くる?』と誘われて……。男性ってそういうことしか考えてないの?」への回答で、以下のやり取りがあります。

宇多丸:
昔から雑誌のデート特集とかでも「キスは何回目のデートで」とか、よく書いてあったけどさ。
その回数主義にも、俺はここで改めて異議を唱えたいね!
1回目だと軽いなって思っちゃうってこと?

こばなみ:
その傾向はあります!

宇多丸:
でもさ、逆に、どれだけデートを重ねても結局ピンと来ない相手ってのはいるわけじゃん?
そういうヤツがさ、「三回目のデートだからそろそろ……」とかいう理屈で、こうやって(と、口をチューのかたちにして顔を近づける)迫ってきたら、それはそれで「キモい!」ってなるんでしょ。
だからやっぱ、回数じゃないだろう!

スタンプカードじゃないんだからさ、何回デートしたからとか、杓子定規に決められるものでもないじゃん。
ってことは、相性によっては、初回からオッケー!ってのも全然ありだと思うんだけどなー。


これを読んだときから、様々な件について「でたースタンプカード主義!」と思うようになりました。

何回目、何ヶ月、という客観的な数字や「付き合っている」という状態が重視されるのは、たぶん「他の人に理解されやすいから」だと思うんですね。

以前、ポリアモリーについて考えた記事でも少し触れましたが、恋愛する上で本当に大事なのは、周りの人にとって「理解しやすい形態におさまる」ことじゃなくて、目の前にいる人と自分にとって心地よくちょうどいい「双方が納得できる関係でいる」ことのはず。

周りにいろいろ言われると面倒くさくもありますが、「かくあるべき」という呪いから逃れて、落ち着く先に既存のラベルが貼れなくてもゆるゆる楽しんで、しなやかにやっていけるのがいいな、と思っています。

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