窓の外に描く 第10話「餞別」
「ねぇ、ジニ。僕もうオーストラリアに戻るんだ。二学期に最初に友達になったのがジニでよかったな。」
「せっかく言葉も覚えたのにさ。寂しいよね!」
「バン先生も転勤して、隣町の学校に春から行くんだ。みんな離れ離れだね。」
歩きながらフィリックスはジニにずっと話しかけた。
ジニは「うん。」としか答えなかったが、内心寂しそうな表情だ。
15分ぐらいで学校に着いた。警備を解除して校内へ入った。
美術準備室の電気をつけて、ジニに絵を渡した。
「二学期の間、ずっとこの絵描いてたんだな。