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翻訳業界は実力主義じゃない

よく、「翻訳業界は実力主義なので、年齢や性差に関わらずチャレンジできる」ということを聞きますが、個人的には、ちょっと違うと思います。今回はそのような話をします。

※大前提ですが、要求されるサービスレベル以上のパフォーマンスを継続的に出せることは「あったりまえ」の話です。

実力で上位に行けるわけじゃない

翻訳会社はタレントプールを持っています。そして、どこの会社でもそうでしょうが、ある程度ランク付けがなされており、一軍、二軍、予備軍みたいなざっくりとしたサブセットに分かれていると思います。

そして、個人の翻訳者が目指す方向は、その会社の一軍のサブセットに入れてもらうことです。これは誰もが納得できると思います。

ただ、よくある勘違いというのが、「実力がある人が一軍に入る」というもの。これはたぶん違って、そこに入るのは、「この人に頼んどきゃとりあえずok」という、ある程度の信頼を蓄積している人です。

翻訳会社が求めるもの

翻訳会社にとって好ましい翻訳者というのは、相手方からクレームが入った履歴がほとんどなく、また、内部のLQAで特に引っかかることもあまりない、そのようなパフォーマンスを「継続的に」出している人です。

仕事は発生ベースで流れてくるわけで、その制御は発注側が100%行います。実力主義を前面に出しすぎると、この辺で両者(翻訳会社と翻訳者)がうまくかみ合わなくなり、「オレさまの実力は十分あるのに全然仕事がこない!」みたいな、ズレた考えに発展してしまう可能性があります。

繰り返しですが、期待されるサービスレベル以上の品質を維持し続けるのはあったりまえで、それとは別に、信頼の蓄積という要素が大事になってきます。

※トライアルに受かる受からないみたいな話は別で、こちらは実力主義といっていいでしょう。

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