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エルサレムは聖地ではなく憎悪を生む地

昨日無事にイスラエルINしました。
日本のニュースでは危険なところばかりピックされるので「イスラエル危ない」という印象が強いですが、首都(トランプ大統領の発言を除く)のテルアビブも、目的であり滞在地のエルサレムもかなり治安がいいとは知っていましたが、予想の3倍くらい治安良いです。

ただ、中東なのでアラブ系特有の強引・失礼・うるさいの三拍子は揃っていて、街中にムスクの匂いがほのかに常に漂っていて、匂いに敏感な私は酔いそうです。

(1)ヴィア・ドロローサは「巡礼の聖地」ではない

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エルサレムでの1番の目的であるヴィア・ドロローサの巡礼に行ってきました。正直色々ショックでした。

そもそもエルサレムのキリスト教区に来る人は、無宗教者を除きクリスチャンであると思います。
勝手にヴィア・ドロローサって信仰心あるキリスト教徒が巡礼に訪れる場所だと思っていた自分が悪いのですが…

かなり道がごちゃごちゃしているので、どこからがスタート地点かわからず、この辺りだと思う所で、通りすがりのシスターに聞くと「この先5分くらいにある教会からがスタートよ」と言われました。

教会の前あたりまで来た所で「何をお探しですか、マダム」と地元民らしきおじさんに声をかけられ「それならこっちだよ」と連れて行ってくれました。

ヴィア・ドロローサは、死刑判決を受ける場所から息を引き取り埋葬された場所までの、14のステーションに分かれています。

そのおじさんはステーション1からそのままずーっとテンプレ的なガイドを続けていくので、途中で「これってお金取られる系のやつじゃ?」と思いつつ、ヴィア・ドロローサは距離にして1km程度で、しかも人混みが凄いので抜け道を通り抜けた為、あっという間にステーション10〜14のある聖墳墓教会に。

おじさん「ここが聖墳墓教会で、残りの全部はこの中だから1人でいけるよね。嘆きの壁とかも行く?行くなら案内するよ?」
私「いえ、大丈夫です(ユダヤ教の人たちの最も神聖な場所に自分はちょっとノコノコいけない)ただ、あまりにも道が複雑なので地図上で確認したいんですが」
おじさん「あーじゃあ最初の教会まで戻る?こっち来て、この道を抜けたら行けるから。もう教会がどこにあるかとかスポット地点わかったよね、あとでお金払ってね」

デターーーーーーーー。

80シュケルと言われたが、余り現金に変えてきておらず現金はユーロしかないというと20€と言われた。

まぁ、構いはしない金額というか妥当と言えば妥当ではあるので払いましたが、勝手にガイド始める前に「20€で案内するけど?」と聞いて欲しかったなーという、後味悪い感じにはなりました。
お金払うんだったら、ちゃんとガイドとして色々質問したりしたかったんですけど的な。。

(2)クライマックスの聖墳墓教会の中が問題

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いよいよ、ヴィア・ドロローサ巡礼のクライマックスである、聖墳墓教会の中へ。

そこは、キリスト教徒はもちろんの事ながら、観光客であったとしても「神聖な場所」として秩序が守られているはず…

と、思っていた私が間違っていた。

どうしてイエス様の受難のど真ん前で笑顔でポーズして写真撮れるの?!
セルフィーしまくりとか意味わかんないんだけど?!
列はまるで無視、押し合いへし合い、無秩序な自分勝手な人たちばかり!
キリスト教徒とは思えない光景ばかり。

挙句にまじで何コイツ?!と思ったのが、イエス様が息を引き取った後、体に油を塗って亜麻布で包んだとされる石の前で、50代くらいの白人夫婦がセルフィーしようとしていた所に、同じくらいの歳の白人のおじさんがセルフィースティック持って動画を撮っていて「どけよ!」って、どついて押しのけた…

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いや、マジでお前ら何しにここ来てん?!
お前らいい歳こいてセルフィーだの動画だの、なんやねん?!
ほんで、自分の写真撮るのに邪魔だっつって人をどついたジジイお前マジでなんなん?!

同じクリスチャンとしてマジで引いた。
キリスト教性のかけらも持ち合わせない奴らがクリスチャンとして、クリスチャンにとって最も神聖な場所で、何をしとんの?!

私は「多分カメラを回せる気になれないだろうなぁ」と思いつつGoproを一応持って行っていたけど、やはり気が引けて、写メさえも気が引けて…この聖地を「動画レポート」にするには私には信仰的にキツイのに、なぜ平気で笑顔でセルフィーしていられるのか解らない。

なんか、、、ただの観光地じゃん…

いや、わかるよ、わかるけど…ここは、そうじゃないだろう?!


各都市の大聖堂が観光地化してしまうのは理解できる。
けど、ここはイエス様が判決を受け鞭打ちを受け十字架を担ぎ息を引き取った受難の地そのものなんだよ?!
そういうのじゃないだろ?!という怒りというか悲しみというか…

日本の人口の1.1%しかクリスチャンはいないので、日本人のクリスチャンは信仰が大体あります。(と思う)


でも、欧米系のクリスチャンは「別に信仰心はないけど家系的にそうだからさー」っていう感じに信仰心が薄れているのは解っていたけど、まさか、ここでこんな悪態をできるのが大半ということにショックを受けた。
露出が多い格好をしているのにストールも持参していない人も多く、それにも引いた。

聖墳墓教会を出てから、あのガイドのおじさんがあまりにもアッサリと説明を終え、イエス様の受難に対しまるで何の感情も抱いていないかのような雰囲気だったのは、こういう人たちが大半だからなのか…と。


判決を受けた場所、イエス様が鞭打ちを受けた広場で、私が胸に手を当てて言葉を失っている姿に、おじさんがポカーンとしている様子にも違和感をその時は感じたのだが、今思えば「あー多分こいつは珍しく信仰心があるんやのぅ…」と見ていたのではなかろうかと。

(3)キリスト教徒による人種差別

実際に十字架を背負い祈りながら「本当の巡礼」をする団体もいます。この日、私は黒人の人たちの団体と出くわしました。
アフリカはカトリックが多く、公用語もフランス語です。そのため私は言ってる事がわかってしまいます。

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その時に、その巡礼を撮る専属のカメラマンと宣教師の白人2人がいたのですが、その団体自体をカメラに撮る人も多く、そこに中国人「らしき」人が2人いました。

その2人に対して「中国人、どけろ!」と宣教師が吐き捨てたんです。

中国人にだってクリスチャンはいるだろう。
中国共産党の監視下で命がけで信仰を守っているチャイニーズ・クリスチャンを知らないのか。

何で他の白人でカメラを向けていた人には何も言わず、中国人=キリスト教に関係しないと決めつけ、そんな言葉を信仰心を持っているはずの巡礼者が言うのだろうか。

そもそも本当に彼らが中国人かどうかなんて分からないじゃないか。
「神聖な儀式を自分たちはしているのだから部外者がカメラを向けるな」と言う気持ちはわかるけど、なぜ中国人と名指しなのか。

巡礼を行う信仰心の厚いはずの人間が、軽々しく人種差別的な発言をし、しかも勝手にクリスチャンではないと判断したとも捉えられる言動。
本当に信じられない。

とは言え、専属のカメラマンなんかがついている辺りに、そもそも「巡礼」と言いつつも、ある種のエンターテイメント性を持たせた巡礼なのではないかと思う部分もある。

宗教や人種の問題で戦争が絶えない訳だ、と悲しくなった。

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