北海道旅行記:初冬の根室地方へ(2日目後半:羅臼町散策)
旅2日目後半(2022年12月6日)
「羅臼国後展望塔」に行こうとするが…
道の駅「知床・らうす」に行ったところから。
昼まで少し時間があるので、「羅臼国後展望塔」というところに行ってみようと思う。
羅臼小学校の脇を進んでいく。
展望塔まであと1.5kmという看板があった。
1.5kmくらいならすぐ行けるだろう。
上り坂をひたすらに進む。人の足跡らしきものがほとんどないので、ここを歩く人は少なそうだ。
標高が上がると、雪が増えてきた。
冬靴を履いているし、雪国出身の私にとって雪道は慣れているが、それでも少し歩きづらい。
ある程度道を上ると、謎のモニュメントが現れた。
「オペレーションローリー」と書かれている。
インターネットで調べてみると、1984年から4年間にわたって行われた冒険行事のことを「オペレーションローリー」と言うらしい。
その一環で、羅臼町にも人が訪れたということなのだろうか。
オペレーションローリーモニュメントの近くで少し休憩。
この先も道は続くが、正直上るのが嫌になりつつあった。
そこで何を思ったか、私は車道ではなく、獣道のような道を進み始めた。
動物の足跡しかない道を上り続け、頂上らしきところへ着く。
ここで行き止まりだ。
何かが設置されているが、詳細は分からなかった。
結局、「羅臼国後展望塔」に行くには、やはり車道を通るしかないらしい。
ここからさっきいた場所まで戻って、また車道を進むか…とも思ったが、やる気がなくなってきたので、展望塔に行くのは断念した。
まあ、「羅臼国後展望塔」に行かずとも、道から国後島の姿は見ることができるから、別に良いではないか。
そろそろ、道の駅まで戻ろうか。
羅臼小学校の校舎。
校舎からグラウンドまで、雨や雪に濡れず移動できるようになっている。
小学校にしてはかなりしっかりした構造だと思った。
道の駅まで戻ってきた。昼ご飯を食べよう。
昼飯は、道の駅にある「知床食堂」でいただく。
「北海道応援クーポン」が使えるお店だ。
店に入り、席につく。
お店からは、美しい海と国後島が見える。
「豚丼」と「羅臼バーガー(?)」(正式名称は覚えていない)を注文した。
合計で1400円ほど。クーポンが使えるから、ついついたくさん注文してしまった。
豚丼もハンバーガーも、とても美味かった。
隣の席には、自分と同年代(20代くらい)と思しき男性が座っていた。
店員さんがため口で話しかけていたから、彼は常連客か何かだろうか。
海がよく見える席に座ったから、食べ終えてからもしばらくボーっと休憩していた。
やはりカウンター席は落ち着くな。
13時過ぎ、そろそろ外へ出ようとレジへ行く。
店員さんから「レシートは要りますか」と言われ、「大丈夫です」と言ったのだが、いつものくせでレシートを受け取ってしまった。
店員さんは、「この人レシート要らないって言ってなかったか?」という表情をしていて、ちょっと気まずい雰囲気になってしまったのが残念だ。
羅臼町散策(図書館、神社など)
さあ、気を取り直して羅臼町散策を続けよう。
羅臼港のあたりへ来た。
とりあえず港へ行ってみようと思ったから来ただけだが、港周辺は街中から少し外れた場所にある。
そのためか、歩行者などいないとばかりに(実際にほとんどいないのだが)、車が猛スピードで行き交っていたので、そそくさと逃げ出した。
再び気を取り直し、街中へ戻ってきた。
羅臼には、「栄屋」というホテルがある。外観から察するに、田舎によくある「ホテルとは名ばかりな宿」ではなさそうだ。
もちろん、セイコーマート(富士見店)もある。
日本最北東端のセコマだと思われる。
趣ある建物が並ぶ。
北海道にしては歩道が狭く、それでいて凍結しているから、歩くのはやや大変だ。
なんとなく思ったが、羅臼町の街は神恵内(かもえない)村の中心部に似ているような気がする。
海と山も近く、歩道が狭い、最果て感のある雰囲気という点が共通しているように思った。
羅臼町役場に辿り着く。結構立派な建物だ。
少しより道して、神社へ行ってみる。
この道路は日が当たらないせいか、しっかり凍結している。
「羅臼神社」に着いた。歩行者が通れる道は少し凍っているから、注意しながら歩く。
予想していたよりもかなり立派な神社。
神々しい雰囲気の写真を撮ることもできた。
再び、羅臼町役場へ戻ってきた。
羅臼町の図書館は、役場の1階にあるらしい。
図書館を少しだけ見学してきた。
役場1階のスペースを間借りする形で図書館が作られており、その佇まいは歌志内市の図書館と似ている。
館内には閲覧席が数席ほどあり、本もそこそこ充実しているように思えた。
郷土資料も豊富にあり、羅臼や知床にまつわる書籍がまとめられていた。
ただ、読書に集中できる環境かというと、それは微妙である。
というのも、図書館には扉も何もなく、完全に役場と繋がっている構造になっているため、外から声が聞こえてきてしまうのだ。
私が郷土資料の本を読んでいると、どこからか耳障りな笑い声が聞こえてきた。
きっと用事か何かで役場に来た人間のそれかと思ったが、振り返ってみると、どうやらある町職員が同僚と談笑している声のようだった。
羅臼町は規模の大きな自治体ではない。それでも図書館があるのは素晴らしいことだと思うが、もう少し外部の音が入りにくい構造になると、より快適な施設になると思った。
耳障りな声が聞こえる中で、集中して本を読むことなどできるわけがない。
「バスが来るまで図書館で暇をつぶす」という私の計画は見事に打ち砕かれ、別のプランを練る必要に迫られた。
時刻は14時半頃。帰りのバスまではまだ2時間ほど時間がある。
急遽決まった、羅臼町ウォーキング
仕方がない、もうヤケだ。
羅臼町を歩いて暇をつぶすことにしよう。
先ほどのセコマで今日の夕飯を買い、羅臼ウォーキングスタート。
羅臼町中心部から、標津町方面へ進む。
路線バスが通る道を歩いているから、バスが来そうな時間になったら、近くの停留所からバスに飛び乗れば良い。
「礼文入口」というバス停に着く。
バスまではまだまだ時間があるのでここはスルー。
「礼文」という地名だが、礼文島と何らかの関わりがあるのかな。
アメダスによると、この時の気温は-1度くらい。
晴れているとはいえ、海から風が吹いてくるので、歩いていると徐々に体が冷えてくる。
手袋は必須の状況と言えよう。
しばらく歩いていると、久しぶりの商業施設「ツルハドラッグ」に着いた。
ちなみに、ここは日本最北東端のツルハドラッグでもある。
ここで少しトイレ休憩。
ツルハ付近には、「高校前」というバス停があるが、まだバスが来る時間ではないので、ここもスルーして先に進む。
ツルハを超えると、景色は一層寂しくなる。
車は頻繫に通るが、人は全くいない。
日の入りの時間が近づいてきて、辺りは暗くなってきた。
1年で最も日の入りが早い時期というと、「冬至」の頃だと思いがちだが、実際はそうではない。
冬至よりも、12月上旬の今くらいの時期の方が、日の入りが早いのだ。
日の入りが早い12月上旬、そしてここは日本国内でも特に東にある羅臼町。
暗くなるのが早いのも当たり前のことだろう。
しばらく歩くと、ようやく家々が見えてきた。
ここは、「松法(まつのり)港」という港。こちらも羅臼町に属している。
「松法橋詰」というバス停があった。
あと30分足らずでバスが来るから、ここから乗ることにしよう。
乗車するのは、16時57分発の釧路行き。
気温はそれほど下がってはいないが、日の光がないので、結構寒い。
手袋に加えて、ニット帽も装着し、防寒に努める。
周囲には住宅もある。
家路に着く車を見ながら、家庭に帰っていく人たちと、一人孤独にバスを待つ自分を対比していた。
バス停でじっとしていても寒いだけなので、あたりを行ったり来たりしながら時間をつぶしていた。
羅臼町にはバス待合室の類がないので、冬のバス旅はハードなものになる。
17時頃、ようやくバスが来た。
車内にはほとんど乗客がおらず、乗っていた高校生らしき人もすぐに降りて行った。
ほとんど乗降のないまま、ホテルがある「西19線」に戻ってきた。
今日の移動は、なかなかきつかった。
特に、寒い中羅臼町をウォーキングするのは、(特に暗くなってからは)寒さが厳しく、体力を削られた。
一時の勢いだけで動くというのも、考えものだなと感じた。
明日は、路線バスで標津町に行ってみようと思う。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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