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在宅フリーランス生活を1年間やってみて分かったこと

在宅フリーランスという仕事を始めてから、今年春で約1年が経つので、この1年間で分かったことを書いていく。


・日本の賃金が低すぎる

とにかく、日本の賃金が低すぎることが分かる。(円安であることを考慮しても低い)
在宅フリーランス(海外サイトを利用)では、時給15~20ドル(2000円強)は当たり前。
日本の最低賃金は全国1500円にすべきだろう。
私より圧倒的に大変な仕事をしているコンビニ、飲食店店員の方々が時給1000円で働かされている現状を変える必要がある。

・円安の威力が凄すぎる

2023年から円安が急激に進み、1ドル=150円を超えている
海外サイトを用いてドルを稼ぐ場合、ドル円のレートによって円に換算した時の金額は大きく異なる。
例えば1000ドル稼いでいて、1ドル=100円なら10万円、1ドル=150円なら15万円の収入になる。
最近はずっと円安が続いているから、ドルで収入を得ている人は結構ウハウハな状況ではないだろうか。
とはいえ、円安=日本円の価値が低下していることを意味しているから、日本国民としては手放しで喜べるはずはない。

・未来のことは分からない

難関大学を卒業したのにもかかわらず、新卒でどこからも内定を貰えず、無職期間や短期バイトを経て、結果的にこの1年間はフリーランスとして仕事をすることができた。
現在の収入源はいつまで維持できるか分からず、1年後どころか半年後、1か月後の収入すらはっきりしない状況だ。
20代という年齢を考えると、一度正社員になってみて、それからまた進路を考える方が合理的だと思えるが、私は普通の人間とは違うので、
どうせ障害者雇用で就職したところで薄給になるのは間違いないから、そんな面倒なことをするくらいならフリーランスで楽して働きたいと思っている。

・在宅フリーランスをしている日本人は結構いる

仕事をするたびに、在宅フリーランスをしている日本人と出会うことがしばしばある。
日本国外に住んでいる人も一定数いるが、私と同様日本に住んでいて、米ドルを稼ぐ仕事をしている人は意外といるようである。
そして何故だか、男性よりも女性が多いという特徴もある。
夫は定職に就いていて、妻は在宅フリーランスとして働くというパターンなのかもしれない。

・ある程度英語力あれば、あとはGoogle翻訳で余裕

海外サイトを用いて仕事を受ける場合、英語力は必須である。
大学受験レベルのリーディング、ライティング能力が求められるが、最低限の英語力があれば、あとはGoogle翻訳やDeepLを使えば問題ない。
ただ、より賃金の高いポジションを狙うのであれば、スピーキング能力(英語面接)が求められる場合もある。
(私はまだ経験したことがないので、詳しくは分からない。)

・ふるさと納税だけで食っていける

個人的に、「ふるさと納税」という制度は素晴らしいと思う。
住民税の先払いをすることによって、さまざまな自治体の魅力的な返礼品(果物、魚介類、肉、加工食品など)をいただくことができ、さらにふるさと納税した金額の一部がポイントとして戻ってくる。

ある程度の収入を得ている人であれば、ふるさと納税の返礼品だけで文字通り「食っていける」のではないだろうか。
高所得者が得をしやすい制度であるため、あまり褒められたものではないのかもしれないが、フリーランスをしている人なら使わない手はないだろう。

・確定申告は意外と簡単

確定申告というと、とんでもなく面倒くさく、大変な作業だというイメージが強い。
私も戦々恐々としていたのだが、実際やってみると意外と簡単だった。
freee」という有料のサービスを使っていて、米ドル収入でも簡単に記録できるし、銀行口座と紐づけもできるから、かなり使いやすかった。
法人を設立する場合はもっとややこしいのかもしれないけれど、フリーランスとして働く程度なら税理士に頼む必要はないだろう。

・消費税ほど厄介な税金はない

フリーランスをしていると、消費税という税金がとにかく嫌いになる。
年間の収入が1000万円を超えれば消費税を納税しなければならないし、昨年秋からは悪名高い「インボイス制度」によって、年収にかかわりなく消費税を払わなければならなくなった。

消費税によって、フリーランスの税負担が増えるばかりでなく、複雑な会計処理をしなければならなくなる。
与党の国会議員が「裏金」を使って数千万円を脱税している一方で、フリーランスは消費税をちまちまと払わなければならないのである。
とにかく、インボイス制度だけでなく、消費税そのものも減税、あるいは廃止に持って行ってもらいたい。

・フリーランス向けの健康保険組合がない悲しさ

フリーランスとして働いている人は、基本的に「国民健康保険」に加入しなければならない。
国民健康保険は無職や高齢者の加入者が多いため、保険料が高いという特徴がある。

会社員や公務員であれば社会保険に入ることができるし、フリーランス・個人事業主でも業種によっては、独自の健康保険に入ることができる場合もある。

しかしながら、インターネットを使ってフリーランスとして働く人のほとんどは、独自の健康保険に入ることができず、国民健康保険以外の選択肢がないのである。

日本の「国民皆保険」は世界に誇るべき制度であるが、保険料が高すぎる問題はどうにかしなければならないだろう。

・孤独で精神を病みやすくなる、気分転換が重要

在宅フリーランスは、常に孤独と戦うことを強いられる。
私は友達が10年以上おらず、孤独を苦としない人間であるが、それでも一時期は精神的に辛く感じる時期があった。

職場の人間関係に悩む必要がない反面、日々関わる人が全くいないので、一度病み期に入ってしまうと、どんどん袋小路に陥ってしまうのである。
これを防ぐためには、休日を設け、積極的に外に出かけたり、趣味を充実させたりして、気分転換を図る必要がある。

・稼いでも税金が高い&仕事が不安定なので贅沢できない

フリーランスは会社員とは違い、税金を一度にまとめて支払わなければならない。
所得税住民税消費税(課税事業者の場合)、個人事業税(業種によっては払わなくても良い)、予定納税(来年度の税金の一部を先払いする)、さらに国民健康保険料国民年金保険料も払う必要がある。
だいたい収入の4~5割くらい(収入や控除金額によって異なる)はこれで持っていかれてしまうので、稼いでも手元にはそれほど残らない。

しかも、フリーランスは不安定な仕事であり、いつ収入が減少しゼロになるか分からない。
万が一のことを考えると、ある程度の貯金を確保しておく必要があるため、多少稼いでも贅沢をすることはできないのだ。

・働きすぎるとその反動で、一切やる気が出なくなる

フリーランスは会社員とは違い、自分の裁量で仕事をすることができる。
働きたいと思えば一日中働けるし、働きたくなければ1か月何をしなくても、誰からも怒られない。

私は昨年夏~秋にかけて、1日10時間以上の労働をほとんど休みなく続けるという、会社員であれば過労死ラインを超えるほどの重労働をしていた。
すると、燃え尽きたように働くモチベーションが萎んでいってしまい、しばらくは惰性で働くことしかできなくなっていた。
自分のペースで働けるのは魅力的だが、あんまり自分に鞭を打ちすぎると、その反動で一切のやる気が出なくなってしまうので、注意が必要である。

・社会の出来事がやけに気になるようになる

在宅フリーランスで孤独な日々を送るということは、つまり通勤時間もなく、社員との馴れ合いもなく、家族や友達と関わる機会もないということを意味する。

こういった生活をしていると、社会で起きている色々なことが自棄に気になるようになってくる。
政治に興味を持つ人の多くがリタイア世代であるというのは、おそらく労働から解放され、時間がある人が多いからではないのかと思った。
私自身はもちろんリタイア世代ではないが、普通の労働者よりはかなり時間があるので、どうしても政治や経済、金融、ローカルニュースなど、あらゆる話題に興味が向いている状況だ。

・発達障害(ASD)には最適すぎる仕事

在宅フリーランスは、コミュニケーション能力が劣っているASDにとって最適な仕事である。
ASD者の多くは障害を隠して働く(クローズ)か、障害を開示して働く(オープン、障害者雇用)ことになる。
彼らの平均所得は低く、さらにASD特性が災いして、社内で疎まれたり、変わった人間扱いされたりして、孤立してしまうことが多い。

その一方で、在宅フリーランスであれば人間関係に悩む必要はない。
円安の今であれば、高い収入を稼ぐこともそれほど難しくない。
さらにAI技術がどんどん伸びてきている今は、AIを教育するための人員が求められていて、在宅フリーランス界隈は前途洋々と言っても良い状況だと思う。

日本の実質賃金がどんどん低下し、国力は落ち、一部の富裕層や資本家だけが富を独占する状況は今後も続く。
いっそのこと国を出て行きたいが、そんな大それたことはできないという方々は、ぜひ在宅フリーランスで外貨を稼ぐことに挑戦してみてはどうだろうか。

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