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【現代アート鑑賞】養蜂と現代アートを考える(團上祐志さん)

ART FAIR TOKYO 2024を訪問。今年は現地でコレクターの友人たちと落ち合い、ギャラリストやアーチストの方とも会話することもできた。さらには、そのメンバーでフェアを出て、現代アーチストで起業家の團上祐志さんのアトリエを訪問した。

團上さんは、武蔵野美術大学の油絵学科在学中に渡米しニューヨークで展覧会を開催、帰国後に愛媛県の大洲で古民家を活用したアーティストインレジデンスを手がかけられるなど、アートと文化とビジネスの架け橋となる活動をされている。

雑誌Forbesでは、そのような、文化やクリエイティブ領域の活動によって、それまでになかった革新的なビジネスを展開し、豊かな世界を実現しようと試みる起業家を「カルチャープレナー」と呼んでいる。

團上さんが今取り組んでいるのは、都市養蜂で採取した蜜蝋を用いて描いた作品だ。最初は蜜蝋と聞いて想像がつかなかったが、見せていただいた作品は、マーブルのように滑らかで美かった。蜜蝋はミツバチが採取した材料で作られるので、その成分を分析するとその地域の花粉や瓦礫などが明らかになるという。実際に、アートの材料のなる蜜蝋も、團上さんが手がける清澄白河のレストランの屋上の養蜂から採取されている。同時に取れたはちみつはレストランで使われる。

蜜蝋を材料にした作品から、生物多様性やサステナブル性を感じることができる。蜜蝋は、人類が古くから使ってきた素材で、耐久性も長いそうだ。今回は、都市養蜂や蜜蝋に由来するアートを通して、都市の自然や自然と人類の関わりに頭を巡らせる機会となった。

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