1泊2日のコルカタ旅行記〜1日目〜
インドは西ベンガル州にあるコルカタに行ってきた。
旅をするに至った経緯は以下記事で書いているので、併せて読んでほしい。
Itinerary
入国前の準備
世界最強の日本のパスポートを持っていてもなお、インド入国にはビザの申請が必要になる。
方法は以下の3つ
インド大使館で申請
オンライン申請(e-VISA)
到着ビザ申請(Visa On Arrival)
Visa On Arrivalは日本と韓国のパスポート保持者のみ申請可能で、到着後その場で申請ができる。
今回私はVisa On Arrivalを申請することにした。
ネットで調べると、フォームをダウンロードして記入しておくとスムーズだと書いてあったので、大使館のホームページから該当ファイルをDLし、電子ファイルで記入をしてスマホに保存しておいた。
Itinerary
Itinerary=旅程 は以下の通り
現在ベトナム在住なので、ハノイからの旅になる。
ハノイからコルカタのフライト時間は2h45mで時差は‐1:30。
早朝に着くので、丸1日観光に充てられるが睡眠不足で元気に動き回れるか心配ではあった。
当日は仕事だったので、帰宅後荷物をまとめて、2時間程度仮眠を取る。
1泊2日のため預け荷物はなしで、リュックサック1つの身軽な旅だ。
Departure
どんな時間帯であっても、やはり空港には人がたくさんいる。
チェックインカウンターにならび順番を待つ。殆どの乗客はインド人で、ハノイにこんなにインド人いたんだな、と思った。
チェックインするとき、Visa On Arrivalの申請費用は持ってる?と聞かれた。
係員さんが言うには、現金でかつ25USドルである必要があるとのこと。
初耳だったので、一度空港内で外貨両替をしてUSドルと念のため少しのインドルピーも確保しておいた。
フライトが30分くらい遅れたが、特にトラブルもなくコルカタへ向かう。
Arrival
5amにコルカタに到着。
入国審査をするとき、Visa On Arrivalのカウンターもあったのだが、早朝だからなのか、審査官がいなかったので外国人用のカウンターに並ぶ。
VISAはあるか?と聞かれたので、「I would like to apply for Visa On Arrival‐到着VISAを申請したいです。」と伝えると、「横のベンチで待ってて」と言われる。
待っていると、同じ境遇の人を発見。
日本人っぽかったので、「日本の方ですか?」と聞くと、「そうです」と言った。
日本人が同じ機内に乗っていたなんて気が付かなかった。
話してみると、彼は日本からハノイとコルカタを経由してアグラ空港に行き、そこですでに旅行中の友達と落ち合うということだった。
2箇所も経由するなんて大変だなーと思いながらも、同じ日本人がいて少し安心する。
待っている間、係の人が到着VISAの申請用紙をくれて、記入をして再び待った。電子ファイルで記入していることを伝えてみたが、紙で書いてとのこと。
日本人の彼は7amには乗継便に乗らなくてはいけないので、少しソワソワしていた。
それから1時間が経ち、6amにようやく窓口が開いた。
早速記入済みフォームを審査官に渡すと、「VISA申請代の2000インドルピーはある?」と言われる。
「25USDはあります」と2人していうと、「現金で2000インドルピーが必要だから、向こうで両替してきて」と言われる。
ちなみに、2000インドルピーは約25USドルなので値段は同じくらい。
ベトナムで言われたことと違うけど、ここで何を言っても仕方ないので大人しく言われた通りにする。
時間も押してるので、前もって両替しておいたインドルピーを日本人の彼に渡し、先に申請するよう促した。
私の方も両替を終わらせ、カウンターに向かうと、まだ彼は申請の際中。
審査官があまり慣れていないようで、手続きに少し手こずっている様子。
時刻はすでに6:30am。
なんとか乗り継ぎ時間内にゲートを通ることが出来た彼に、駆け足のサヨナラをして自分の申請に進んだ。
無事アグラに着いているといいのだが。
私はというと、問題なく審査が通り、いよいよ神秘の国インドのコルカタへと足を踏み入れる。
少し緊張した面持ちで到着ゲートに向かうと、バッジをつけたおじさんに呼び止められる。
「パスポートを見せて」
え、これは詐欺?と警戒をして、モゴモゴ言いながら足を進めると、ガシッと腕を掴まれる。
不安になり近くのカスタマーサポートの人に、「あの人は空港の関係者なの?」と聞くと「そうだよー」と言われた。
良かった。パスポート見せてそのまま盗まれたら堪ったもんじゃない。
おじさんは、「なぜそんなに焦ってる?インドには何しに来た?」と聞いてくる。パスポートを見せなかったために警戒されてしまった。
素直にパスポートを見せ、VISAのスタンプを確認してもらった後、観光のために来ましたと伝えた。
それから荷物をすべて置いて、金属探知のゲートを潜るよう指示される。
裏に連れられて尋問されたらどうしようと不安になったが、意外にもあっさり開放してくれた。
出鼻をくじかれた感じだが、無事に到着ゲートにたどり着く。
次のミッションはホテルへのチェックイン。
Google Mapがないと何も出来ない小心者のため、空港でSIMカードをゲットしておきたかったのだが、そのようなお店は見当たらなかった。
更に空港のWi-Fiもどれか分からず、つながりも悪いためUberを呼ぶことが出来ずにいた。
旅行前に、ホテルのスタッフから空港からホテルの行き方やタクシー代の相場、客引きに気をつけることなどアドバイスをもらっていた。
とりあえず外に出ると、案の定タクシードライバーから声がかかる。
ひとまずホテルの場所を教えて、いくらか聞いて回る。
3人以上には聞いたが、どのドライバーも1000ルピー(1800円位)以上のオファーをしてきた。
ホテルの人曰く400~450ルピーで行けるはずとのことだったので、高く感じたが、空港内の駐車代が含まれているとかいって、値下げはしてくれなかった。
ホテルに行かないことには何もできないので、なんとかお願いして950ルピーで了承してくれたイエローキャブ(タクシー)に乗ってホテルへ。
観光開始1
ワクワクと不安を胸に、いざ観光へ。
ホテルへ
タクシーに乗って、シートベルトをしようとしたら、「シートベルトは危ないからしないで」と言われた。
「??」よくわからんが壊れてるのかな。車もボロボロだし。
でも、運転は穏やかで快適だった。
街は土埃がすごくて、9月終盤でも暑い。
30分くらいして、ホテル周辺に降ろされた。
細い路地に入りホテルを探すも、かなり分かりづらい。
奥には古い団地のような建物が数件立っていて、看板もなければホテルらしい外観もしていない。
近くにいた配達員のお兄さんに聞いてみると、英語が分からないながらもエレベーターで3階に上がるよう教えてくれた。
中に入っても、やはり普通のマンションのようで、廊下に部屋がいくつかあるだけ。別の階に行きウロウロしていると、ホテル名が書かれた扉を発見。
チャイムを鳴らしても誰も出なかったので、扉を押してみると開いた。
中は共有スペースのようで、食事用の大きな机とソファなどが並べられており、中に部屋番号が書かれた部屋がいくつかあった。
多分ここだろうけど、誰もいないしどうしよう。
とりあえずソファに座ると、間も無くしておじさんが外から入ってきた。
「すみません、ここのオーナーさんですか?」と聞くと、頷き、チェックインは5階ですと言われて一緒に移動する。
5階にも同じように扉にホテル名が書かれていて、その中にいくつか部屋がある内装だった。
本来は12時からチェックインで、だいぶ早く着いてしまったのだが、部屋も準備されていたようで無料でアーリーチェックインをさせてもらった。
部屋は2階で、同じような作りだった
肝心な部屋だが、広さは十分だけど、あまり清潔感はなかったかな。
タオルとかも予備はなく、ゴワゴワしていた。
まぁ1泊だし、ホテルでくつろぐこともなかったため許容範囲。
少しだけ休んで、まずはSIMカード入手へ。
目的地まではUber motoを使ってバイクで向かった。
ちなみに、Uberのような配車アプリでは、基本クレジット払いにしているが、コルカタでUberのバイクを使ったとき、現金払いでしか予約ができなかった。
値段は乗り物の種類や時間帯などでも変わるが、バイクだと2.4kmで43インドルピー、およそ80円弱だった。かなり安い。
コルカタでSIMカードを買うならここ
事前にコルカタ旅行のSIMカード事情をネットで調べておいた。
日本人含む、ほとんどの外国観光客はここでSIMカードを買うらしい。
場所は、バックパッカー向けの宿が集まるSudder Street(サダーストリート)にある『Curd Corner』と呼ばれる朝食屋さんの隣。
Curd Cornerはかなり小さいお店で、その隣でSIMカードを売っている。看板を見れば分かる通り、日本人のお客さんも多いようだ。
1番小さいプランで1日1GB使えるし、インドの電話番号も入手できる。
ブランドはAirtelと呼ばれるもので、値段は299インドルピーくらいから。
1泊2日だけであっても、日本円で500円ちょっとなのでかなりお得だと思う。SMSの通知を見る限り28日は使えるプランの様子。
インドの通信会社を使うには手続きが必要で、旅行用SIMであってもアクティベートに15分以上はかかる。
まずパスポートを見せて、その後日本の住所と両親の名前を記載。さらには顔写真まで撮られる。
全部お店のおじさんがやってくれるので、面倒な操作はないが少し待つということだけ注意。
待っている間は隣のお店でラッシーを頼んだ。
インドで初ラッシーを飲めたことに感動。
オーナーさんはとてもフレンドリーな人で、待っている間おしゃべりしていた。
Curd Cornerの数件先には外貨両替所がいくつかある。ブルーの看板で目立たない場所が1番レートがいいということだったので、そこで両替も済ませた。
Curd Cornerのすぐ角隣には『Blue Sky Cafe』と呼ばれるカフェレストランがある。
看板の日本語を見て分かる通り、ここも日本人および外国観光客の間で有名な場所らしい。
確かに、中も小綺麗で入りやすい雰囲気だし、飾り付けもなんとなく観光客を意識した感じになっている。
メニューはインド料理の他に西洋料理、ベジタリアン料理、タイ料理、中華などレパートリー豊富。
ここではせっかくインドにいるんだから、もちろんインド料理を。
ブレックファーストメニューのALOO DUMとLACCHA PARATHAそしてアイスレモンティーを注文。
何が何だかわからないが、一応メニュー名をググって下調べしておいた。
ALOO DUMは小さいじゃがいもが入ったカレー
LACCHA PARATHAは全粒粉で作られた平たいパン。ナンと違って薄くパリッとしている。
早速インドのご飯を食べられて満足。
ちなみに、私が行った時はお客さんは日本人しかいなかった。やっぱり有名なんだな。
インドのチャイから始まる出会い
SIMカードと外貨両替、さらに食事までいっぺんに済ませた後、これまた近くにある有名な市場『ニュー・マーケット・エリア』へ観光に行く。
マーケット向かいの道路沿いには、屋台がずらっと並んでいて、見ていて面白かった。その中に、チャイ屋さんを発見。
おお、これがインドのチャイか。
どうやって地元の人が買って飲んでいるのかを観察し、緊張しながらも一杯注文。
こんな小さなフリーカップで提供され、10円程度。
大きいサイズもあるみたいだけど、地元の人はその場でサッと飲んでカップごとゴミ箱に捨てていた。
このカップすごく素敵だな(記念として持って帰った)
チャイを頼んでいる時、同い年くらいのインド人男性が話しかけてきた。
「どこ出身?」と聞かれたので、「日本だよ」と答えると、「日本人の〇〇って人知ってる?俺友達なんだよ」と言われた。
最初ピンと来なかったけど、ググったら知っている日本の俳優だった。
彼の話では、その人がインド旅行をした時に出会い、一緒に旅もした仲だそう。
へー。そんな人もいるんだなと思いながら、チャイで乾杯。インドのチャイってこんな美味しいんだ。感動。
それから、「ニューマーケット見に行くの?」と言われ、そうだというと、「俺も今日オフで友達に会いに行くから、一緒に来る?」と誘われた。
特に考えずに、OKと言って彼についていく。
マーケット周辺ではいろんなものが売られていた。細い通りに入っていくと肉屋の売り場に繋がっていて、ヤギなどの肉も売られていた。
あまりしっかり見れなかったが、天井がついていて、頭上にはカラスの群れ、地上にはネズミと野良犬がたくさんいて、バイオハザードの世界みたいだった。
ニューマーケットでひと休み
それから、マーケット内の地下にあるショップの中きら、一つの店に案内された。
お店はアンティークショップで、陶器や木掘りの置物、アクセサリー類にカシミアがディスプレイにキチンと陳列されてあった。
L字のショーケースにカウンター椅子が5つ。そこにでっぷりと腹が出た40代くらいのインド人男性と、素朴な顔をしたおじさんが座っていた。
私を連れてきた男性、バブーは私と会った経緯を説明し、いつもしているかのように椅子に座り寛いだ。
でっぷり腹が出た男性はラジュ。日本に10年以上も住んでいたとのことで、かなり流暢な日本語を話す。
聞くに、同じマーケットに他にもいくつかお店を持っており、カシミアを世界中のマーケットに売りに行ったりもしているらしい。
かなりのビジネスマンとみた。
それから、案の定カシミアを紹介される。
カシミアにはランクがあるらしく、いずれも日本で買うよりずっとお得に買えると力説。彼自身は、騙したり押し売りはしないといってくれているが、続々とラッピングを剥がして触らせてくれるし、この色はお母さんにいいんじゃないか。この色はお父さんに似合うと思う。と勧めてくる。
家族と仲がいいと伝えてから、関心したように家族へカシミアをプレゼントすることを勧めるのだ。
彼いわく、日本人で家族と仲がいい人はあまり見たことがない。だからこそ特別価格で家族に買ってあげてほしい。だそう。
ん・・・。インド旅行ではお土産を買うつもりはなかったし、ましてやそんな高級品を買う予定もなかったが。
実際に触ったり、色を見ると、たしかに上等なもので、家族にプレゼントしてあげたいなという気持ちが湧いた。
2枚で約2万5千円。高すぎて手が出ない。
買うとしても、1枚だけ。この間母親に誕生日プレゼントを送ったし、以前ブランド物のマフラーをプレゼントしたことがあるから、今回は父親に買おうかな。と言った。
1枚の値段は7500インドルピーおよそ1万3千円強。まだ高いな・・・。
それでも渋っていると、「予算はいくらなの?」と言われたので、5000インドルピーだというと、「じゃあ、6000でいいよ。こっちの儲けはほぼないけど、家族へのプレゼントってことなら特別。あと象の置物もつけてあげる。」という。
5000って言ったじゃん。というツッコミはせず、6000インドルピーで手を打った。
買ったカシミアは、80%カシミアで落ち着いた薄茶一色のシンプルなデザイン。一見地味だが試着してみると上品な色が肌色になじみ、一気に洗練された感じになる。
良い買い物が出来た。と自分に言い聞かせる。
それからしてすぐ、ラジュのお腹を3分の1にしたインド人男性が店に入ってきた。
彼はラジュのお兄さんで、これまた日本語堪能。
日本には10年以上住んでおり、現在も日本人妻と可愛い子供と一緒に日本に住んでいるとのこと。
彼はスリシュといい、インドと日本で複数ビジネスをしており、不動産などもやっているらしい。今回は休暇兼仕事でインドに帰っているとのこと。
他にも現在進行系で新しいビジネスが進んでいたり、よくわからないがとにかく色々やっている人だ。
人脈もすごくて、どこどこの会社の社長と知り合いとか、インドの副大統領に表彰されたことがあるとか、若い頃はとにかく遊んでたとか・・・写真を見せながらとてもフランクにかつ紳士的に話してくれた。どの話もスケールが大きい。
私は、投資やら会社経営に全く興味がなく、若い頃羽目を外して狂ったように遊んだこともないため、なんだか異世界の人のように感じた。
話をしている最中、彼の部下兼世話係?の40代前半くらいのインド人、アラ厶がひょっこりやってきて、チャイを振る舞ってくれた。
登場人物
急に色んな人が出てきたので、ここで一度登場人物の整理をしたい。
バブー:チャイ屋で出会った青年(若く見えるけど33歳らしい。)以前ラジュの元で働いていて、今はラジュとスリシュの友達。ちょっとやんちゃで、スリシュによく叱られている。
ラジュ:日本語堪能強面お腹でっぷりインド人。インドでアンティーク店を複数営むビジネスマン
スリシュ:ラジュのお兄さん。日本語堪能何でもやってるやり手ビジネスマン。彼のはからいで色々観光が出来た。
アラ厶:スリシュのお世話係。スリシュがインドに帰っているときは運転手となったり、お茶くみをして身の回りの世話をしている。普段はラジュのお店を手伝っているらしい。
その他:ラジュのお店で働いている親戚のおじさんや他の兄弟やらとも顔を合わせたが、特に繋がりはない。
今回の旅のメインの登場人物は上記4名。
とくにスリシュは色々と面倒や旅の手配をしてくれて、本当にありがたかった。
観光開始2
スリシュが「今日は何するの?」と聞いてくれたので、行ってみたい観光地をとりあえず伝える。すると、「じゃあ一緒に行こう。〇〇ってところはぜひ行ってみてほしい。」など旅行プランを立ててくれた。
St John's Church&VIDYASAGAR SETU
お店を出て、スリシュと一緒に彼の車まで移動する。
バブーはお店でブラブラしているみたいだった。
まず向かったのは『St John's Church‐セイントジョンズ協会』
1787年に設立されたコルカタで三番目に古い協会。
静かで穏やかな雰囲気の場所で、内はもちろんだが、ガーデンにあるメモリアルやお墓も素敵だった。
その後、エデンガーデンというイギリス風庭園を抜け、カンジス川から分岐したフーグリー川沿いのストランドロードを走る。
そして、『VIDYASAGAR SETU-ヴィディヤーサーガル セトゥコルカタ』という全長823m、インド最長の斜張橋が見えるスポットへ。
川沿いにはいろんな出店が開かれており、スリシュがよくチャイを飲むスポットらしい。
このあたりの通りは広くて、モニュメントがあったりイギリス風建物があったりして、とても素敵だった。
その後、スリシュが「もう一つの観光地に行くけど、ここから少し遠くて、車だと渋滞もあるから電車で行ったほうがいい。私の部下(アラム)を案内させるから、一回マーケットのお店に戻ろう。」と言った。
仕事自体はほとんど人に任せているらしいが、書類関係やら確認などで電話が来ることがあるようなので、大変そうだ。
お店(ラジュのアンティークショップ)に戻ると、アラムが出してくれたチャイを飲みながらしばし休憩。
スリシュが、これからの行き先やプランなどをアラムに伝えてくれた。
To Dakshineswar Kali Temple
最初の行き先は『Dakshineswar Kali Temple-ダクシネーシュワル・カーリー寺院』
スリシュからおすすめされる前に、私も行こうと思っていた場所なのでちょうど良かった。
この寺院は1800年代に建てられた由緒正しいヒンドゥー教の寺院。
最寄り駅はDakshineswar駅なので、地下鉄で一緒に行く。
インドで乗りたかった地下鉄だ。
切符は窓口で買う仕組みで、プラスチックのコインをもらうので、タップして改札を通る。出るときは改札にコインの入れ口があるので投入するだけ。
ニューマーケット近くのEsplanade駅からだと約20インドルピー。40円くらいなのでかなり安い。
コルカタの電車は至って普通の電車だった。
平日昼間ということもあって、込具合も東京の満員電車に比べればだいぶまし。到着駅が終点ということもあり、目的地につく頃には人もガラガラで座ることが出来た。
電車に乗っているとき、隣に立っていた女子高生と少し会話をした。話していくうちに、「インスタ持ってる?」と聞かれたけど、なんだかめんどくさい気がして持っていないと答えてしまった。
アラ厶はそれを見て笑ってた。
彼は、初めこそ物静かだが、話していくと無邪気というか、人懐っこいというか、なんとも言えないが人として好きだなと感覚で思った。
「君はボスに会えてラッキーだったね。」「俺はこの間1人でどこどこに言ってきたんだよ」なんて話をしながら終着駅まで向かう。
この日の天気は不安定で、私がコルカタに着いたときこそ晴れていたのに、今は雨が振ったりやんだり。
駅についてからも雨が振り始めたので、少し待機していたのだが、トイレに行きたくなった。
駅構内にはトイレはなかったが、すぐ近くに公衆トイレがあったのでそこに向かう。
公衆トイレは台形の階段があって少し高い位置にあり、左右に男性女性と別れていた。そして、そこにセキュリティの人なのか、小さな椅子に座っているおじさんがいた。
階段を登ると、おじさんは下で待っていたアラムに向かって「この子はどっちを使うんだ?」といっていた。
アラ厶はまた笑って、「男性だよ」と言った。
インドや他の国でもたまーに女性に間違われるのだが、私は決して女性的な見た目や仕草ではない。とここで念を押しておきたい。
チビで髪が少し長いというのはあるが・・・・。
At Dakshineswar Kali Temple
寺院に着いた。
とても大きくて迫力がある。
周りには猿がいて、一緒に写真を取っている人がいた。
寺院を囲む広い中庭があり、入るには裸足でなおかつ携帯の持ち込みが禁止されている。要は写真撮影禁止ということ。(外からの撮影はOK)
近くに荷物預け場所があるので、入りたければそちらに預けてから。
アラ厶が外で待ってるから行っておいでと言ってくれたので、鞄ごと預けて中に入る。
本寺院とは別に、中庭を囲うように部屋が設けられている。
寺院のデザインがとにかく素敵で見ることが出来て本当に良かった。
その後、アラ厶と合流し周りを少し見て回ったあと、次なる目的地へ。
(どこに行くのか知らなかったから、ついて行くだけ。)
Cruising/Bally Bridge from Ferry
ローカルな道を歩いて行き着いた先はフェリー乗り場。
窓口でチケットを買い、乗り場につくと、すぐ横にはコルカタとハウラーを結ぶ主要の橋の一つ、Vivekananda Setu 、別名Bally Bridgeが。
カッコいい橋だな。実際に歩いて渡ることもできる。
それからしてすぐに船が到着し、乗り込む。
座った途端に大雨と風が酷くなり、みんなテンワやんわ。なんだか航海をしている感覚に陥る。
かと思えばすぐに落ち着いたり、本当に変わりやすい天気だった。
しばらく立っていると、さっきからチラチラこちらを見ていた少年が隣に来た。”NARUTO”の服を着ていたので、Tシャツを指さして、NARUTO?と聞くと、「うん」と答える。
アニメが好きなようで、「〜ってアニメ知ってる?」とか色々聞いてきた。
更に、「日本だと名字、名前の順番でしょ?じゃあミドルネームがあるときはどうなるの?」と面白いことを聞いてきた。
「それだと、ファミリーネーム‐ミドルネーム‐ファーストネームの順だよ」と教えると、へーと納得した様子。
しばらく船に揺られていたが、どこに向かうのか分かっていなかった。
気がつくと最初の場所に戻ってきたので、一周するだけの遊覧船だったよう。船が戻る頃には日が沈み、辺りはライトアップされた寺院や橋でキラキラしていた。
その後の予定も分かっていなかったのだけれど、アラ厶が「20時くらいにはお店に戻って、ボスが夕食に連れてってくれるよ」とのこと。
ということで、そろそろ戻ろう。
On the Way to the Market
船から降りて歩いていくと、よく分からない道に出てしまった。アラ厶も通行人に聞いて回り、路地裏を抜けて表通りへ。
それからバスに乗って帰ることに。
「このあたりでバスが通るから待とう。」といったのは普通の道路。
「バス停はないの?」と聞くと、「インドではバスを見つけたら乗り込むだけだよ。」とのこと。
それからバスが来て、飛び乗るように乗車。
ベトナム同様、バスにはお金を徴収する係の人が乗っていて、その人にお金を渡せばいいだけ。
更に、交通渋滞の酷さや運転の荒さもベトナムと同じくらいだったので、既視感があった。
一番うしろの窓際に座り、インドらしい町並みを見ながらしばらく乗車。
その間、アラムは饒舌になり、哲学的な話や自身のイスラム教の教えや価値観を話してきた。
話の難しさや彼の英語の聞き取りづらさ、私の英語力不足も相まって、「ちょっと何言ってるかわかんない」状態だった。
適当に相槌を打ちつつ、少し上の空気味に話を聞いていた。
正直、宗教色の強い話は無宗教の私にとって取っつきにくいし、下手に否定も肯定もしたくない。
アラ厶はボスの影響からか、本当に少しだけ日本語がわかるので、私が微妙な反応をしていると、「わかった?」と日本語で聞いてくる。
本来だったらイラッとしそうだが、彼の言い方が可愛くて「うん、分かった」と返してしまう。
人は100年の人生でなんちゃらとか、一滴の汚れが女性の体に入るとなんちゃらとか、理解が追いつかなかったが、コロナの時に多くの人が苦しんだ話や病院にもいけない人がごまんといたなど、シビアなインドの現実も教えてくれた。
私はというと、アラ厶の話を聞きながらも(聞いてるふり)外の風景に興味津々。
いろんな物を売っていたり、くつろいでいる人がいたり、口論していたり、とてもおもしろい。
バスが少しの間停まっているとき、外のお店で暇そうにしているインド人の青年と目があった。
すると彼は遠慮がちに手を振り、はにかんだ。
手を振り返すと、「おい、バスにいる子が手を振ってるぞと言っているかのように周りの従業員にも知らせて、みんなで手を振ってくる。」
インド人って愛らしいな。と思うと同時に気まずさのためにすぐ目をそらしてしまった。早くバス動いてくれ。
バスが動くと、また目を合わせてバイバイと手をふる。
少しバス酔いを起こしてしまい、アラムに「あとどのくらい?」と聞くと、もうすぐだと答える。
少し酔ったというと、近いからもう下車して歩こうかと提案してくれた。
バスを降りると、にぎやかな大通りに出た。
駅でいうとChandi Chowk駅付近。
少し街を見ていく?と行って周りを散策。
バスの時からずっと喋っていたアラ厶は気を使ってか、「俺喋りすぎてる?退屈?」と聞いてきた。
((すまん・・・))私は「大丈夫だよ」と言っておいた。
近くにケバブの屋台があり、ここで少し食べることに。
ケバブをいくつかと、パラタというチャパティの生地を何層かにしたインドのパンを注文。
アラ厶はお店の桶にある水で手を洗い、右手だけで器用にちぎって食べる。
私も彼に習って手で食べるも、熱い。。
「熱くないの?」と聞くと「そう?」と慣れた手付きで食べすすめる。
ケバブは柔らかくて美味しかった。
その後、近くの『Tipu Sultan Masjid Kolkata-ティウ・スルタン・マスジッド・コルカタ』というモスクを訪れる。
礼拝の時間ではないけど、アラムは靴を脱ぎ手や顔を洗い体を清める。
その様子を私は見ていた。
ちなみに、ここはどの宗教の人でも訪問できる。
モスクを後にして、ニューマーケットに向かって歩く。
途中、映画の広告をみて、「この映画はすごく人気なんだよ」と教えてくれた。その映画が上映している映画館が入っている『Titan-Central Metro Plaza』にいって、映画館の上映時間だけチェックするという謎の時間をはさみつつ、着々とニューマーケットに近づいていく。
ちなみに、JAWANという映画。
途中、インドでよく見るあま~いお菓子が売られた食堂を見かけた。
「食べる?」と言われ、店内に。
茶色のドーナッツがグラブジャムン、白いのがラスグッラというお菓子。
ラスグッラはスポンジ状のボールなので、甘いシロップをたっぷり吸っていて、口に入れるとシロップがジュワと溢れ出る。
グラブジャムンのが食べやすいけど、どちらもかなり甘いな。
シロップはサラッとしている。
お昼を食べそこねたアラ厶はお腹が空いていたようで、またパラタ(だと思う)ミニカレー付きを注文。私の分のパンも頼んでくれたが、こんなに食べてスリシュたちとの御飯食べられるかな?と心配になった。
アラ厶がいうには、夕食はフィッシュカレーだと思うから、そんな量もないし大丈夫。とのこと。
席からは調理場が見えて、若いあんちゃんたちが一生懸命何かを作っている。そして、あまあまのグラブジャムンが山のように入ったバケツをあっちこっちと運んでいた。
Where Is My Dinner?
マーケットに帰ってきた。
もはや旅の中継ポイントになっているラジュのお店で少し休憩をし、スリシュを待つ。
夕食には最初に出会った青年、バブーと共通の友達も来るようだ。
21時は過ぎただろうか。マーケット内のお店も営業を終了し、みんなで外に出る。
マーケットの周りはにぎやかで、沢山の人がいた。
共通のお友達が来るまで迎えに来てくれるということなので、暫く待つが、なかなか来ない。
渋滞のせいか、遅れている様子。
状況がよくわかっていないが、スリシュが「ごめん、今回は一緒に行けない。私は遅れている人を待たなくてはいけないから、バブーと一緒に行ってくれる?」と言われた。
明日の朝また会う約束をして、一旦別れた。
バブーが、「なに食べたい?」と聞いてくれたが、さっきアラムと色々食べたからあまりお腹空いていない。バブーも特にお腹が空いていないようなので、彼おすすめのルーフトップバーで飲むことに。
Blue & Beyond Rooftop RestoBar
ニューマーケットから徒歩圏内にあるバーに来た。
時刻はすでに22時。お客さんもまばらで少しさみしい雰囲気だったが、ビクトリアメモリアルのライトアップが見えるナイススポット。
バブーおすすめのインドのビールとナッツを注文して、しばし雑談。
この後何食べようか。と話していたが、近くのレストランを調べると、ほとんどクローズする時間帯だったので、別の場所で飲み直すことにした。
クラブ行く?と言われたが、ワチャワチャしたところに行きたくなかったので、落ち着いたところで飲みたい。というと、分かったと言って別のバーに向かった。
At a Bar
向かった別のバーはクラブと隣り合わせになっており、店員さんが扉を出入りするたびに大音量の音楽が鳴り響く。
バー自体は落ち着いた雰囲気で、レストランのようなだった。
店内には奥のテーブルに一組、入口入ってすぐ左のテーブルに一組。
私達が入ると、入口付近の客がバブーに突っかかってくる。
知り合い?と聞くとそうだというが、バブーは相手にせずにとりあえず席につく。
またまたインドのビールを注文。
大きめな瓶できたからビビったが、とりあえず乾杯。
私はふらふらするほどの酔はなかったが、少しビールに飽きてきた。バブーはどれくらい酔っていたのかわからないが、気が少し大きくなっていた印象を受けた。
事実、奥の席の1人はインドのマフィアだよ。なんて言ってくる。
ちょっと話してみたいなとまで言ってきたので、「私はただの旅行者なんだから、トラブルは嫌だよ」と釘を差しておいたが、トイレに行った後その人に話しかけに行っていた。
少しドキドキしながらも、特に言い合う様子はなく、相手も大人の対応をしているようだ。
Trouble for Me
ビールのせいか、トイレに行きたくなった私は席を立った。
数分も経たないうちに席に戻ると、バブーが店員と入り口付近の客に囲まれて、責め立てられている。
何事だ?と思い席に戻ると、店員の一人が「こいつが君のビールに薬を入れてたんだ!」という。
え???
バブーは「違う、そんなことしてないよ。じゃあいいよ、そのビール飲んでみせるから」といって私のビールに口をつける。
なんだか分からないが良くない雰囲気だったので、もう店を出よう。ここは払うから。とバブーにいって店を出るよう促した。
伝票を渡してお金を払い、店を後にする。
ホッとしたのもつかの間、店を出ても店員たちと例の客たちがバブーを囲んで責め立てる。
そのうち1人がバブーに手を上げ始めたので、もういいからやめてくれるかな?と制止したが、「君はもう帰ったほうがいいよ」といわれ、責め続けられるバブーを見守る。
バブーは酒に薬を入れたことを否定し続けているが、言葉に勢いがなく、相手にたたかれてもあまり抵抗していない。
酔っているからなのか、危険とわかっているのかなのか、はたまた事実だからなのか。 私には検討もつかない。
埒が明かないので、スリシュに電話をして助言を求める。
事情を説明すると、「構わないでいいから、君はもうホテルに帰って。大丈夫だから」と言われた。
それから、バブーはバイクで何処かに連行されてしまった。
私は、少し距離を取りその一部始終を黙って見ているしか出来なかった。
野次馬なのか、先程の客なのか、顔の識別ができないが男性が私の元にやってきて、「こんな事になってごめんね。コルカタはこんな人ばかりじゃないから。本当にごめんね。」とバブーがやはり悪者であったのかと思わせる口ぶりで私に謝ってきた。
バブーが連行されてからはさっと人がはけ、私はあっけにとられていた。
野次馬で参加していた様子の向かいの店の人が、私を手招きし「帰れる?」と聞いてきた。
私は、「Uberを頼むから大丈夫。でも、本当に何がなんだかわからない。トイレから帰ってきたらこんな事になってたんだよ。」というと、彼も「あの男が君のお酒に薬を入れてたんだよ」という。
バブーは確かにやんちゃな人だけど、何故か悪い人には見えなかった。薬を持ったとしても、なんのため?とにかく私はホテルに帰った。
Tryin' Sleeping with Confusion
Uberのバイクは現金払いで、予約時に値段がわかるのだが、何故かユーロで表記されていた(ユーロマークだったはず)なぜだろうと思いながら、バイクの後ろでユーロをインドルピーに換算する。
ホテルに着いて、運転手に換算後の値段を見せて、「この値段?」と聞くと、驚いたように首をふる。500インドルピーでいいよ。と言われたので、素直に渡し、ホテルに帰る。
翌日気がついたけど、500インドルピーって高すぎだろ!利用履歴見るとユーロだと思った表記がインドルピーに戻ってたし、本来は58インドルピーだった。10倍も払ってしまった。
動揺してたのかな?
ともかく、ホテルに帰り、シャワーを浴びて眠りにつく。
バブーはどこに連れて行かれたんだろう。
無事なのだろうか。
薬は本当に盛られていたのか。
色々な疑問と混乱があるが、今日は色々ありすぎた。
考える日まもなく深い眠りにつく。
~2日目と続く
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