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cakes連載〈「 おいしい」をつくる料理の新常識〉第22回余談小松菜の辛味成分はどこまで引き出せるか?

cakesの更新。副菜系はPVが低いことが判明しているので、皆様よろしくお願いいたします。

で、おひたしです。お浸しは青菜を茹でて醤油をかければいいのですが、保存を考えると色々と工夫する必要が出てきます。また、軸は残すのがセオリーですが、実は切り落としたほうが格段に長持ちします。土には細菌が多く棲んでいるため、ですね。

下記のような記事も載せたことがあります。


さて、今回の余談は写真の小松菜料理の試作に失敗した話です。この小松菜。アブラナ科の野菜ですから、辛味成分を持っています。からし菜は低温で処理して辛くして食べたりしますが、市販の小松菜も適切に処理すればからし菜のような辛味が出るのではないか、という仮説を立てました。辛子を使わずに辛子醤油和えの味がする小松菜のおひたしができないか、というのが今回の試み。

辛味成分であるイソチオシアネートは細胞が破壊され、酸素に触れることによって生じます。そこで小松菜200gにまず塩を5gを加えて混ぜ、5分放置しました。

さらに湯に通すことで細胞を破壊することにしました。酵素が働く50度の温度帯で加熱するために80度の湯にさっと通してみます。

水気を切り、氷水に当てます。イソチオシアネートは水溶性のため、水にさらすと辛味が抜けてしまうので、こんな処理方法をとりました。

辛味成分が揮発をしないようにラップをして2時間放置。

食べてみます。おっ……辛味は多少、増えたかなという感じ。思ったほどではありません。この処理方法、カブの葉っぱだとてきめんに辛くなってくれるのですが、、、小松菜は品種改良が進み、辛味成分が少なくなっています。いくら増やしたところで限界があるようです。湯通ししたことにも問題点があり、低温でスチームするか、低温レンジで処理すればもっと辛くなったかもしれません。

辛味が思ったほど出なかったので、結局カラシ醤油和えにしました。辛子を醤油で溶いて、、、

さっと和えます。

出来上がり。もともと、小松菜には辛子に似た香り成分が含まれているので、カラシ醤油との相性は抜群ですね。

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