cakes連載〈「 おいしい」をつくる料理の新常識〉第12回余談『青菜の炒め物の科学』

cake連載の更新。今日のテーマは青菜の炒め物です。

中華料理や台湾料理店に行くとついつい頼んでしまう青菜炒め。化学調味料を入れると簡単にお店の味がつくれる気もしますが、ここは一つ日本酒のアミノ酸を活用してさっぱりとした無化調に仕上げています。

もしも、もっと旨味が欲しいという方は最後に加える調味料を醤油ではなくナンプラーにしてみてください。ナンプラーにはグルタミン酸が多く含まれているので、旨味調味料の代わりになります。

さて、炒め物は高温に限ると思われがちですが、温度が高すぎると細胞の壁を支えているセメント的な存在であるペクチンが溶け、水気が出てきてしまいます。

「だから弱火で炒めるのが科学的なんだ!」

というのも短絡的でして、弱火で炒めると加熱に時間がかかるので、やっぱりペクチンが溶けてしまいます。そこで使うのが蓋と水分です。蓋をすることでフライパンのなかに水分がある状態になるので、鍋肌の温度は抑えられます。また、上下からの潜熱で一気に加熱することになるので、短時間の加熱に繋がり、結果として炒め物がおいしく仕上がります。

とはいえこの調理法、おいしさは長持ちしません。ペクチンは水に溶けやすい(水和)ので、時間をおくと水気が出てきてしまうからです。もしも、つくってから置いておくのであれば、やっぱり中華料理店のように低温の油に通すということになってしまいます。低温の油に通すとペクチンが硬化する50℃前後の温度体で加熱することになるため、野菜がシャッキリ仕上がるんです。こうして考えると「強火だ」とか「いや、弱火だ」という議論はまったくの無効で、やはり中国料理のコックさんはすごい、という話になります。あの火力を使いこなす技は簡単には真似できません。

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おいしさの新常識、スピンオフ

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