ヨーロッパのクラフトシードル by TRAVESIA, Inc

フランス、イギリス、スペイン(バスク地方)、エストニア、ラトビアの5カ国から、個性的な…

ヨーロッパのクラフトシードル by TRAVESIA, Inc

フランス、イギリス、スペイン(バスク地方)、エストニア、ラトビアの5カ国から、個性的なりんごの果実酒をセレクトしました。奥深く芳醇なシードルをお楽しみください。 https://cider.travesia.jp

最近の記事

スペイン・バスク地方の豊かな食文化ーバスク・ウィークのセミナーに参加してー【シドラ編】

バスク・ウィーク日本で開催されたスペイン・バスク地方のバスク自治州主催のセミナーに参加し、バスク地方の食文化に触れる貴重な機会が訪れました。この記事では、バスク地方の地元のワインであるチャコリと、長い歴史を持つリンゴのお酒シドラ(シードル)、そして独自の料理であるピンチョに焦点を当て、その魅力に迫ります。 今回は前回の【チャコリ編】に引き続き【シドラ編】です。 2023年10月に東京池袋で開催されたバスクウィーク(*1)では、CAPRICE(カプリス)(*2)とBasqu

    • スペイン・バスク地方の豊かな食文化ーバスク・ウィークのセミナーに参加してー【チャコリ編】

      バスク・ウィーク日本で開催されたスペイン・バスク地方のバスク自治州主催のセミナーに参加し、バスク地方の食文化に触れる貴重な機会が訪れました。この記事では、バスク地方の地元のワインであるチャコリと、長い歴史を持つリンゴのお酒シドラ(シードル)、そして独自の料理であるピンチョに焦点を当て、その魅力に迫ります。 2023年10月に東京池袋で開催されたバスクウィーク(*1)では、CAPRICE(カプリス)(*2)とBasque Culinary Center(バスク・クリーナリー・

      • スペイン・バスク地方のシードルハウス(Sagardotegi)でシードルと伝統料理を楽しもう!

        バスク地方はスペインとフランスの国境をまたぎ独自の文化と言語を持つ地域です。 スペイン・バスクはバスク州とナバーラ州の2州で構成され、さらにバスク州はアラバ県 、ビスカヤ県 、ギプスコア県 の3県で成り立っています。 スペイン・バスク地方におけるシードルの生産と消費は、特にギプスコア県(Gipuzkoa)で盛んです。 ギプスコア県の中でも、アスティガラガ、ウスルビル、エルナニといった町がシードルの主要な生産エリアとして知られています。 アスティガラガは特に「シードルの都

        • フランクフルトっ子がビールより好きなアップルワイン(シードル)

          フランクフルトはシードルの愛好家にとって、まさに夢のような場所です。ドイツ中でシードルを楽しむ場所は多いですが、フランクフルトはその中心地とも言えるでしょう。更に、世界的に有名な「Cider World Expo and Awards」がフランクフルトで開催されることも、この都市のシードルへの情熱を示すものです。 フランクフルトっ子はApfelwein(アップルワイン)が大好き!ドイツ、特にヘッセン州のフランクフルトは、シードル(ドイツ語で「Apfelwein」)の生産と消

        スペイン・バスク地方の豊かな食文化ーバスク・ウィークのセミナーに参加してー【シドラ編】

          国際的なシードルのイベントCider World Expo and Awards

          Cider World Expo and Awardsは、ドイツ・フランクフルトで開催される国際的なシードルの展示会と賞授与式です。このイベントは、世界中のシードルメーカーや愛好家を集め、最高のシードルと出会う場なっています。第15回となる今年は授賞式が2023年4月28日展示会が2023年4月29日の開催でした。 フランクフルトでシードルが愛される理由 フランクフルトとシードル(ドイツでは「Apfelwein」とも呼ばれる)との関係は深く、シードルはヘッセン州全体で、特

          国際的なシードルのイベントCider World Expo and Awards

          マロラクティック発酵は行わない。伝統的なのに斬新なシードル

            スペイン・バスク地方の名高いイサステギは独特の製法と風味を誇っています。多くの世代に受け継がれてきた製法の中でも、マロラクティック発酵を避けることで、イサステギは他に類を見ない鮮烈な酸味と豊かな風味が生まれます。この地域の自然の恵みと、長きに渡る伝統が融合し、一杯のシードルに深い物語と情熱が込められています。 三世紀の歴史を誇るイサステギイサステギの歴史は、三世紀にも及びます。初代の創業者から現在の当主に至るまで、代々受け継がれたシードルへの情熱と専門知識は、イサステギ

          マロラクティック発酵は行わない。伝統的なのに斬新なシードル

          抗酸化力!リンゴポリフェノールでフレンチパラドックスを超えよう

          「フレンチ・パラドックス」の一因とされているワインのポリフェノールの秘密をご存知ですか?この健康への驚くべき効果はワインだけに限られません。シードルにも、りんご由来のポリフェノールが豊富に含まれています。この記事では、シードルとリンゴポリフェノールの魅力に焦点を当てます。美味しさと健康の両方を追求したい方は必読! 始まりはフレンチ・パラドックス「フレンチ・パラドックス」とは、フランス人が他の先進国よりも高脂肪な食事を摂取しているにもかかわらず、心臓病の発症率が低いという興味

          抗酸化力!リンゴポリフェノールでフレンチパラドックスを超えよう

          バスク地方スペインからフランスへ、シャネルの転機の地ビアリッツ

          19世紀からヨーロッパの上流階級、芸術家に愛されてきたフランス・バスクのビアリッツは、シャネルが初めてクチュールの店をオープンした土地というエピソードを持ち、サーフィンの街としても有名です。同じバスク地方でありながら、国境をまたぐスペイン・バスク地方の美食とアート、そして牧歌的側面とはまた違ったおもむきがあります。 バスク地方とは ピレネー山脈のふもとに位置し、ビスケー湾に面し、フランスとスペインの両国にまたがっているバスク地方。現在のスペインのバスク自治州およびナバラ自

          バスク地方スペインからフランスへ、シャネルの転機の地ビアリッツ

          シードルにテロワールの概念をーソムリエからシードルの造り手へ

           テロワールはワインの洗練度と微妙な差異に関わる概念です。フランスのノルマンディー地方でシードルを造るエリック・ボルドレはパリの一流レストランでソムリエをしていた経歴をもちます。シードルにテロワールという概念を取り入れ、フランスのガストロノミー(美食)の世界で注目されるフランスで最も有名なシードルの造り手のひとりです。 シードルにテロワールという概念 シードルにテロワールという言葉が使われると、シードルを知らない人はいぶかるかもしれません。一般的には、特にワインの洗練度と

          シードルにテロワールの概念をーソムリエからシードルの造り手へ

          世界でも稀有な北緯57度線にあるワイナリーのシードル

          ヨーロッパの寒い地域ではブドウよりリンゴの栽培が盛んで、シードルがよく飲まれています。北緯57度線と聞けば、誰もブドウワインが作られるワイナリーがあると思わないでしょう。しかし、ラトビアの醸造家マルティンス・バルカンス氏が果敢に挑戦し続けています。アバヴァス・シードルはそんな世界最北のワイナリーで誕生したシードルです。 ラトビアのアバヴァ渓谷 ラトビアのアバヴァ渓谷では、川にはトンボが舞い、夏至の頃には人々が伝統衣装に身を包んで太陽の恵みを祝います。零下30度を超える厳し

          世界でも稀有な北緯57度線にあるワイナリーのシードル

          バルト海の真珠ラトビア、シードルの国際的コンテストで認められる国

          バルト三国の中央に位置し、バルト海のパリと評される美しい首都を持つラトビア共和国。日本ではあまり馴染みのない国ですが、1年を通して冷涼な気候が独特の風味と香りを持つシードル用のリンゴを生産する国です。過去10年の間に、バルト海産シードルの共通の特徴が形成され、ラトビアは世界の中でも新しいシードルの国のひとつです。 ラトビアの首都リガはバルト海の真珠 バルト三国の中央に位置し、バルト海のパリと評される美しい首都を持つラトビア共和国。日本ではあまり馴染みのない国ですが、1年を

          バルト海の真珠ラトビア、シードルの国際的コンテストで認められる国

          サッシー・シードルはなぜ砂糖を加えていないのに甘みがあるのか

          フランス・ノルマンディ地方のシードルは砂糖は添加されていません。けれど、リンゴの果実の甘みが感じられます。なぜならば、フランスのシードルの伝統的製法で作られるからです。では、その伝統的製法 とはどういった製法なのでしょう。この製法にこそ砂糖無添加のフランス・ノルマンディ地方のシードルの甘みの秘密が隠されているのです。 フランスの伝統的なキーヴィング 製法で甘みを残す *キーヴィング (keeving) 製法 はフランス語ではデフェカシオン([仏]défécation)とい

          サッシー・シードルはなぜ砂糖を加えていないのに甘みがあるのか

          クラフトシードル – 発酵の世界と、醸造家こだわりの製法

          ひとことにシードルといっても、いくつかの種類があります。リンゴのブレンド、発酵方法などによって香りも味も変わってきます。シードルのクラフトメーカーが作る個性的で豊かなシードルの製法にはメーカーによってこだわりがあります。まさに職人が生み出すクラフトといえます。今回はシードルの種類と製造工程、発酵についてご紹介します。 本題に入る前のシードルにまつわる小さなエピソード フランスでは ・自家栽培・自家醸造→フェルミエ ・農家からリンゴを買って醸造する→アルティザナル ・工場で

          クラフトシードル – 発酵の世界と、醸造家こだわりの製法

          スペイン・バスク地方、美食の地をめぐるあれこれとシードル・その2

          バスク地方には、 Basque Culinary Center(バスク・クリーナリー・センター)という世界でも珍しい食芸術・食科学の学位がとれる学校が存在します。いかにこの地が食への関心が高く、情熱が注がれているかがわかります。食への情熱の地・バスク地方の地元のお酒であるシードルと合う伝統的な家庭料理をご紹介します。 食芸術、食科学に関する大学学位が取得できるバスク料理センター Basque Culinary Center 先のブログで(スペイン・バスク地方、美食の地をめ

          スペイン・バスク地方、美食の地をめぐるあれこれとシードル・その2

          スペイン・バスク地方、美食の地をめぐるあれこれとシードル・その1

          ミシュランの星付きレストランの密集度が高い世界屈指の美食の街であるサン・セバスチャンはスペイン・バスク地方、ギプスコア県の県都です。そんな美食の地で飲まれる地元の名産のお酒は?バスク地方には女人禁制の美食倶楽部がたくさんある?シードルと相性の良いバスクの家庭料理など美食の地であるバスク地方のあれこれをお届けします。 スペイン・バスク地方は美食の地 スペインとフランスの国境地域に広がるバスク地方は、豊かな経済基盤と、海の幸山の幸に恵まれ、スペイン語とは異なったバスク語を公用

          スペイン・バスク地方、美食の地をめぐるあれこれとシードル・その1

          工業製品のようなシードル?世界最大の生産量イギリスのシードル

          あまり知られていませんが、イギリスは世界のシードルの半分近く生産・消費をしています。イギリスではシードルの加熱処理は政府規制にはなっていないため、濃縮果汁や添加物を使う、いわば「⼯業製品」のような飲料もシードルと呼ばれています。その一方で、丁寧で伝統的な製法で作られた美味しいシードルもたくさんあります。 優劣両極端のイギリスのシードル *イギリスではリンゴの発泡酒はサイダー(Cider)と呼ばれています。 イギリスは世界のシードルの半分近く生産・消費をしています。少なく

          工業製品のようなシードル?世界最大の生産量イギリスのシードル