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ジョジョミュ(2/12夜)観てきた

界隈を騒がせた件の作品、通称ジョジョミュを観劇してきました。
私は初日より少し落ち着いてきた頃の雰囲気が好きなので、少し日をあけて取ってたらなんやかんやあって買ったチケットが初日になってしまっていた。
何を言っているのかわからねーと思うが以下略。


前提として記載しておくと、私は普段2.5の自ジャンル推しステのみ繰り返し観に行くライト観劇勢です。俳優さんも詳しくありません。
他の舞台を観に行こうとしては中止になり結局観に行けておらず。
なので今回のジョジョミュはかなり久しぶりの「推しステ以外」で現地で観る作品です。

ジョジョはアニメから入って一気読み、8部途中まで履修済み。
好きなのは4部5部や露伴シリーズ、今回の主人公のジョナサンと自分の誕生日が一緒であることを知ってる程度のオタクだけど、しばらく触れていないので記憶が朧げの状態で観劇。


以下原作や舞台内容へのネタバレあります。
時系列ではなく各所への感想の覚書となります。



▼ 観劇公演メモ

・ミュージカル「ジョジョの奇妙な冒険 ファントムブラッド」
・帝国劇場、A席
・有澤樟太郎さん、東山義久さん回

▼ 座席

今回は帝国劇場1階の後方席列。
帝劇は初めてだったので改修前に行けて嬉しい。

ほぼ最後列だったのにちゃんと舞台全体が見える…見切れがない!

前の方の頭とちょっとだけ舞台が被る部分もあったけどほぼノーストレスだった。(帝劇、席によっては見え方が渋いとの噂を聞いていたので恐々しながら席を選んだよ)
普段2.5ステで座席冷遇されがちなので大変有り難かったです😭

ロビーにあるお面、1部のストーリーに合いすぎててドキッとした


▼ セット&映像

伝わらないかもしれない図解

客席に入るとすぐ巨大なセットが目に飛び込んでくる。石造りのような大きな背景セットと半円状のスロープ。
は〜〜大手すごい(第一感想)

開幕してすぐにスロープがぐるりと回転して驚いた。
舞台全体が回転する盆だった。
これは凄いなと感心していたら、次はどデカい背景も回転してさらに驚いた。
回転すると、客席の前に大きな壁が出来上がり背景にあった丸い窓が手前に配置され真ん中に出来る丸い窓から演出が出来る。もっと回転させれば壁が重なって窓もなくなり完全な壁&スクリーンとして運用される。
これすごい。迫力すごいし壁になるから転換も出来るじゃん…
すごいね…(語彙力)

推しステでも3つの盆が設置されクルクル回った時はテンション爆上がりしたものです。回る舞台は楽しい。笑

地方公演にもあのセットを持って行くのでしょうか?大変すぎません…?

あと、中止アナウンスから何となく予想してた通りワイヤーを使った演出も少しあり。最初の女性やディオでワイヤー使うのは分かるけど、ダ、ダニー!!
松明の炎も本物…なの?分からんけど…。万が一にも火事になったら大変だからライトなのだろうか。


所々プロジェクションマッピングが使われるのだけど、投影がしっかりしていて凄かった。ぐにゃぐにゃ〜ってセットが歪む映像を投影をされるとセットが見えにくくなり本当に世界が歪んでいるように見える。
普段観るステもプロジェクションマッピングは当たり前のように使われているけど、あんなに鮮明に見えたことはない。
あれってカメラの性能によるのかしら?ライト?映像?それとも劇場側?
全舞台であのレベルは難しいんだろうけど、是非我が推しステにも取り入れてほしい…。

▼ 歌&音楽

どれも素晴らしかった。
役者さん達の歌唱力はもちろん、メロディーがキャッチーでカッコいい。
1部はイギリスが舞台なのでロックっぽい感じだったり、ツェペリさんの時はイタリアン…というよりラテンっぽい感じだったような?(音楽全く詳しくないです)
スピードワゴンの時は何故かラップ調になる。でも「スピードワゴンっぽく」思える不思議。

正直聞き取れない歌詞も多かったけど、雰囲気で何とか察する。
アンサンブルさん達もみんな歌うんまくてビビる。大手…。

たまに生演奏である事を思い出してハッとした。
こんな音楽も生で出来るんだ…編集してないんだ…みたいな。
生演奏の舞台は初めてだったけど、タイミングを見ながら時折効果音も入れつつほぼずっと演奏しっぱなしの演奏者さん達の責任と緊張感を考えると吐き気を催しそうだったので深く考えるのを辞めた。すごいお仕事だ。

エリナ役の清水美依紗さんの歌が特に好きだった。
普段男性のみの舞台を観ているので女性の綺麗なハイトーンの歌声が染み渡った。彼女が歌うとピリッと雰囲気が締まり、全員が傾聴する感じ。

ツェペリ役の東山義久さんも歌声がお綺麗だった〜。伸び伸びとしていて「絶対歌っていて気持ちいいだろうな」って感じの歌声…(伝われ)

▼ 有澤さんのジョナサン

お名前はよく目にしていて気になっていた有澤さんの回を取りまして。
噂には聞いてたけど歌うんまい!
まんまと刀ミュ過去作観てみたくなりましてよ…。
ジョナサンはずっと可愛い。ずっと可愛いターン。(私見です)

一番印象に残ったのは1幕後半でディオへ告発するシーン。
ボッと蝋燭が灯る音と共に上手側から登場するシーンなのだが表情ははっきり見えない位置だったので、あの一連のシーンは下手側から観たいと思った。きっと激しい怒りを覚えていただろうに淡々と告発していく様子はジョナサンの紳士で強い部分を感じられて好きでした。

カテコでのコメントも熱くジーンときました。悔しいよね。

▼ マモちゃんのディオ

ディオって正真正銘の根っからの「ヒール」なんだけれど
幼少期からの苦悩や、碌でもない実父の影に付き纏われながらものし上がっていく様が丁寧に描かれていてとても良かった。
そういえばディオも普通の人間だったんだなーって思えて。
ディオの掘り下げが上手かった。

ディオ役の宮野真守、マモちゃんは声優としてずっと馴染みのある存在だったけど舞台に立ってお芝居する姿を見るのは初めてで。
少年時代の少し殊勝な様子や魂胆がバレてジョナサンに懇願する様子、完全に悪に堕ち切る様、ジョナサンを嘲笑う声。全部素晴らしかった。声色から細かなニュアンスが伝わってくるのは長年声優界のトップを走るだけあるんだよな〜。
アニメ等で演じられている子安さんのディオとはまたちょっと系統が違うんだけど、マモちゃんのディオめっちゃ良い…と思いました。

ずっとへばりついてくるダリオの歌と、ディオの世界の歌めっちゃ良かった。

あと切り裂きジャックを勧誘する時の優しさ。3部のDIO様を彷彿とさせて内心ヒィ〜ってなりました。悪のカリスマ…。

カテコでジョナサン役の有澤さんと握手する時、一瞬手を引っ込めて笑いを誘った後に熱くハグするのグッときた。
マモちゃんのそういうとこさ〜…


▼ ジョジョミュの擬音と名台詞

ジョジョシリーズの代名詞でもある独特すぎる擬音と名台詞たち。

擬音シーンが近づくと客席がそわついてた雰囲気を感じた。
ジョジョなのでそれはそうなる。

キスシーン(ズキュウウウン)はギター?で鳴らされていて全然違和感なくて逆に面白かった。 なのにメメタァでは人が「メメタァ!」って叫んでたのでこれは知ってる人は笑ってしまうし、知らない人は今の何?ってポカーンだろうな。それはそれで面白いけど。

カエル出てきた途端につい双眼鏡構えて待機してしまったけど、登場からメメタァまでは結構長かった。


名台詞はどれも全然違和感なく溶け込んでた。
ほとんどが歌になってた気がする。

「おれは人間をやめるぞ!ジョジョーッ!!」があんなにしっとり調から始まるとは思わなくて少し戸惑ったけど、それまでのディオの描き方も割としっとり目(というか悲惨さ強調って感じ)だったので受け入れられた。

アニメだと原作表記重視でかなり印象的な言い方になったりするんだけど、ミュではそこまでくどくない、でもちゃんとジョジョ台詞だった。
よき。

▼ 構成とか他

1幕は出会い〜ジョースター家でディオをブッ刺すところまで、2幕はそれ以降なのだけど1幕がとても良かった。
ウキウキで休憩時間トイレへ並びに行けました。
1幕の出来が素晴らしいと休憩時間も心が楽しい。

2幕でようやく波紋の話が出てきてジョジョらしいバトルへ突入していくんだけれど、私の原作の記憶が薄まっているのも相まってか何となく展開がダレてる気がして正直途中は飽きていた。
原作かアニメでちゃんと復習すれば良かったかな。
波紋の演出は面白かったけど、波紋の人達(観た人にしか分からない)が出てくると「来た来た…」としか思えなくてな〜!面白いけど!

切り裂きジャックが馬の中から出てくるシーン、原作忘れてたので普通にビックリしたしそんな事もあったなと思い出した後は「演出おもろ〜」って感心しきりでした。あのシーン直前のスピードワゴンラップ→馬車に乗りこみ回想終了みたいな演出もオシャレ(?)で好きでした。洋画とかであるあるっぽい演出。

ねぶた?がプロジェクションマッピングでずっと表情動いてるの何なんだろう。

せっかくの石仮面、なんかこうもっと分かりやすくしても良かったのでは。
最後石仮面どうしたんだろう…結局は何だったんだ?ってならないかな?

▼ 総評

結論として、想像してた何倍も良かった。
慣れないnoteに覚書きを突っ込むくらいには良かった。
他の大手ミュージカル作品をもっと観たいなと思わせてくれた。
買ったA席11000円は全然安いと思えた。

ジョジョは独特な作品なので、きっとミュージカルも原作を意識しすぎるあまりに変な方向へ行ってしまいそうだなと不安に思っていたけど全然そんな事はなかった。音楽も演出も舞台セットもクオリティが高く、しっかりとジョジョ1部の世界に引き込まれた。
ジョジョの熱いバトルを求める勢にはどう捉えられるかは分からないけど(私は2幕はそこまで…だったし)、ジョナサンとディオの2人の関係性や対立を描く作品としてはとっても良かったと感じた。

良い内容だっただけに「上手くスケジュールが出来てなくて初日に間に合わず中止延期した作品」という印象が強くなってしまったのは非常に惜しい。どんな感想を伝えてもその上からこの情報で覆われてしまうのは残念。何の問題もなく開幕されていればもっと純粋な喜びの声で溢れていたであろう事は間違いない内容だったと思う。

開演前に東宝のお偉いさんからの謝罪スピーチが入った。
キャストだけに謝らせる運営は大嫌いなのでこの対応は良い方に捉えたが、「スケジュール通り開催できなくて沢山の人達を悲しませてごめんなさい」というような内容を劇場に来る事が出来ている我々に向けて喋られてもな…と冷めた気持ちになった。劇場へ来られない人達へは文章でのアナウンスしか出来ないのは仕方ないと分かっていても、あの言葉はこの作品を観る機会が奪われてしまった方達へどうにか届けて欲しいと思ってしまった。

ジョジョという作品の特徴でもあるんだろうけど、男性客も多く年齢層もバラバラで。SNSでの反応にもあったけど、劇場の男子トイレに男性が並ぶことあるんだ…って密に感心した。(私が普段行く作品はほぼ女性客で列を形成するほどの男性客がいない)
男性客や様々な年齢層を取り込みたい演劇界隈としては作品選びは間違いなかったし反応も上々だったのに、本当に惜しい事をしたなと思う。
とはいえ、公演はこれからも続くので今後の反応が楽しみだ。


今後の公演も怪我なく問題なく終えられますように。
1人でも多くの人が劇場で実際にあの世界を体験出来ますように。

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