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「ワークライフバランス」に関連した残業時間の低減について

みなさま、こんにちは!
株式会社ツリーベル人事部のもぎです。

働き方改革の影響もあり「ワークライフバランス」の重要性が注目されるようになりました。
今回は、ツリーベル(以下、TBと記します)の働き方改革の一端である残業時間の低減施策について、ご紹介をさせていただきます。

まずは、これを記している私が何ものかと言う簡単な自己紹介ですが、
その昔、25年ほど技術者としてシステム開発業務に従事してきた者で、IT業界の黎明期から汎用機(企業の集中管理型の大型コンピュータ)を中心としたシステムエンジニアとして、様々な業務アプリケーションを開発してきましたOLD-SEでございます。
現在は、管理本部・人事部に属しております。

私がシステムエンジニアとして、駆け出しの頃の1990年代に思いを致すと、随所でDEATH MARCHと称されるような開発風景をしばしば見聞きしました。
当時は優秀なエンジニアが少なかったり、開発環境が未熟であったりした背景もあるのでしょうが、プロジェクト管理自体もきちんと立ち上がっていなかったようにも思います。昨今の様相を鑑みるに稼働時間や作業環境的な待遇面では隔世の感があります。

今も昔も変わりませんが、システムエンジニアの稼働工数は、プロジェクトの開発計画の中ではとても大事な要素となります。

近年では、様々な技法やツールをはじめ、生産性や品質を均質的に向上させていく手法もだいぶ整いつつあって、
その結果などから生産性も格段に上がり、稼働時間も大幅に低減されてきました。
厚労省の統計(注1)などによれば、情報通信系の月間の所定外労働時間が、15.5時間との統計報告もあります。

今回は、そのように環境が改善されてきた時代背景の中にあって、私ども管理部門や会社組織からのアプローチで、どのように働き方がより改善できたかという点から残業時間の低減施策を中心に記してみたいと思います。


1.TBにおける近年の残業時間の推移等

まずは、端的にTBの近年の残業時間の推移を紹介いたしますと、
2018年度:20時間/月
2019年度:19時間/月
2020年度:11時間/月
2021年度:8.5時間/月
という、状況推移でございます。

近年の残業時間の推移

TBの期初は9月で、事業年度は9月から8月までという事になりますので、
比較して見ていただくと、厚労省の毎月勤労統計調査(注1)によれば、令和3年(2021年)分の確報では、情報通信業の所定外労働時間が、15.5時間となっておりました。
また、民間の調査(注2)では2021年12月期で、24.09時間といった調査結果があります。
厚生労働省の調査結果の方が、残業時間の値としては少なく発表されておりますが、調査の対象について、厚労省の調査は、事業主向け、民間の調査対象は、労働者向けの調査といった点の違いから結果の違いが影響しているのかとも思いますが、
私個人の体感的には、民間の調査結果の方が、より現実的な結果数値のような気がいたします。

いずれにしましても、TBとして直近の2021年度は、厚労省の統計結果よりもさらに下回る結果の、8.5時間という月平均の残業時間でございました。
これは、社員数800名規模の会社としては、とても素晴らしい結果なのではないかと私は思います。

TBでは、業務として、ビジネスアプリケーションの開発からシステムインフラの設計・構築、ITサービス事業として、システム運用やヘルプデスク、コールセンター業務まで幅広い業務領域があります。
業態もSESを中心として受託開発も行っておりますので契約形態も様々、作業場所も様々、作業時間帯も様々ですし、商流も加味すると、ものすごいバリエーションとなります。
そうした中で、約800名の社員の勤怠管理と共に残業時間の管理低減策は容易ではなかったと思います。稼働時間自体の中身の性質も様々ある中で、時間外稼働(残業時間)の内容・性質も多様です。

残業にも色々なタイプがある

残業の性質的な分類として、一般的には大きく九つのタイプがあると言われます。(注3)
➀生活残業
②罰ゲーム残業
③つきあい残業
④ダラダラ残業
⑤成行きまかせ残業
⑥自己満足残業
⑦独りよがり残業
⑧抱え込み残業
⑨がむしゃら残業
とまあこんな感じです。

それぞれの詳細説明は省きますが、
➀~⑤は、一見して無駄だとわかる残業ですし、
⑥~⑧は、むしろ一生懸命に頑張っているようにも見えてしまうワーカーホリック的な残業です。
⑧は、若手のエンジニアなどでよくある事ですが、必ずしも否定されるべきではない残業の種類かとも思います。


2.TBの主な残業時間低減施策について

それでは、前項で示しましたように
TBが2018年度で20時間という残業時間から、2020年度では、11時間と約半分近くまで残業時間が減ったこと、また、2021年度では更にそこから減少してきたことなどの要因であろうと思われることを身近で見てきた施策の中からご紹介したいと思います。

先にも記しました通り、TBでは、幅広い業務領域や多様な勤務形態など管理面から見ると非常に複雑なファクターがあります。
全社員と直接的に関わる管理部分としては、勤怠管理や経費精算、各種(稟議)申請等があります。

今回の残業時間の低減施策よりも前にその複雑な管理要素を少しでも簡便な管理にするよう、業務のフロントシステムを導入しておりましたが、運用的に見ると消極的な運用であったかと思います。

2019年に当該の業務フロントシステムが大幅にバージョンアップしたことをきっかけに運用面でも大きな変化がありました。
ひとつには、勤怠管理の正確さとスピードを向上させたことでした。

クラウド型の業務フロントシステムを使って、勤怠情報を収集することに変わりはありませんでしたが、以前は、月次単位で勤怠情報をまとめて集計管理を行っていたものの、結果としての勤怠情報は既に過去の実績情報であって、生きた情報ではありません。
この頃に大きく運用的に変わったのは、勤怠情報の随時入力という事でした。日々の勤怠情報を日々随時入力していく事で、翌日、翌週以降の勤怠情報が推測できるようになり、早期に打ち手が実現できるようになりました。

稼働時間増(=残業時間増)の予測ができれば、その課題に対して様々な手立てが講じられます。
実際の運用としても稼働増が予測された場合は、営業担当が状況把握をして先回りをして対策を講じたり、36協定の上限に触れるような場合には該当部門から現場の責任者と調整をさせていただいたり、様々な方向から迅速に手を打てるようになりました。

勤怠の仕組みから働き方を変える

また、当該の業務フロントシステムでは、勤怠管理と申請手続き(ワークフロー)が連携しており、残業を申請しないと勤怠入力ができないという関連方式ですので、本来的な意味での残業指示に近い形で、残業を命じる形に近づいてきました。
随時入力の形が浸透するまでに時間は多少要しましたが、世間の残業時間低減へのトレンドと共に意識も醸成されてきて、随時入力の文化も広く定着をしてきました。

2019年度から、2020年度にかけて大幅に残業時間を削減できた背景は、そうした運用面での工夫が大きかったものと思います。
以前は、残業時間への低減策として、周知や依頼等で様々声高に叫んでは来たものの、大きく残業時間低減に効果を表すことはありませんでしたが、
2019年以降、的確な管理ツールの適用と共に最適な運用を加味して稼働時間(残業時間)の低減は大きく前進することができました。


また、別な視点で、稼働時間の高いところ(プロジェクトや人)を見ていると、健康被害の発生度合いも高いように感じられます。少し気になったので、集められる数字から年度ごとの離職率(注4)を算出してみたところ以下のようになりました。

近年の離職率の推移

2018年度離職率:15.2%
2019年度離職率:16.6%
2020年度離職率:11.2%
2021年度離職率:9.0%
ご覧いただければわかりますように、2019年度から2020年度にかけて、5.4ポイントと、大きく、離職率が改善されていることがわかっていただけるかと思います。残業時間の低減度合いと相関的になっている風も見て取れるかと思います。
残業時間の低減施策が、そのまま離職率の改善度合いと直接的な相関関係であるとは思いませんし、他の施策と合わせてきちんと要因分析を行っているわけではありませんので、参考としてご覧いただければと思います。


3.さらなる働き方改革へ!

さて、残業時間の低減施策も奏功してきておりますので、今後の更なる低減へ向けてという意味では、突出した残業時間を持つプロジェクトや人に着目して、ひとつひとつモグラ叩きのようにして要因分析をしながら潰していく方途かなとは思いますが、管理部門として様々なステークホルダーのご協力をいただきながら、快適な職場環境を創出し、TBらしい“働き方改革”が実現できたらなあと思っています。
最適なワークライフバランスの実現は、社員一人一人の皆さまの協力があってこそ実現できるものでもあろうかと思います。

ツリーベルでは、「ごきげん場🄬」(注5)という取り組みを基調として、行動指針に反映し実行しております。
「ごきげん場🄬」は、何よりもまず社員がごきげんである事。そして顧客がごきげんである事。ひいては会社がごきげんである事。そして、社会がごきげんである事。この“四方よし”の実現に向けて行動しております。

今回はそうした行動の中で、社員がごきげんとなるべく、残業時間の低減策について記させていただきましたがいかがでしたでしょうか?
今後もさらなる社員満足度の向上を目指して強く邁進してまいります。

≪注記≫

(注1)  ■厚生労働省 毎月勤労統計調査(令和3年分結果確報)
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/monthly/r03/21cr/21cr.html

(注2) ■働きがい研究所 日本の残業時間 定点観測
https://www.vorkers.com/hatarakigai/teiten/zangyo
https://assets.vorkers.com/hatarakigai/pdf/OpenWork_zangyo_22Q2_industries.pdf

(注3) ■残業の九つのタイプ -『日本の人事部』(図表2)
https://service.jinjibu.jp/stf/BSG13-1118-06.html

(注4) ■離職率の算出方法
離職率=(年度内の)離職人数÷(期初の)全従業員数×100

(注5) ■ごきげん場🄬
https://www.treebell.co.jp/company/philosophy/

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