俳句会10月

①寒露
二十四節気のひとつ(十月八日頃)。白露が露のはじまりであるのに対し、霜降(二十四節気のひとつ、)を控えた寒さに、露が凍った状態。かつて、霜は露が凍ったものと考えられていた。

糠床に塩を混ぜたる寒露かな


② そぞろ寒
冷やかよりやや強く感ずる寒さ。「そぞろ」は「何となく」「わけもなく」の意味があり、体で感じる寒さというより、季節が移ろっていくさまを心に受け止め感ずる寒さ。

そぞろ寒 カマキリの腹 ふくらみぬ

③秋の虹
秋に立つ虹のこと。夏の虹ははっきりと大空にその大輪を掛ける が、秋の虹は色が淡くすぐに消えてしまうことが多い。

秋の虹 信号待つ間の ちさき福


⑤秋袷
秋に着る袷。秋涼から秋冷にいたれば夏の袷とは自然、趣もことなり、色合いや生地も秋らしいものになる。

秋袷 仄かな重みの安堵感


秋雨
秋に降る雨のこと。初秋に降る暑さを和らげる雨、台風がもたらす強く激しい雨、晩秋の冷たい雨といろいろあるが、秋雨前線による秋の長雨が印象深い。春の雨にくらべて寂しい風情がある。

襖閉め 廊下に立つや 秋の雨

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