あいうえおの本

夫が図書館で本を借りてきた。『あいうえおの本』というタイトルである。

実はこの本、夫が子どもの頃に親戚の家で見たことがあるらしく。懐かしくて借りたそうな。お義姉さんにもメールを送ったらしい。何て返ってきたのかしら。


「夫が子どもの頃見たことがある=それだけ古い」ということである。話を聞いてから奥付を見てみれば、「1976年2月20日」の文字。私より年上とは…。50年近く前に出た本ということになる。

正直、驚いた。絵を見ただけではそこまで古さを感じなくて、去年出た本だよ、と言われても通じそう。それだけ斬新なのである。


この本は、名前の通り「あいうえおの本」で、1ページにひらがなが1つずつ紹介されている。

左のページに、大きくひらがなが1文字、右のページにはその文字から始まるものがいくつか描かれている。例えば「あ」なら右のページに描かれているのは「あんぱん、あり」である。

それだけ聞くと普通そうだけれど、デザインが普通じゃない。何とひらがなは木でできているのである。

正確に言うと、木を組み合わせた絵、と言えばいいのだろうか。

大工さんが作ったかのように、木を切って削って曲げて組み合わせて、「あ」という1文字を作っている。これがまた美しくてずっと見てしまうのである。


更に更に、絵を囲んでいる枠もすごい。「あ」のページなら「あ」から始まるものをメインに(私が見てわかるのは、アヒル、朝顔、アザミ、アザラシ、鮎、アリクイ。他にもあると思う)枠として組み合わされてデザインされているのである。

何となくウイリアム・モリスを思い出すデザイン。壁紙とかでありそうな。

正直、デザイン性が高いので「字の勉強」としてはわかりにくい部分があるかもしれない。しかしとにかく見るところが沢山あって、この表現すごいなー!と思いっぱなしの本なのである。


何だか久しぶりにデザイン面で「すごいなー!」と思う本に出会ったので記録。

返す時までじっくり見ていきたいと思う。



ではまた明日。