記憶の凄さ

息子は十二支の話が好きである。干支の順番を決めるための競争の話である。

我が家には何故か作者の違う絵本が2冊あり。更に図書館で別の本も借りてきて、3冊あった時もある。どれだけ好きやねん、という話である。

ただ本人に「このお話好きなの?」と聞いても全力で「好き!」という答えが返ってきたことはない。

「この本は龍とヘビのこのページが好きで〜この本は牛のこのページが好き〜」

と言ってはくれるので、少なくとも好きな所はあるようだけど。決して「一番好きな本」では無いのだそうな。

それでもよく広げて読んでいる本。ある日聞かれた。

「今って何の動物なの?」

OK。つまり何年かということだね。

咄嗟に答えられれば良かったけれど、パッと出てこなかった。ええと。何だっけ。

「……寅?」

夫が言った。うーん。まぁ、その辺りだった気はする。寅〜辰のどれかな気がする。でも妹が寅年なのだけれど、そうなると妹との年の差的に合わないから寅ではないなぁ。

毎年年賀状出してるんだけど。今年はどんなだったっけ。

結局、息子は酉年。息子は今6歳。そこから導き出してみた。今年は卯年だ!!


まぁ、我が家のヘッポコぶりはどうでも良くて。


この話をしている最中、ふっと頭に浮かんだ言葉があった。

「竜飛の郵便局」

である。

あまりに突然の言葉。確かに私は竜飛崎に行ったことがあり。そこで郵便局も見た。

あそこには階段国道がある。岬の高い部分を通る道と、海沿いを通る低い道。その2つが岬の先っぽの方で階段で繋がっていて、そこも国道指定されている。

見晴らしのいい上の灯台にも行ったし、下の道の方にも行った。郵便局があったのは下の道の方。階段国道の割と近く。岬の先の方にあって、「こんな場所に郵便局があるのか」と驚いた記憶がある。

あるけれど。何で急に出てきたんだろう??


不思議に思ってとりあえずストリートビューを見てみた。すると、建物の正面に「郵便局」の文字。その横に、龍がくっついていた(普通に「竜飛 郵便局」で画像検索したら出てくると思います)。

あー、そういえばこんな感じだったかも。

懐かしさと共に、「記憶ってすごい」と思う。

おそらくだけれど、「年賀状」「辰年」に反応して「龍がくっついている郵便局」つまり「竜飛の郵便局」という言葉が浮かんだのだと思う。

画像を見るまで龍がついていたことなんて忘れていたのに。それでも記憶の奥底にはちゃんとあって、ふとした瞬間に出てくるものなんだな。


記憶の意外な一面を見た気がした。

息子は竜飛崎は行ったことが無いので、いつか行って階段国道を歩けたらなと思う。



ではまた明日。