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その後の日常。1

 僕は拗れていた。
まあ、表向きは健康な柔道少年でありインターハイを目指すこともできる位置にいる選手。
ということになっているしそれは間違ってはいない。
実際この夏には勝負をかけるべく部活は頑張っているし、
学校全体からの、もしくは県の柔道連盟からの期待も厚い。

しかしプレッシャーに感じることはほとんどなかった。
特に絶対的な自信があるわけでもなければ
特に絶対的に自信がないわけでもない。
凄まじくフラットで、
例えば言葉を選ばないのだとすれば
「それどころではない」
という状況だ。

学校が終わり、部活が始まり、それが終わる。
部活にもえる普通の学生ならば
学校が終わってからがようやく1日の始まりだと感じることもあるだろう。
しかし僕にとっては部活が終わってからが、
ようやく1日の始まりのような気の重さを生じる時間になる。

夕陽丘商店街のはずれ。

『SECRET BASE』
と書かれた少しボロい格闘技ジムが
僕の1日の全てだ。

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