湖に潜むもの

湖畔のほとりには
ただ水と土の
境界が引っ張って
あるだけで
向こう岸に渡れる
ボートなどは
見当たらない
少年は
釣りをしている
水夫を見つけて
思念波を当ててみた
すると水夫は
形相を変えて
きょろきょろしながら
竿を放って
何処かへ消えた
湖へ落ちた竿の先から
何やら得体の知れない
竜のような生き物が
ぬっと顔を覗かせた

◆ 戦利品 ─【釣り針】

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