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地域で本をつくる⑥「ジモトブックス、これまでの動きをまとめてみましたパート2」

前回の投稿から少し時間が経ってしまいましたが、ジモトブックスの制作に関するプロセスを共有します! 今回は、ジモトブックス第1回目ミーティング(2023年10月27日)の開催後の動きについてまとめています。


◎2023年10月30日 地元企業の経営者訪問

ジモトブックスの説明のため、以前取材でお世話になった加東市の経営者さんの元を訪ねた。訪問後のXへの投稿がこちら。

この投稿でも反省しているように、「地域のみんなでつくる地元の本」という本づくりのスタンスを強調するだけでは何も伝わらない、人を巻き込めない、そんな当たり前の前提を再認識させられることに。

「ジモトブックスで何をどうしたいのか?」「誰に何を伝えたいのか?」そんな核となるコンセプトは自分で決めなければならないと思いいたる。

◎2023年11月1日  恩師のご自宅訪問&ツアー相談

ジモトブックス第1回目のミーティングで、恩師のK先生が「加東市のまちを歩いてみませんか」と土地巡りツアーを提案してくださったので、その打ち合わせのためにご自宅を訪問。

加東市の地勢は河岸段丘(かがんだんきゅう)とよばれ、何十万年もの歳月をかけて西へと移動した加古川が土地を削り取り、階段状の地形を形成している。大干ばつに苦しんだ昔の人たちは、この地形の段差を巧みに利用して水利のシステムを整備し、その結果として土地に水が行き渡り、米の収穫が安定して得られるようになった。
加東市は山田錦の産地として知られ、最近ではもち麦の栽培も盛んにおこなわれている。その背景には水不足に苦しめられた歴史、そして地形を利用した先人たちの知恵と努力がある。

恩師の説明

こうした背景を踏まえ、地形や水をテーマにして、加東市を歩きながら地域への理解を深めるツアーを組みませんか、とK先生が改めて提案してくださった。

新しい視点で地元を見つめる企画に胸が高鳴り、ご自宅を後にした。

◎2023年11月14日 取材レクチャーのために社高校訪問

地方創生を学ぶ生活科学科の2年生の授業にお邪魔し、取材の仕方と原稿の書き方についてお伝え。

というのも、生活科学科の3年生が企画した「社高校生と行く! 加東市の魅力知り尽くしちゃえツアー」を2年生が取材し、ジモトブックス掲載用の記事を書いてもらうことになっているので。うまく伝わっていたらいいけど……。

◎2023年11月20日 兵庫教育大学附属図書館へ

ついにこの日が実現した! 公務員のFさんを附属図書館のNさん、Yさんにご紹介できる日が。Fさんは市立図書館の館長をされていたこともあり、きっとお三方は話が合うと思っていたのだ。

結果は思ったとおり。お三方が話の内容を互いに高め合い、やがてアウフヘーベンするような有意義な時間に。話し合われたポイントは以下。

  • ジモトブックスの意義はDAO(分散型自律組織)、つまり「みんなでつくる」ということ。中央管理社会から分散社会に移行する動きがあるなか、本づくりにDAOの概念が当てはめられていることにまず新規性がある

  • そのうえでジモトブックスの目的はシティプロモーション。ただし自治体がおこなうようなPRではなく、地域の本質的な価値をいかにとらえ、地域外の人たちが読んで面白いと思ってもらえるコンテンツにいかに昇華させるかがポイントになる

  • よくあるシティプロモーション的な、地域の魅力をドストライクに伝えるのでは本のコンテンツとして成立しがたい。たとえば「夕陽が好き」という高校生個人の種=思いから入り、「なぜ加東市の夕焼けは美しいのか?」というプロモーションに向かわせる、光の屈折のような地域の語り方もあるのではないか

  • その地域ならではの風土や気候がそのまちの文化を形成している、という仮説のもと、いろいろな立場の人たちに地域性を語ってもらい、結果としてまちの輪郭がおぼろげながらも浮かび上がる、そんな伝え方もあるのではないか

  • スタブロブックスの本づくりのこだわりは、ぶつ切りのコンテンツを綴じる雑誌的な編集ではなく、全体のストーリーを意識した編集にあると感じる。今回のジモトブックスでも、読み物としての全体の流れをいかにつくるかが大事なのでは

  • さらにジモトブックスは創刊号の加東市版を皮切りに他の地域にシリーズ展開していく企画なので、何らかの「型」を設ける必要があるのでは。型は制約になるが、制約があるからこそフォーマットとして成立し、他の地域に波及しやすくなる

  • 型のひとつのアイデアとして「時間軸」で編集するのはどうか。加東の営みを時間軸で切り取り、語り部にストーリーで語ってもらうなど

  • ひとつの現場にカメラを固定し、さまざまな人たちの人間模様を定点観測するNHKのドキュメント72時間のように、「まちの24時間」「まちの一日」を時間軸で切り取り、その時間にその場所で生きる人たちの生きざまをストーリーでつないでいくことで、読み手一人ひとりにまちのイメージを想起してもらう、そんな見せ方もあるのではないか

などなど。

ポイントしか列記できていないけれど、ジモトブックスのコンセプトやコンテンツを考えるためのヒントをたくさんいただいた一日になった。気づけば3時間半も! 

Fさん、Nさん、Yさん、ありがとうございました!

◎2023年12月9日 加東市の地形と東条川疎水をめぐるツアー

11月1日のK先生との打ち合わせ後、K先生が企画してくださったツアー当日。当日のレポートは次回の投稿にて!

以上が第一回ミーティング後のおもな動きです。今後も、ジモトブックスの制作プロセスを記録していく予定です。本日はこれでおしまい。おしまい。

このマガジンでは、ジモトブックスシリーズを立ち上げるまでのプロセスをできる限り可視化し、みなさんと共有していきます。少しでもご興味があればフォローしていただけると嬉しいです。

「私の地元でも地域の人たちと組んで本づくりをしてみたい!」そんな熱い思いをもつ方はぜひ気軽にお声がけください。全国各地のプレーヤーの皆さんと組んで、各地の特色ある地元本を一緒につくっていけたらと願っています。

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