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昭和のスーパーの屋上には遊園地があったという話【阪神ファミリーショップ青木】

阪神ファミリーショップ青木へ行こう

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 兵庫県神戸市の海の方を阪神電車が東西に走っていまして、神戸市の南東部にある東灘区に「青木駅」がございます……読めます? 「あおきえき」ではありません、「おおぎえき」です。
 平日朝に区間特急と区間急行が停車するくらいで基本的には普通しか停まらないのんびりした駅の南に「阪神ファミリーショップ青木」という商業施設が建っています……写真の左の建物は恐らく「青木大市場」跡に建てられた「ピアフェスタ青木駅前」というマンションでして、右に見えます赤い屋根が……

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 阪神ファミリーショップ青木! げんまつWEBタイガース歴史研究室というサイトによりますと、1976年に建てられたとのことで2021年現在で約45年! 歴史ある建物です。

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 FとSの文字を合体させたようなロゴマークに何故か昭和を感じさせるフォント。たまりません。

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 1階には関西スーパーが入居しています。私が子供の頃……1990年前後には既に入居されていたと思います。新築当初からなのかも知れません。

3階へ行きましょう

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 2階には100円均一と衣料品のお店が入居しています。ディレクトリの枠は2階だけで6つありますのでかつては埋まるだけのお店が入居していたのでしょうね。そのあたりの記憶はございませんが……。

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 昭和エレガントな雰囲気が漂う電灯。こういうところにもお金を掛けられるってすごいことなのですよね。

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 お店の写真をバシバシ撮るわけにもいきませんので早々に3階へ。そう、目的は3階なのですよ。
 初めて見られる方には何てことのない階段と思いますが、幼き日に母に連れられよく来ていた身としてはこの階段の時点で懐かしい記憶がよみがえりもう泣きそうでしたよ。子供の頃は広い階段と思っていましたが、大人になって見たらそうでもないな……。

屋上で見たものとは……!?

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 さて!
 屋上が開放されています。ベンチもありますね。

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 しかし……何か気になりませんか? ベンチのそばにあるポールは何?

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 足元の緑色は何?

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 何かの模様のようですが……?

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 そう、かつてここには屋上遊園地が存在したのです。ポールにテントの切れ端が残っています。

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 子供向けのミニ鉄道のようなものがこの屋上を走っていたのですよ。

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 白くなっている部分は何だろう……?

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 コースの跡? ゴーカートかなぁ?

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 営業を終了されたのはいつなのだろう? 阪神・淡路大震災を機にってところなのかなぁ。

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 1993年に発売された「タブクリア」という炭酸飲料をここで購入して飲んだ記憶がありますので、その頃には営業されていたはずです。

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 おおおおお! お馬さんがいるよ……ちょっと泣いて来ますね。

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 陽射しを防ぐテントは既になく……現役の頃はこんな影になる日が来るとは誰も想像されなかったでしょうね。

ゲームコーナーもあったという

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 ところで3階は屋上だけではなく、屋内もございます。

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 にゃーす!

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 にゃにゃにゃーす!

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 ここはかつてゲームコーナーだったと思うのですよ。ビデオゲームやエレメカが並んでいたように思います。とも姐の海外旅行日記など。というブログによりますと、「こまや」というエレメカのメーカーが近所にあったためか、エレメカは充実していたようですね。さらに検索しましたところ「こまや」はあの「山のぼりゲーム」を作られたところ! しかし残念ながら2015年に倒産されてしまったとのことです。わりと最近のことで驚きました。ちなみにインターネットアーカイブに公式サイトが保存されています。興奮!

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 先の部分は屋上から見て右側でした。中央が屋上への出入口で、ブルーシートで隠されたここは左側です。何だっけ……。全然記憶にないなぁと思いましたら、FOURSQUAREというサイトに建物の外側にあるディレクトリ? の写真が掲載されていまして、3階に「まっちゃん堂」という中古コミックや中古ゲームソフトを扱うお店があったようです。あったっけ? いつ? 全然記憶にないなぁ。検索しましたら住所や電話番号などの情報は出て来ますので今世紀になってからのお店だったのかなぁ。

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 屋内に戻ります。ゲームコーナーがあったところはパーティションで封鎖されています。左に見えます自販機が階段を上ったところ、撮っていませんがさらに左はトイレがあります。

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 昭和ポップな装飾。夢の跡。

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 屋上が開放されているのは緊急時のためという意味もあるようですね。ボール遊び厳禁はともかく「未成年者の喫煙」というところに生々しさを感じます。近所の中学生あたりが来ていたのでしょうね……。

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 Wi-Fi! おおおおお。急に現代へ引き戻された感覚。と言ってもボーダフォンが日本から撤退してソフトバンクになったのが2006年ですからね。このサービスが始まったのはいつなのかな。

 屋上やゲームコーナーの跡にちょいと興奮してしまいまして屋内の写真はほとんど撮っていませんでした。屋内から見たブルーシート側はどんな姿だったっけ……。まぁいずれまた来ますね。ごきげんよう。





タイムスリップしましょう

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 もうちょっとだけ続くんです! 実家で現役時代の写真を見付けて来ました。興奮!
 向こうに阪神高速が見えますので、南向きです。屋上の出入口は北側にあります。子供サイズとはいえ結構立派な乗り物があったのですね。

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 タイムスタンプを見ますと1986年12月21日。築10年といったところですが結構な年季を感じますね。まぁ雨ざらしになる場所だから仕方ないのかなぁ。

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 左奥に山が見えますのでこれは東向きかなぁ。神戸市は山が北なのですよ。
 ゴーカートのコースにしか見えなかった床にはカラフルな絵が描かれていたのですね。経年劣化で今の色になったのでしょうか。それとも消そうとして……?

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 右側が屋上の出入口、左側がブルーシートのところ。当時は普通のブラインドだったのね……。当時は何だったのだろう? ゲームコーナー? お店?

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「こどものくに」。よろしいな。しかし隣の駅が書かれる部分には「のってから¥100玉を入れて下さい」など冷静な注意書きが書かれていた模様。

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 テントがある! 陽射しを遮ってる! ポールも当時は茶色く塗られていたのですね。

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 この写真は1983年8月! 2人乗りのゴーカートもあったのですね。
 後ろに見えます「サンヨーカラーテレビ」の看板もときめいてしまいます。カラーテレビって。Wikipediaによりますと白黒の番組は1977年9月30日の放送が最後だったそうです。この写真が撮られた1986年当時としても年代物の看板だったのでしょうね。
 カラーテレビの下に小さく見えます青地の看板は「阪九フェリー」の小倉行き航路です。かつてこの南に「東神戸フェリーセンター」という船の発着場があったのですよ。しかし1999年3月に閉鎖され、現在はサンシャインワーフという商業施設になっています。

 三宮のような繁華街でもない住宅地の小さな商業施設の屋上に遊園地があった昭和。平成や令和とは娯楽の幅が全く違うという背景はあるものの、夢のある時代だったんだなぁと思わずにはいられません。


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