ホリデードライバーズ

休日にしかハンドルを握らないドライバーが、盆休みということで大量に公道に解き放たれており、非常に普段とは違った緊張感で私もハンドルを握っている。

都会ではないので、おかしなほどの混雑はないが、それでもバイパス道路は普段とは違う混み方をしており、予想外の車線変更をする人にも出くわしている。

普段から休日は当たり前のように田舎でも混雑するし、休日にしか車に乗らないサンデードライバーと呼ばれる運転機会の少ない人が混雑の中に放り込まれるのだからリスクは当然のように高くなるし、それが長距離運転となればなおさらだ。


免許を取る際に通った自動車学校では、一度ハンドルを握ったら自分以外のドライバーはみな狂っていると思って、さまざまなトラブルに対応するようにと教わったが(事実)車に乗る歳月の経験値が増えれば増えるほど、あの話は誇張ではなく経験則だったのだろうなと思うようになった。

車線変更をするのにウィンカーを出さないくらいは、まだ序の口で、あきらかに運転技術が伴っていないように見受けられる人がジグザグ運転をしたり、タイミング的に赤信号になってからアクセルを踏んで突っ込んでくるなど、さほど珍しい話でないのが恐ろしい。


携帯端末なりPCを繋ぎ、YouTubeなどの動画サイトで煽り運転や事故映像と単語を入れると、気が遠くなるような大量の動画がヒットする。

事故映像を見る限りは、やはり明らかな暴走や判断ミス。意図的な交通ルール無視によるものが多いのだが、自分がハンドルを握っているときは周囲の状況や、ふとした別のドライバーの運転による影響を受けやすく、冷静でいることは簡単ではない。

淡々と虚無の気持ちで運転できれば良いが、疲れていたり、眠気がある際には必ずコンビニかどこかで休憩を取るべきなのだ。それらのデバフは明らかに運転に影響を及ぼすし、たまにしか運転しないと、そのデバフがどれだけきついか、わからなくなりがちだ。

せっかくの休みを家族と一緒にどこかに出掛けるなら、悲しい思いやイライラするようなトラブルを起こしたり、巻き込まれたりするリスクは減らしたほうがいい。

道を間違えたとて、基本的には左折して右折して左折すれば戻れるのだから、無理せずにゆるゆると法定速度に魔法を乗せたくらいの気持ちで楽しんで互いにハンドルを握ろうではないか。

誰でも最初は初心者だったわけで、ことさらサンデー・ホリデードライバーを揶揄するなく、しかし事実として運転経験値の少ない人が公道に増えることを自覚しながらみな怪我なく良い盆にしたいものです。


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