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願掛けとお礼の作法

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てるてる坊主に願いを掛けるときの工夫や、願いがかなったときのお礼、あるいは、願いがかなわなかったときの罰について。
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記事一覧

軒に吊るせば【てるてる坊主考note#36】

はじめに  ここ最近ずっと、民俗学者・柳田国男(1875-1962)の「毛坊主考」を読んでいます…

てり雛からてるてる坊主へ【てるてる坊主考note#35】

はじめに  「近世の田舎では風雨の害を攘うために人形を送る例もあった。照々坊主の風習も…

屋根の上のてるてる坊主【てるてるmemo#11】

はじめに  てるてる坊主を作ったらどうするか。昨今では軒下や窓辺に吊るしておくのが一般…

夕べ吊るしたてるてる坊主【てるてるmemo#10】

1、気がかりなのは「あした」  「てるてる坊主 てる坊主 あした天気にしておくれ」と願い…

脱衣の衝動【てるてるmemo#4】

 この句が詠まれたのは江戸時代の半ば。宝暦11年(1761)に編まれた『川柳評万句合』に収めら…

「裸体」のてるてる坊主【てるてるmemo#3】

 明治29年(1896)に発行された『日本大辞典』で「てるてるばうず(照々坊主)」の項を引くと…

『蜻蛉日記』の「ひひなぎぬ」 【てるてる坊主考note #11】

はじめに てるてる坊主はいつの時代に誕生したのか、正確にはわかりませんが、江戸時代の文献にはすでに散見されます。川柳に数多く詠み込まれているほか、随筆や辞書のなかにもてるてる坊主に触れた記述が散見されます。  そして、当時の随筆や辞書におけるてるてる坊主についての記述のなかでは、平安時代の『蜻蛉日記』の記事がしばしば紹介されています。本稿では、江戸時代の随筆や辞書に引用あるいは言及が繰り返されてきた『蜻蛉日記』の記事に目を凝らしてみましょう。  ただ、前もって明かしておくと