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デザインとエンジニアリングの融合における重要性について考えたい

サービス設計においてエンジニアリングは、必要不可欠である。
一つの視点としてデザインが、潜在的な価値の本質にアプローチして、ユーザーに価値のあるものをサービス体験として提供するものとすると、エンジニアリングは、体験として要件定義したものをユーザーが使用できる機能として構築していくもの、と言える。
しかし、現在のサービス開発において、そのような分け方は不毛であり危険だ。
デザインとエンジニアリングは、前後の関係では無く、それぞれが入れ替わりながらサービスを作っていくべきである。
例えば、特定のテクロジー(AIでも良い)を起点としてサービス設計をしていく中でもユーザー要求を聞いて、その意味を問い直して価値の中枢を考えることはデザインである。またデザインを体験に落とす際に、テクノロジードリブンでその体験価値を設計することもできる。
つまりイタレーションなのである。

デザインとエンジニアリングを合わせたプロセスとして、母校の先生でもある富田先生の論文の一部を紹介する

価値共創プロセス図(下図を参照)によると、サービス目的を設計する時においてデザイン思考的なアプローチである共創から入る。

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出典:システムズエンジニアリング方法論によるサービス設計と有効性検証(富田,2019)

共創によって目的が定義された次のステップとして、システムズエンジニアリングと参加型システム分析の2つを使用している。ここでの要求定義においてトップダウンとボトムアップを組み合わせている。
これは、AIを使って何か新サービスを作ろうというトップダウンからのものと、ユーザーが欲しいもの・現場メンバーの共創による発見というボトムアップの融合である。

実際の使用ツールについても見てみよう。

システムズエンジニアリングツールとしては、PCM分析・コンテキスト分析・システムライフサイクル・ユースケース分析などがある。
デザインツールとしては、デザイン思考・ワークショップなどがある。

DXやIOT、Society 5.0などの文脈においてテクノロジーとサービスをどう融合させていき、全体最適と持続的なサービス提供を循環させるのか? という問いに対して、デザインとエンジニアリングの融合は、これから益々重要なトピックになっていくだろう。

参考文献

富田 欣和 「システムズエンジニアリング方法論によるサービス設計と有効性検証- 価値共創フレームワークと基本活用プロセスの開発と適用 -」サービソロジー 論文誌 3巻1号 2019
http://ja.serviceology.org/publish/JpnJoS_vol3_no1_1.pdf

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