見出し画像

エコシステムありきのサービス設計

サービスを新しく作る時には、基本的には単一のサービスのことについて企画・設計・開発を行う。
しかしながら、ほとんどのサービス・プロダクトが単一に存在することはない。
直接・間接的になんらかのサービスと関係して成り立っている。

ニュースアプリを例に考えよう。
ニュースアプリのコンテンツは、多くのニュース元のサイト(コンテンツプロバイダー)から情報を引っ張ってきている。有料コンテンツに至るのであれば、その決済システムは銀行システムやキャリア決済と連携している。アプリということをとってみるならば、そのアプリ配給元はappleストアやGoogle Playストアのプラットフォームにデータは存在している。

一つのサービスは、より大きなエコシステムの影響を受けている。

エコシステムは、サービスとサービス同士のつながりだけではない。
サービスの内側に目を向けるのであればそのサービスを構成する要素として、人や組織もそこに含まれている。
もっと広く目を広げるのであれば、法律や情報通信などのインフラも入る。
SDGsやサーキュラーエコノミーの文脈で捉えるならば、自然環境や地球における生命も考慮しなければならない。
それらを全てをサービスにおけるステークホルダーと言える。

エコシステムありきのサービス設計を行う時に重要なのは、ステークホルダーをどこまで範囲とするかである。
サービスドミナントロジックで語るのあれば、アクターをどこまで入れるかである。
取ろうとすれば当然無限に取れる可能性があるが、サービスのバウンダリーをきちんと定義することはサービス設計においてかなり重要な事柄になる。

その時の視点の置き所としては、「何を作るのか」「どんな価値を提供したいのか」という要求に従うのが良いと考える。

PWCコンサルティグによると、エコシステムにおけるブロックチェーン構築には、4つの要素が必要だとしている

1.拡張性
2.相互運用性
3.監査可能性
4.法規制の枠組み

仮に初期の提供価値を小さくすることで、ステークホルダーのバウンダリーを小さく切ったとしても、エコシステムを考慮することを放棄していいことにはならない。

木を見るだけでなく、森を見る。

その視点の使い分けがサービス設計に非常に大事になってくると考える。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?