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【知ってる?宿泊業界用語】 お・お・おばけがでた~

宿泊業界での隠語として使用される
「お化けが出たー」とはいったい何でしょう?
少し考えてみて下さい。
宿泊業界の経験者の方でしたらおなじみですよね。

そう、答えは、
宿(旅館・ホテル)に予約がないのに、
当日になって「予約してある」と言って、チェックインするお客様。

受付担当は焦る。相当にテンパる。
宿側のミスなのか?お客側の勘違いなのか?
困惑するお客様を目の前に受付担当は原因を追究しなければならない。
いずれにしても、そのお化けはいきなりやってくる。
なんの前触れなくあらわれる最強のアクシデントなのです。

時間が凍りつく

以前に私の身にも降りかかった、「お化けストーリー」を紹介します。
旅館の受付担当として、その日も順調にチェックインに対応していました。
すると、ある一組のお客様が入館してきて、
お名前を伺うと、宿泊リストに名前がない。
可能性としては、予約者と宿泊者が違うことはたまにあるので、
もう一度それぞれを尋ねるが、どちらも同一名であり、リストにない。
いよいよ雲行きが怪しくなり、
一旦、お客様を席に案内して、いつどのように予約したのかを伺う。
お客様が自分で予約したというインターネット予約にて
申し込み済一覧を検索すると、なんと
そのお客様の名前があるではないですか!
そう、これは完全に当方のミスだったのです。
そのお客様の予約を取り忘れていたことが発覚しました。
その日は満室で、どう考えても部屋は用意できない。
完全に追い詰められました。


オーバーブッキング

噂には聞いていたが、
その時の私にとっては、当日のオーバーブッキングは初めての事でした。
オーバーブッキングとは、部屋数より宿泊予定組数の方が多いケース。
過去に同じケースが発生したとは聞いていたが、
残念ながら、前回の経験を知っている方が誰もいなかったので、
あとはもう、なんとか自力で対応するしかありませんでした。
お客様に説明しても、
当然、「どうしてくれるんだ!」と返されます。
「申し訳ありません。すぐに代わりの宿をお探しいたします。」
そう言って、待ってもらうしかありません。

奇跡の女神は微笑むのか?

この日は週末の金曜日で、どう考えても絶望的な状況でした。
周辺の温泉街の宿に電話しても、当然どこも空きはなし。
八方塞りで半分あきらめかけていた時に
少し当館から離れたところにある老舗旅館から幸運の一報が!
たまたま当日にキャンセルが出たらしく、一室用意が出来るとのこと。
絶望の淵から這い上がるとは、まさにこのこと。
心を落ち着かせて、お部屋の予約と準備をその宿にお願いをして、
お客様の元へその宿でのご宿泊をご提案いたしました。
ラッキーなことに、お客様はそこで了解をしてくれました。
捨てる神あれば、拾う神あり。
諦めたら、そこでゲームセットですよ。by 安西先生。

色んなフレーズが頭をかけめくりました


おばけから教えてもらったこと

紹介させて頂いた宿にお泊り頂いたお客様は
結果的に、その宿での滞在を楽しんでいただいた様子で
それを宿の方から聞いて心底ホッと出来ました。
お客様には帰り際に当館にお立ち寄り頂き、
再度お詫びと御礼を申し上げたところ、
「こちらこそ、色々としてくれてありがとう。」
とのお言葉を頂戴いたしました。

事態が発生した時から
とにかくガムシャラに考えて、行動するしかありませんでした。
その時の振り返ってみると、まだまだの対応だった面もあります。
しかし、間違いなく私にとっては、
一つの大きな経験をさせて頂いたことは事実です。

今後の自信になるかはまだわかりませんが、
次のおばけがでてきても(なるべくもう会いたくないですが。)
もう少しは冷静に対処できる気がします。

皆さんも、自分で宿を予約(インターネット予約)した際は
少しだけでも気にかけてください。
宿側も人間です。失敗やミスをすることもあります。
だれもそれを望んでいませんので、
もし、予約先から何も連絡がないのであれば
念のために、一度確認をして頂くと助かります。


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