人月100万 vs. 20万×5人後者の方がコスパがいいというツイートが話題に?!

なっていたんですけど……これって1975年に既に本が書かれてるんですよねぇ……人月の神話という本です。

以下はプログラマーの間で聖書とされる人月の神話という本を読んでの超約になります。

しっかり確認したい場合はこちらから

https://www.amazon.co.jp/%E4%BA%BA%E6%9C%88%E3%81%AE%E7%A5%9E%E8%A9%B1%E3%80%90%E6%96%B0%E8%A3%85%E7%89%88%E3%80%91-Jr-FrederickP-Brooks/dp/4621066080



The Mythical Man-Month(人月の神話)著者はIBMの人
人が多いと逆に遅くなる法則:経験知の共有コストが上がる。
アプデ時に余計なものが追加され複雑化する法則
プログラムに特効薬(銀の弾丸)はない。
人月いくらによる工数見積もりで計画を立てるが、実際には能力や経験にばらつきがあり見積もりがずれる。

設計思想や、プロジェクトの進み具合、構造理解など過去の事例が頭に入っているかどうかで進行速度が大きく変わる。

人月いくらでいつまでといった管理ではこれらの事情が無視されがちなので、進捗の遅れを人月で管理しようとするとうまくいかない場合が多いんだよ。

お金の管理をしている経営陣とプロジェクトを管理している実装組との間で認識の違いが大きくなりやすい。

この辺の問題を理解している経営者はプロジェクト管理をうまくこなす人材を欲しがるんだけど、上手にプロジェクト管理できる人材は起業してしまうか大手が抱えてしまうことが多いため確保が難しい。

加えて遅れがちなプロジェクトの管理を行うということで残業時間がマシマシになりがちで「管理とか大変でめんどくさいし実装の方やってたい」とあまりやりたがらないので不足しがち。

結果リソース管理といえば人月で管理するという神話で管理されている場合が多い。

「人材ガチャで人月100万1人より、20万で5人雇ったほうがいい」という経営者が多い。

実装組の内情としては教育コスト・共有コストの関係で「使えないやつ増やされても遅れてるプロジェクト進まねぇよ!」ってなる

ちなみにこの本が書かれたのは1975年なんですよねぇ……50年たっても解決してねぇじゃん!!!

上流下流都の齟齬と調整で中間管理職、施工管理建設に近く、IT土方って呼ばれるあたりが見えてきますねぇ。

でっけぇプロジェクト動かすってなるとクッソ大変でしわ寄せが下流にくる。

経営層から見ると属人性下げて大量に雇用して管理するやつに任せた方がいいですからね。

属人性の高い人材は採用コストがかさむし優劣の判断が難しい、なら低コストで大量に雇って中で使えるようにさせたほうが良くね?ってなってしまうんですね。

経営者→国「エンジニア足りねぇから増やそうぜ!!!」

結果現場からすると「不足しているのは優秀なエンジニア!」ってなるわけですね~

「どうやったら優秀なエンジニア採用できるかな~?」ってGoogleの考えたのが
例のわけのわからん問題を解決させるテストなんですね~
「論理的思考を元に仮のアルゴリズムを作って解決できるか確認すればわかるんじゃね?」ってやつ。

で、採用できた優秀な人材に逃げられないように手厚い社員サービスをつけている。

英語が使える優秀な人材は外資通してアメリカ行っちゃうので、海外経験のない人が日本に残るって感じになっちゃうんだね。

そうすると技術がどうしても遅れがちで優秀なライブラリとかがおまえの国では使えません状態に。

いちからくみ上げる時代が終わって

車輪の再発明にならないように気を付けながら便利セットでくみ上げていくスタイル。

この状態でグローバル戦略をうとうとしてもコネもないし経験者もいないし、技術も共有が難しかったりしてデジタル分野で世界的になれる企業は生まれにくいんすねェ……

中古車市場と一緒で内部の状態(目に見えない実際の能力)が不明な状態だと使えなかった場合のリスクも考慮した価格になってしまう。
これを中身が腐っていても外部が綺麗なままで居ることの多いレモンになぞらえてレモンの法則と呼ばれている。

解決するには正確に相手の能力や情報を把握する必要があるんだけど、経営層が応募多数の状態で短時間で把握することは難しいのでどうしても学歴やテストで絞らざるをえない。
特に日本は簡単に解雇できないので経営者としては高いお金で雇ってしまうと困るので、レモンの法則に則り採用コストを抑えられがち。

この辺の問題を金の力で解決できる企業は転職エージェントを利用して人材の内部調査を行っていい商品を卸してもらっている。

これを日本で最初にやり始めたのが東大の内部に企業広告を張る事業から始まったリクルート。

大企業はこれである程度採用問題を解決できた。(問題はベンチャーとかエッセンシャルワーカーのような採用コストをかけることが難しい業種)

エンジニア採用をさらに厄介にしているのが、一人の天才がコードを作ることで何人分もの働きをしてしまうことがあるという事象。

シリコンバレーの生きる伝説と呼ばれている人がこの辺を説明している。

努力は量じゃなくて方向性。何をするか、誰とするか、いつするか。
事業を持たない人はインプット(投入量)とアウトプット(生産高)が連動する。
アリもしない明日についてこうなったらああしよう、ああなったらこうしようと言って今を充実させない人じゃ一生引退できない。引退とは今を充実させることだ。
人生の大半は君を最も必要としてくれてる人やものを探す旅だ。「特殊知識」を身に着けるプロセスは自分には遊びのように感じるが周りの人には仕事に見える。
事業におけるレバレッジは資本、人、費用ゼロで複製できるコードとメディア。
社会がそれを求めているが手に入れる方法がまだ知られていない特殊知識を大規模に提供する。
特殊知識は流行ではなく好奇心と情熱から生まれる。だからこそ簡単にパクれないし外注や自動化によって埋め尽くされない。責任をもってそれを提供する。その責任の大きさが働かずに得られる報酬や狂った倍率を与えてくれる。
本当の富を手に入れた時に欲しかったのは富じゃなかったことに気が付くがそれは手に入れた後で。

https://www.sunmark.co.jp/book_files/pdf/978-4-7631-3979-5.pdf

ここで注目すべきなのはお金や人材と並んでコードとメディアがあるということ。

つまりコードはお金や人のような働きをするということ。
もっとわかりやすく言うなら、人間の代わりに自動で働いてくれるロボットのような役割をこなしてくれる。

このコード(自動ロボットのようなものが)何十人いや何百人の働きをしてしまうことがある。

プログラマーに関しては教育コストや共有コストのかかる人間を大量に雇う<一人の優秀なエンジニア

ただそんな人材がその辺に転がっているということもなく適当に金出して集めるなんて手法が使えないので経営層からみたら「高い金出して雇うより安い金出してそこそこ使えるやつ入れたほうがいいよな」ってなるわけだよね。

そういう超優秀なエンジニアを雇うには口説き落とすリクルーターやそれを伝えやすくするメディアの力が必要。

だからベンチャーは自社メディアでPRかけたり、リファラル採用で引っ張ってこようとしている。

まとめ


1. 人が多いと逆に遅くなる法則:経験知の共有コストが上がり、進捗が遅くなる。

2. アプデ時に余計なものが追加され複雑化する法則:アップデート時に不要な機能が追加され、システムが複雑化する。

3. プログラムに特効薬はない:問題に対する単純な解決策は存在せず、課題は多面的である。

4. 人月いくらによる工数見積もりの課題:能力や経験にばらつきがあり、実際の進捗は見積もりと異なることがよくある。

5. 過去の事例や設計思想の影響:過去の事例や設計思想の理解が進行速度に大きな影響を与える。

6. 経営層と実装組との認識のずれ:人月で進捗を管理することが難しく、経営層と実装組との認識の違いが生じる。

7. 人材確保の難しさ:プロジェクト管理能力を持つ人材の確保が難しく、優秀な管理者が他で働くことが多い。

8. リソース管理と人月の神話:人月で管理されることが一般的で、経営者は低コストで多くの人材を雇う方が効果的と考えることがある。

9. グローバル戦略の難しさ:技術の遅れ、優秀な人材の流出、グローバル展開の難しさがある。

10. グローバルなエンジニア採用と逃げられない雰囲気作り:優秀な人材に逃げられないように、エンジニアに対する手厚いサービスが求められる。

11. 技術の遅れとデジタル分野での競争:技術の遅れやライブラリの制約により、デジタル分野での国際的な競争が難しい状況。

12. 技術の共有と効率的なプロジェクト進行:インフラやツールの共有を通じて、車輪の再発明を避けつつプロジェクトを進行させるスタイルが求められる。

終わり

内部事情と経営層で事情が違うからこの辺の話題みんな大好きってことですね。

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