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394位:Diana Ross 『Diana』(1980)|ローリングストーン誌が選ぶ「歴代最高のアルバム」500選(2020年改訂版)

 このnoteでは2020年に8年ぶりに改訂された「ローリングストーン誌が選ぶ「歴代最高のアルバム」500選 」の英語サイトからの解説文翻訳(とたまにレビュー)の連載をしています。本日はこちらのアルバムです。

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394位:Diana Ross 『Diana』(Motown, 1980)

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<解説文の翻訳>
 The Supremesとしての活動を終えてから10年が経った、1980年のダイアナ・ロス。彼女は70年代の10年間を映画界でのキャリアやサウンド・トラックのヒットという成功の輝きの中で過ごしていた。しかし、彼女はそれでもまだ何かを変えたいと思っていた。ソロとしての10枚目のアルバムとなる『Diana』は、ディスコへの反発が盛んになっていた時代に、彼女がナイル・ロジャースに助けを借りてディスコの世界に飛び込んだ作品だ。“Upside Down”や“I’m Coming Out”といったクラシックを含む本作は、現代までにおける最大かつ最も評価を受けたアルバムとなっている。
(翻訳:Shu Tsujimoto、 原文へはこちらから)

<翻訳メモ>

・bask in the glow of success・・・「bask = 日向ぼっこをする、浸る」より、「成功の満足の浸る」の意味。
・shake things up・・・「shake up = 振って混ぜる」より、物事をかき混ぜる→「刷新する、新しいことを始める」として訳した。
・disco backlash was running rampant・・・「backlash = 反発」「rampant = 流行する、蔓延る」より、「ディスコへの反発が盛んになっていた」と訳せる。wikipediaによるとディスコ・ブームは75-79年。反発の背後には、プロデューサー主導の商業主義に対する嫌悪もあったと思われる。79年には7月にはシカゴで、ディスコ・レコードを燃やすという趣旨のイベント「ディスコ・デモリッション・ナイト」が行われたことが象徴的な出来事としてあったようだ。ディスコ・ミュージックの歴史についてはこちらの記事が詳しかった。

<ランキング比較>

参考として、「このアーティストのアルバムが500枚のリストに合計何枚ランクインしていたか」と「このアルバムの順位が前回版(2012年版)ランキングと比べてどう変わっているか」についても以下に調べてまとめています。

【2020年度版】
同アルバムの今回順位:394位
同アーティストのランクイン枚数:1枚(Diana Rossのソロ名義で)

【2012年度版】(前回版)
同アルバムの順位:掲載なし
同アーティストのランクイン枚数:0枚(Diana Rossのソロ名義で)

<感想など>

Chicのバーナード・エドワーズ&ナイル・ロジャースがプロデュースの本作。2人がミックスしたヴァージョンはレーベルのMotownに却下され、彼らが知らぬままに勝手に別のミックスが施されてリリースされた、という話は有名なようだ。しかし、現在SpotifyやApple Musicで上がっているヴァージョンでは、「Original CHIC Mix」ヴァージョンも聴ける。こちらは聴いてみると確かにベースやギターなどが前に出ていてよりバンド感がある印象。ダイアナ・ロスの声がより直近に聴こえる正式ヴァージョンの方が実際ヴォーカリストのソロアルバムとしては正解だったのかもとは思わされる。


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