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ひょっとしたら自分も。。 ~ ミュージカル COME FROM AWAY カムフイロムアウェイ ~

森公美子さん御出演のミュージカルは観に行きたいのです。

最初に観た森さんのミュージカルは「ラ・カージュ・オ・フォール」で、テレビ以上の存在感と歌唱、さらにお茶目な演技に魅了されました。

今回も元宝塚トップスターがお三方出演のためチケット争奪は激戦でした。

こちらもくじけずに抽選に参戦し続けてどうにかゲッツ!

日比谷の日生劇場へ出掛けました。

ここからネタバレと感想を書きます。

これから観劇予定のある方は後日お読み頂けますと幸いです♪


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舞台は2001年9月11日、アメリカの同時多発テロ事件当日から始まります。

事件が発生し、アメリカに向かう航空機はカナダのガンダーという街へ強制的に降ろされます。

人口わずか1万人の小さな街であり、そこに38機もの航空機が降り立ち、さまざまな国籍の乗員乗客およそ7000人が滞在することになりました。

安全が確認できるまで、この小さな街へ足止めされたある航空機の乗客がメインの登場人物となります。


機長は女性であるがために社内外で嫌がらせに見舞われますが、見事パイロットとして活躍中。

とある女性はシングルマザーとして奮闘しており諸事情で搭乗。

仕事で移動中の人々、ゲイのカップル、今まで旅行らしい旅行をしたことがないんだからと消防士の息子からのプレゼントとして旅行中の母など、それぞれ事情のある乗員乗客たち。

迎え入れる街側も、町長が陣頭指揮を執り、ポリスマンが走り回り、学校を休憩所として活用するために先生たちが食事や寝具、着替えなどを街を上げて準備に奔走します。

飛行機に取り残された犬や猫、希少なチンパンジーの世話を焼くペットシッターも大奮闘。

街の人たちは乗員乗客に不便が出ないように、ありとあらゆる便宜を図り協力を惜しみません。

乗員乗客たちは一刻も早くそれぞれの希望の地へ帰りたいけれど、国家がそれを許さない情勢であり、どうしようもありません。

そんな切羽詰まった中でも、街の人たちが自宅へ食事に招いたりお風呂を貸したり、車を貸してあげたり、バーでパーティを開いたりと出来る限りの便宜を図ってくれることで、頑なだった乗員乗客の気持ちもほぐれていきます。

その中では思いがけないラヴが始まったり、逆に別れがあったり、消防士として働く子どもを持つ者同士の乗客と街の人との心の交流などが生まれます。

一日一日が過ぎて行き、離陸出来る飛行機の順番が割り振られ、一機、また一機と予定の場所へ飛行機が飛んで行くことになり、五日目に全ての飛行機は街を飛び立ちました。


乗客乗員は感謝の気持ちで街へお金を置いて行こうとしますが、街の人は受け取ろうとせず。

とある機内で街の子どもたちへの奨学基金を募ったところ二万ドルものお金が集まり、いまだにその基金のおかげで街の子どもたち何百人が大学に無料で通えていたりします。

旅行をプレゼントしてくれた消防士の息子さんは、残念ながら当該ビルの救助活動中に命を落としてしまいましたが、その後、同じ消防士の息子を持つ親友となった女性へ会いに街へ毎年やってきます。

シングルマザーだった女性も、ラヴとなった超遠距離の男性と、国を跨いで結婚までこぎつけることが出来ました。


あらすじをダダダーっと書き連ねただけになってしまいましたが、舞台はほぼノンストップの歌で繋がれ、場面転換も殆ど無く、椅子や机で飛行機内部や飛行場、教室、飲み屋などが表現され、演者さん12人がメインキャラクターと別に、ありとあらゆる人物を目まぐるしく演じます。

聞き逃すと置いて行かれそうなスピード感で、瞬く間に休憩なしの100分が過ぎ去りました。

ミュージカルや舞台の第一線の方々なので、歌も動きも迫力があり、それでいてしっかり聞き取れる滑舌の良さ、当たり前ですが(笑)


そして驚くべきはこのミュージカルは実話であるということ。

ある日突然、人口に匹敵する様々な国籍の人がやってきて、こんなに親身に便宜を図れるものなのかと驚きました。

完璧で問題が無いことは不可能ですが、寄り添う気持ちを常に持ち続けること。

いま日本でも13年目となる東日本大震災、年始の能登半島地震、他にも豪雨災害などで未だに不自由な生活を強いられている方々が大勢いらっしゃいます。

忘れないことが一番大事ですし「明日は我が身」で出来る支援は続けて行こうと改めて思います。


自分は当時勤めていた会社の同期達とサイパンへ旅行に出かけていて、この2001年9月11日まさに当日、帰国予定でした。

部屋のテレビでリアルな映画をやっていると思っていたのですが、繰り返される映像で「あれ?これ相当マズイんじゃない??」とパニックになりました。

舞台のように何をどうすることも出来ませんでしたが。

サイパンはアメリカの自治領ですから空港がどうなっているのか、飛行機に乗れたとて怖い・・。

確かほぼ予定通り飛行機に乗り帰国しましたが、日本に戻って来るまで物凄く不安だったように思います。

ある意味、舞台はあの日の我が身だったのかもしれません。


聞き逃せない100分の大迫力。

機会がありましたら、ぜひ足をお運び下さい!





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