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『息子のボーイフレンド』感想

📕Ally(アライ)という言葉を知っていますか?
/『息子のボーイフレンド』書評

昨日書評を書いた"The Seven Husbands of Evelyn Hugo"に続き、
この日本の小説も、LGBTQをテーマにしていました。

『息子のボーイフレンド』秋吉理香子
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《あらすじ》男子高校生の聖将(きよまさ)くんは、中学生の時に「自分はゲイでは?」と気づき、自分の性的指向を隠して生きてきました。
高二の夏、音楽系SNSで出会った大学生の雄哉くんと出会って惹かれ合い、二人は恋人同士に。
母親の莉緒は、息子のカミングアウトにショックを受けつつも「ゲイであっても息子の人格は変わらない。何があっても息子の味方でいよう!」と気づき、努力します。

この小説で "ally"という言葉を覚えました。
もちろん「同盟」という意味は知っていますが、
LGBTQの方々の人権について話す際、この言葉は
「LGBTQ+当事者達に共感し、支援する人」を意味するそうです。

※allyは名詞と動詞でアクセントの位置が違います。これは名詞形なので、第1アクセント。「ア」を強く読みます。

~ここから、私の感想です~
「オカン、俺、ゲイで、彼氏がいるんだ…」
かわいい息子に告白された時、母親の莉緒さんの頭の中に
LUNA SEAの"DESIRE"が大音量で流れてくる・・・というコミカルな描写があり、この一行だけで莉緒さんが私と同世代と分かって親近感を持ちました(笑)

※莉緒さんは女子校の中高一貫校育ちというのも私と同じです。
彼女は、いわゆる「BL漫画」のファンで、自分でもオリジナル作品を描くほどBL(ボーイズラブ)に理解のある人に見えます。
しかし、「自分の息子がゲイ」という事実を受け入れられず、葛藤するところが興味深かったです。
私が高校生の頃も、BL小説ファンのクラスメートは、何人かいました。BL小説はロマンティックな作品が多いので、ドキドキする気持ち、わかりますね…。

この小説は、初めこそラノベ調の軽い感じで始まりますが、
物語が進むにつれて真剣さが増していき、考えさせられます。

莉緒さんの親友の優美さんは、不妊治療のクリニックで働いており、そこでのエピソードも勉強になりました。
夫のDVが原因で離婚し、シングルマザーとして中学生の息子さんを育てている優美さんは、
「同性同士だから、上手くいかないとは限らない。
男女のカップルだって、上手くいかないこともある」
「誰かを好きになる気持ちを、他人が変えることはできない。」
と、聖将くんを励ましてくれます。

私はこの小説を、移動中にオーディオブックで聴きましたが、朗読がとても上手で、楽しめました。

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