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里子マッチングの記録#14 泣く子供と5時間過ごすということ

我が家で過ごす、次のマッチングの準備で子供のものを色々購入しました。
友人にお店を紹介してもらいました。子供のいないわたしは素通りしてしまうお店が多々あるものだ感じました。

図書館へも行っておすすめを借りてきました。

そして、スライムまで作り方を教えてもらいました。


外の暑い中、泣いている子供と過ごす

2022年7月19日10:30、さぁ頑張るしかない!
この日は、ケースワーカーと里親担当が連れてきてくれました。
みんなで部屋まで上がり、今日の流れなどの話をしました。

その間 遊んで待っててとぬいぐるみを置いていたのですが、、、
話が終わろうとしたところで泣き始めました。
車の中で説明をして足取りは軽く玄関まで来たそうですが、いざ、帰ってしまうとなると不安なのでしょうね。
泣くのを前提として構えてはいました。
でも果たしてどうなる?という予測のつかないことが起こるだろうとも思っていました。

ひたすら待つだけ

子供は泣いてはいるものの、2人を玄関まで追いかけることはせず、リビングでしゃがんで泣いています。
わたしは側にいて、2人が玄関から出て行ってから、鍵を閉めて廊下への扉を閉めました。

さぁ、ここからどれくらい泣くかな?と思ったら
「廊下で待ってたい」
というので
『いいよ』
と廊下に行きました。

「早く来てほしい」
「Rさん(里親担当の名前)がいい」
「遅い」
など言いながら泣きます。
『今日はお約束の時間までは迎えに来れないの 練習って言ってたでしょ 頑張ろう』
と言っても頑張れるわけはなく
「早く来てほしい」
と泣きながら連呼するので
『あっちゃん(わたし)は何も出来ないから応援と神様にお祈りするね』『〇〇ちゃん(こども)頑張れ 〇〇ちゃんファイト 神様お願い 時間よ早く過ぎて迎えに来て』
と連呼してみました。

外で待ち続ける

今度は
「外で待ってたい」
というので
『外か!いいよ でも準備するから待って』
外にいるには何が必要?と少しパニックになりながら、飲み物とタオルと暑いとき冷やすもの、帽子はないのか、曇ってるから大丈夫かな?慌てて準備して、さぁ出ようとするとぽんず(愛猫)が現れました。
子供のTシャツの裾に鼻先を近づけてきました。ビックリです!
ここで様子をもう少し見てれば良かったなと後から思ったのですが、子供の要望に応えることに頭が働き
『ぽんちゃん ごめんね ちょっと外に行ってくるから 待っててね』
といい外へ出ました。
幸いなことに マンションの敷地にはスペースがあり道路で待つということにはなりません。
外遊びは30分以内でと児相職員に言われていたけれど、どうかな?
泣き声はやんだり 小さくなっり します。

うちのマンションは知り合いではなくてもすれ違うと挨拶をします。
なので誰かが通るたびに挨拶をするのですが、子供はどう感じているのでしょうか?
泣いていて言葉は聞き取れないぐらいになります。
わたしが話しかけると頷いてくれます。
黒いハイエースが目の前を通り
『黒い大きな車だね!女の人が運転してたよ かっこいいね』
とか
『宅配便のお兄さん 仕事頑張ってるね あんなに荷物持ってるよ』
とか
『蝶々飛んでるよ どこ行くんだろうね』
アリを子供が目で追いかけてるので
『アリの巣はどこにあるんだろうね?追いかけてみる?』
というと、少し追いかけたり(うろちょろしてるだけで巣穴は見つけられずですぐに飽きちゃいました)
ウッドデッキに座り、目に入るものを話しかけて様子も見てそうだねと声をかけ、
『お試しって言われたもんね 頑張ろう』
と言うと
「頑張りたくない」
わたしは
『頑張りたくないか!じゃあっちゃんが頑張るね だから、いっぱい泣いていいからね あっちゃんは泣かずに〇〇ちゃんとずっと一緒にいて頑張るから 〇〇ちゃんは頑張らなくていいよ』
と伝えました。
「暑い」
と言われたので、用意していた濡らすとひんやりするスカーフを巻いてあげました。
スライムも持ってきたので、
『ひんやりして気持ちいいよ』
と出してみたのですが、ベタついて好きじゃなかったみたいです。
そうこうしていて、ずっとこれでは昼食がとれません。
なんとかお部屋に戻りたいと思い、
『あっちゃん トイレ行きたくなっちゃった 行ってもいい?』
聞くと
「ダメ」
と言います。
『もうちょっと我慢するね』
そうしたら
「あっちで待ってたい いつもあそこから来るから」
と移動すして、しばらく立っていたけど
『あっちゃん おしっこもう我慢できないだけど、お部屋に戻ってトイレいっていい?』
と何度か言うと頷いてくれて
「でもまた戻ってきたい」
というから
『いいよ』
と部屋に戻ることが出来ました。

幼い子供がいたらトイレを

トイレに行こうとすると
「行きたい」
というので
『みーちゃんもしたいの?』
と聞くと
「したくない」
といいます。
わたしとトイレに入りたかっただけのようで、子供とはいえ誰かに見られながら用を足すというのは初めての経験です。
『あっちゃん 人に見られながらおしっこするの初めてなんだ 恥ずかしい』
と言いながら用を足しました。
この日はスカートだったので、良かったですが、ズボンだったらさらにドキドキしちゃいます。
ひとつ乗り越えた感じです。

ランチはお弁当?!

部屋に戻って来ましたが、約束通り 外にまた戻らなくてはなりません。
11:30
昼食をどうしようかな?と考えてしまいます。

トイレを済ましたら、外に行こうとやっぱりなりました。
なので、
『すぐ行ってもいいけど、もうすぐお昼ごはんの時間になるからごはん作らないといけないんだ』

「ヤダ いらない 外行く」

『でもあっちゃんはお腹空くんだよ。今行ってもいいけど お腹空いたら部屋に戻ってくるよ』

子供は一瞬止まって

『じゃあ お弁当にして外で食べるようにしてもいいから ご飯作るまで待ってもらえる?』

「ヤダ」

と何度か繰り返します。
観念したのか、
「お弁当」
と言ってくれたので、Amazonプライムビデオで「ねこのチー」を流して、料理を作り始めました。

ずっと泣いていますが、テレビとわたしのところと行ったり来たりしています。

お弁当を作る予定がなかったので、弁当箱の用意もなく、タッパーに詰めるようにしました。
オムライスを作ろうと思っていたけど、お米を炊く時間を待たせるのもかわいそうだったので、冷凍ご飯で小さなおにぎりを作ることにしました。

ふりかけもなけれび海苔は古くて使えない、塩おにぎりとシーチキンのおにぎり、たこさんウインナー、すみっコぐらしのかまぼこ、卵焼き、枝豆、プチトマト、ブルーベリーを適当に詰めて、自分のお茶、アンパンマンのりんごジュースを準備しました。
長くなるかもしれないので、
『おもちゃ持ってく?ぬり絵とか折り紙とか?』
と子供に聞くと、首を振ります。
『ぬいぐるみは?』
と聞くと、頷きました。
『好きなのひとつ選んで』
というとミッフィーちゃんを選びました。
外へ行くと雨がパラついていました。
『たくさん降ってこないといいけど』
と呟くと
「あっちで待つ」
と言って、通りが見えるところへ立って待つことになりました。
ここは座れないからお弁当広げられないなと思い様子をにていると
相変わらず
「Rさんがいいー」「遅い」「早く来て」
などを繰り返して泣いています。
わたしも負けじと
『そうだよね Rさんがいいよね あっちゃんもRさん好きだからわかるよ』
『お約束の時間まで来ないからね まだまだかかるよ』
少し雨が強くなって来て、子供から
「あっち行く」
と言ってくれて、ウッドデッキの屋根の微かにあるところまで移動しました。
少しすると
「トイレ行きたい」
というので
『お部屋戻ろう』
とエントランスへ歩いていたら
「やっぱりいい」
というのです!
????
『本当に大丈夫?我慢しなくていいんだよ』
外で待ってたい気持ちが勝ったようです。
そこから何度か確認したけど大丈夫のようです。

雨も大丈夫そうになり、ウッドデッキの階段に戻り、座って待つことにしました。
そこでお弁当を広げて、食べたいのだけ食べればいいからねとフォークを置いて、おにぎりの説明をして、ジュースを渡し、わたしは食べ始めました。

ジュースは勢いよく飲みます。飲み終わると容器を「はい」と渡して来ました。しばらくすると、ブルーベリーを一粒食べました。
食べてくれた!!!!!と嬉しくなりました。
また様子を見ていて、食べようとはしないので、すみっコぐらしのかまぼこを見せて、
『可愛いでしょ あっちゃんどっち食べようかな?青食べちゃうね』
と食べて
『白いの食べる?』
と聞くと、頷いたので渡しました。
もぐもぐ食べます。
他は手をつけませんでした。
わたしもそれ以上 食べる?と聞かなかったので、しばらくそこで座っていて、わたしも完食せず、お弁当を片付けました。

時計はわからないけど時間を気にし始める

すると、通りが見えるところに行きたいというので、移動しました。

これからどうしたものかね?右手はずっと手を繋いでいるのだけど、汗をかいちゃって
『ベタベタして来ちゃったね』
少し手を拭いてまた手を繋ぎます。

そういえば、手を繋ぐのを目標としていたけど、外に出るときに手を出してくれたので、すんなりで他に繋ぐ人がいなければ簡単なんだなと思いました。

『今何時かな』
とスマホを取り出すと、子供は乗り出すようにのぞいて来ました。

「どうなったら 来てくれる?」
と聞くので、時計の説明をしたのだけど
ひとまず
『1520になったら来るよ』
「1は同じだ」
『そうだね』
「数字変わらないよ」
『07のところが順番で08,09,10ってゆっくり変わっていくから、ここが59になると00になって3が4に変わるよ 繰り返して1520までね』
スマホをしまうと、小刻みに見せてと言うようになりました。

こんなやりとりをしている最中でも
「Rさんがいいー」
と連発して泣きます。

泣いてるのか、わめいているのか、わたしもなんだか麻痺してしまってきました。

ずっと立ってるのも辛くなって来たので
『歩く?』
と聞くと頷いてくれたので、歩くことにしました。

突き当たりまで来て曲がり、ここから
「どっちから来るかわからない」
というので、もちろんわたしはわかるのですが、大通りには行きたくなかったので違う方は誘導し、公園へ行けば気がまぎれるかな?と思ったのだけど、公園には入ってくれませんでした。

「ハートのところで待ってたい」
と言われ
『ハート?ハートなんてあった?』
と聞くと頷き、
『とりあえず来たところ戻ろうか』
と言い引き返しました。

先程 どっちから来るかわからないと、違う方へ誘導した場所にあるスーパーのマークでした。

お店に入るわけではなく、見えるところで待つことになったのですが、歩道なので長くここで待ってるのもはばかれるなと感じて、友人に助言を求めたいと思いスマホを出したのだけど、スマホを覗き込むので、中々、友人にLINEが送れません。
また時計の話を繰り返して、わたしはしゃがんで子供と目線を合わせて話していたので、スカートが風でなびいて、子供がわたしのスカートを踏んだので
『スカート踏んだ?』
というと、子供はニヤッと笑いました。
『踏んだな!風が強いからね 踏んじゃうよね しょうがないな』
少し笑顔が見れて嬉しかったです。

そうこうしながら、友人にサラッとLINEはしました。
子供とは、時間の話を再びして、時計の話をしても理解しないから

『いつも保護所でお昼食べるでしょ そのあと遊ぶよね たくさん遊んだらおやつ食べるよね おやつ食べた後も遊ぶでしょ そのぐらいの時間が過ぎないと迎えに来ないよ』

「遅い」
と連発するけど
『約束したから 約束の時間までは来ないんだよ』
わめいても泣いても、そこは崩さず伝えました。

『おやつプリン用意してるから食べない?』
と言うと頷いてくれて、部屋に戻ることにしました。
13:30ごろです。

部屋で過ごしても泣き続ける

手を洗わせようとしたら、
「しみる」(皮膚がガサガサで指まで可哀想な状態でした)
というのでおしぼりを作って拭いてあげました。
『熱中症になって苦しくなっちゃうからこれ飲んで』
とソルティーライチのパウチになったのを出したら飲んでくれました。

プリンをだして、自分のも持ってきて食べようという時には、食べ終わっていました。
はやっ
お腹空いてたのでしょう。

食べ終わるとまた泣いて大粒の涙です。

”Rさんがいい”と何度も言うので、
『Rさんがいいよね そしたらさ Rさんの好きなところを言い合おうよ あっちゃんからね。いつも元気で明るいところ!〇〇ちゃんは?』
泣き声が大きくなり
「Rさんがいいー」
と連呼するばかりでした。
プーさんを持ってきて
『ぼくプーさん 〇〇ちゃんと仲良くなりたいな ぼくはあっちゃんが大好きなんだけど〇〇ちゃんも大好きになるよ 〇〇ちゃんの好きなRさんはぼく知らないからどんな人か教えて 〇〇ちゃんが好きな人もぼく好きになりたいんだ』
と言って見ました。
それでもやっぱり変わらず
ダンボも登場させ、
『そしたら ぼくの友達ダンボを紹介するよ ぼくは好きな人がたくさんでみんなと仲良しなんだよ (ダンボ)ぼくダンボ!ぼくもあっちゃん大好き 〇〇ちゃんとも仲良くなりたいな 一緒に遊ぼうよ』
それでも変化なしです。
更に、うり坊(紐を引っ張ると歩くぬいぐるみ)を持ってきて
子供に向かって2回やると逆にわたしに向かってやってくれました!!
何回か往復できました。
よしよし
友人から借りていたパズルを紹介してなかったなと思い、
『パズルをお友達から〇〇ちゃんのために借りてきたよ やる?』
と聞くと首を振るので
『あっちゃんはやりたいから やるね』
とカーペットの上に広げて、まずはプリンセスのパズルから始めました。
広げると子供も近くに座ってくれて、泣きわめきながらもパズルを一緒にやってくれました。

始めたら
「トイレ行きたい」
とスッと立ち上がってモジモジして、慌ててトイレに連れて行くとズボンが下ろせないのか
「出ちゃう」
というので一気にズボンとパンツを一緒に下ろして用を済ませました。
履くのはちゃんと出来て
『チビらなかった?』
と聞くと頷いたので一安心しました。
失禁する前に言えて良かったです。

また パズルに戻ります。

猫に助けられる

途中 ぽんずがかわいい声で泣いてこちらに近づいてきました。
子供が気になるようで、泣き止んだ隙に寄ってきます。
『ほら ぽんちゃんが仲良くなりたいみたいだよ』
鼻を近づけようとすると子供は少し下がり、ぽんずも後退りします。
わたしがぽんずの顎をなでなでして、
『撫でていいよ』
というと背中を撫でて少し嬉しそうな様子でした。
ぽんずが子供に慣れてきてくれてることがすごく嬉しいし、わたしを助けてくれてるのかな?とも感じました。

パズルが成功

パズルは、プリキュアとファントミラージュも一緒に出来て
「これが好き」
と言ってくれたりしました。
こんな会話も挟みつつ
「Rさんがいい」
は連発です。
時計の説明も時々挟み
1回だけ
「RさんとKさん(ケースワーカー)がいい」
と言ったので
『そこにあっちゃんも入れて!あっちゃんは〇〇ちゃんが大好きなんだよ だから あっちゃんも入れてくれたらすごく嬉しいんだよ』
というと考えるように黙りました。
でもすぐに
「Rさんがいいー」
と連呼します。
Kさんの名前はだしません。

パズルをやり続け、最後のひらがなパズルをするころには、15時くらいになっていました。
『どうする』と聞いたタイミングと「Rさんがいい」が返事のタイミングと合ったので
『Rさん来たら一緒にやろうか?』
と言ったら頷いたのでパズルを終了しました。

こだわりがなのか?頑固なのか?

『あっちゃん 喉乾いたから炭酸のジュース飲むよ 飲む? 前来た時に飲んだのと同じだよ』
と言うと首を振ります。
キッチンに移動するとついてきます。
『炭酸じゃなくてアンパンマンのみかんジュースあったよ 飲む?』
と言ったら頷いてくれました。
『おやつ食べよう プリン以外にも用意してるんだよ』
アンパンマンのみかんジュースときのこの山とたけのこの里の小分けパックを出して
「たけのこの里がいい」
とすかさず言われ
『両方出すから、一緒に食べよう』
見事にたけのこの里しか食べないのです。
『きのこの山も食べていいんだよ』
と言っても首を振ります。
かなりのこだわりっぷりで、好みが強いのですね。

結局、何をしていても泣いたり喚いたりは止まらない

15時が過ぎて
『もう少しだね それまでテレビ見よう 何がいいかな?さっきのねこのチーはどう?』
と聞くと、頷くので続きをつけました。
ソファに座らせたのですが、下がいいというのでカーペットの上に座って見始めました。

見てはいるのだけどやっぱり
「Rさんがいい」
の連呼はやみません。
テレビの音は聞こえるぐらいに声のボリュームは抑えてくれているようで、わたしはテレビを見ながら
『そうだね あともう少しだよ』
と口癖のように返事をして、言われたら言うみたいになってました。

迎えがきて、得意げに話す

児相職員は、時間通りに迎えに来てくれて、ホッとしました。

本当はこのまま連れて帰る感じのようでしたが
『上がってください』
とお願いして
『Rさんが来たらこのパズル一緒にするって言ってたんだよね』
と言って準備を始めました。

子供はすぐにRさんに
「トイレ行きたい」
と言ってトイレへ行きました。
(我慢していたのですね)

今日何をしたのか職員に簡単に説明をしてから、みんなでパズルをやりました。

終わると子供は得意げにうり坊のおもちゃを動かしてみせます。
そして、Rさんが
「ぽんちゃんどこにいるのだろう」
というと教えてあげていました。
得意げに話していて、楽しそうに笑顔になってこの数時間の泣き止まない状況が嘘のようです。
最後は、笑顔でバイバイタッチをして帰っていきました。

感想

わたし 頑張った‼️ と思って一気に気が緩み、部屋で1人になると涙が溢れてきて、ぽんずが心配そうに近づいて来てくれました。
猫がいてくれてすごく助かりました。
想像以上にきつかったです。
子供と2人きりでいる経験もなかったし、泣いている子供を相手にしたこともほとんどなかったので、こんなに泣き止まないものかと思いました。
日常で子どもの泣いている声を聞いても子どもは泣くものって思っていたので、気にも止めていなかったのですが、目の前で永遠に泣かれると泣き声を聞くだけで疲れ果てるのかと気づきました。



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