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里子マッチングの記録#13 「〇〇がいー」と泣き止まない子に戸惑う

2022年7月12日、この日は児童相談所の職員は子供を連れてくるだけの日でした。
まだ手も繋いでもらえない関係性で上手くいくのだろうか?
という不安でいっぱいでした。
最悪、部屋に入れず一緒に過ごせないかもしれないと予測はしていたのです。


足取りが軽くウキウキに我が家にやってきたと思ったら?

車まで迎えに行くと、いつもよりも元気よく車から降りて、遊ぶ気満々といった様子で玄関までスタスタと歩いてくれました。
玄関で今日は心理士もケースワーカーも仕事で一緒に居れないと伝えたら、泣き始めました。
(そうだよね、不安だよね)
みんなで遊ぶ想像をしてたのだと思います。
遊んで、おやつ食べて、遊んだら迎えに来ると説明して、どんなおもちゃを用意したかを話したりもして、泣き止んでまた泣くを数回繰り返して、半ば強引にケースワーカーさんは、玄関の扉を開け
「お願いします」
と言って出て行きました。

すると、泣き止んでリビングまで入って椅子に座ってたので、用意したおもちゃたちを見せて広げました。

  • プリンセスのぬり絵

  • フライングタイガーで買ってきた色鉛筆(たくさんの色があります)

  • シールブック(動物の絵があり洋服などのシールを貼る遊び)

  • プリキュアのシャボン玉

  • はさみの練習帳(切って貼って塗るもの)

  • ルームブレス(輪ゴムを編んでブレスレットや指輪を作るキット)

前日に友人の子供に見せたら、
「こんだけあれば飽きない」
と言ってくれたので安心して臨みました。

どれに興味を示すかドキドキして、様子を見ます。
ルームブレスは見本を作っておきました。

試しにぽんずのしっぽにつけてみました(笑)

見本を作ったからなのか、これと指をさしたので
『ブレスレットにする?指輪にする?』
と聞くと、ブレスレットを指差しました。

最初、やり方を見せて、わたしが棒を持って、子供がゴムをはめて、カギでゴムを引っ掛けると繰り返し、作り始めました。
途中疲れたようで、
『疲れちゃった?ブレスレットはもっとやらないとできないから指輪にしようか?』
と聞くと、固まってしまって、そうしてると夫が帰ってきて
子供がドキッと少し緊張感が伝わりました。
帰宅をした夫と少し話をして、子供にも声をかけるのですが、子供は言葉を発しません。
引き続き
『指輪でいい?』
と聞くと頷くので、指を完成させました。

一瞬姿が見えなくなるのをきっかけに泣き出す

『次は何して遊ぼうか?』
と聞き、シールブックにすることになりました。
『試しに貼るね』
と言い、シールは子供に選んでもらって、うさぎさんに洋服を着せていきました。
シール部分を動物の絵と別にした方が選びやすいかなと思って、カッターで切ることにしたのですが、わたしがカッターの台になりそうな物を取りに立つと、そこから泣き始めました。
(心理士の名前をSさんとします)
「Sさんがいい」
と何度も叫びながら、大粒の涙を流し出すのです!
『そうだよね Sさんがいいよね お仕事だからね さみしいよね』
と声がけをしたり、背中をさすってあげたり、抱きしめてあげたりしたのですが、抱きしめるのは逆効果だったのでしょうか?声が大きくなったようにも思います。

10分ぐらい泣き続けたところで
『電話してみるね 早く来れるか聞いてみるから おやつ食べよう』
と言ったら泣き止みました。

電話は夫に頼み、りんごジュースを出してメロンゼリーを出しました。
りんごジュースを飲む勢いがすごかったですが、メロンゼリーは2口くらい食べてストップしました。
『美味しくなかった?』
と聞くと頷いたので、
『チョコレートはどう?』
と聞くと首を振ります。
コアラのマーチのいちご味が好きと聞いてたので、用意したのだけど首を振られましたが、目の前に置いておきました。

食べないので、
『ぽんずにちゅーるをあげよう』
と夫に準備をしてもらって、こっちに来るのを待っていました。
ぽんずは恐る恐るこちらを伺って、しばらくしてから向かってきました。
そこで、子供が泣き出してしまいました。

そこからが泣き止みません。
「Sさんがいいー!!!!」
の連発でギャン泣きです。

外に聞こえたら、通報されてもおかしくないくらいな泣き方で終いには
「おそいー!」
も付け加えられて、少し声が小さくなったところで、先日作った魚釣りセットを広げたのですが、また声が大きくなって泣き始めてしまって、椅子から降りて立ちながらずっと泣いて、しばらくすると玄関が見える位置に座り込んで泣いて、
『道が混んでるみたいだね 遅いね 来てくれるから頑張って待とうね』
など声がけをしました。

どうしてあげればいいのか分からず、見守っていたのですが、Amazon primeビデオで「すみっこぐらし」を流してみました。

泣き止まないけど目線は行きます。
マンションの他の部屋で工事音がするとその音に反応してみたり、泣きながらもいろいろ気にしてはいるようでした。

笑顔で帰ってくれてほっとする

心理士とケースワーカーが来たのは、予定通りの時間です。

チャイムがなり
『来たよ!よかったね』
と言うと泣き止みました。
廊下のドアを開けて玄関がオープンに見えるようにして、夫が玄関を開けてくれました。

待っていたのはずなのに、子供は動こうとしません。
走っていくのかと思っていたのだけど、どういう心理状況なのでしょうか?

児相職員2人がいる状態でもう少し遊ぶことになりました。

2人が来て2分くらいで、Sさんに「トイレ行きたい」と言いました。ひとりで出来ると言っていたが、Sさんにトイレに一緒に入ってほしいようでお願いしました。

もしかしたら、トイレに行きたいと言えないというのと不安が重なってギャン泣きだったのでしょうか?

児相の2人に何をして遊んだのか報告して、おもちゃの紹介とおやつの話をしてSさんが
「コアラのマーチ好きだよね!しかもいちご味いいじゃん」
と言ってくれ、困った様子だったが
「保護所に戻ってもおやつないよ」
と言ってくれたので、
わたしが
『食べる?』
と聞くと頷いたので、お皿に出してあげました。
もぐもぐ夢中で食べてくれました。
わたしは
『良かった 食べてくれてありがとう』
と言いました。
食べ終わって、ぬり絵をすることになり、心理士が準備していたぬり絵のコピーと子供が塗りたいと言ったものがいっしょで、わたしがコピーに塗ることになりました。
見本が欲しいようで、スマホで出して、それと同じように塗りました。
わたしが塗っている様子もチラチラ見ています。
完成して、この日はおしまいです。

車まで見送りに行って、笑顔でバイバイタッチ!笑顔で帰ってくれたのはホッとしました。

夫婦で反省会

帰ってから、夫婦で反省会です。
泣くのは想定してたけど、ここまでとはきつかったと話し、似たような現象にはどう対処すればいいのか、YouTubeで検索して見ました。

「これ、出来てたよね」
「頑張ったよね」
と話し、不安で泣いてるだけで、Sさんがいいって思ってるわけじゃなくて今日の関係性で一番近いのがSさんだったから名前を出しただけなのかもしれない、トイレに行きたい気持ちもそこに含めてしまってのかもと夫婦で話しました。
とにかく時間をかけて信頼関係を気づかないといけないなと思いました。

「夫は全然出来てたしすごいと思うよ 俺は声はかけたけど どうしていいかわからなかったし、困った顔をしちゃいけないと思って」
と言ってくれました。

わたしに困った顔をしてたとも指摘されましたが、夫も困った顔してました。あの状況で表情を作るのは難しいです。

メンタルの回復に不安

話し合いの後、気分転換をしたかったのですが、その後すぐに夫はソファーで寝てしまい、わたしもさすがに疲れて少し寝ました。
目が覚めて、寝ている夫に声をかけたのですが、空返事をされて
ぽんずにご飯をあげて欲しいと頼んでも返事はするものの動かないのです。(1日1回はぽんずご飯をあげる約束)
わたしがやることになって、そのあと何度も声をかけるが、同じように空返事、外に美味しい物を食べに行きたかったけど諦めて、わたしはテレビを見て気分転換をして、お腹も空いてから簡単に済ませることにしようと思い夫に声をかけるとやっとまともな返事をしてくれました。
〈まだお腹空いてない〉
《自分のだけやるね》
と言うと
〈何食べるの?〉
《ハンバーグ》
〈俺も食べる〉
おーい!!!!!!
疲れてたのはわかるけど、わたしもかなりメンタル落ちたんだから、寝るんじゃなくて、楽しくなるようなことしたり、話したりしたいのに、嫌になってしまいます。
理解はしたいのだけど、これでメンタルを回復させるのが難しくてしんどかったです。

猫もストレス?

翌日、この日はわたしが夫より早く家を出て、先に帰宅しました。
わたしが帰宅すると愛猫ぽんずはいつもと一緒でうんちも普通のうんちがされていて処理したのですが、夫が寝る前に、今朝、「ぽんずが下痢をしていた」というのです。
現在は1日1回の排便なので、アレ?と思いました。

さらに、翌日トイレを見て(システムトイレ)砂の下を見るとすのこの溝にべったりくっついていました。
相当ひどい下痢だったんだなと思います。
ぽんずにもすごいストレスがかかっているんだなと気付きました。

『ごめんね。みんなで乗り越えて、家族になろうね』
と声をかけ抱きしめました。



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