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◇高嶋イチコ自選集◇

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自己紹介がわりに、これまでの投稿で特にお気にいりの物を集めました!
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#金曜ビター倶楽部

わたしがあなたのペットだった頃。

「君は年が離れているから、恋人って感じがしないね。セフレってほどドライでもないし。なんだろうね」 ストーブの灯りで橙色に染まったその人の肌に触れながら、すこしだけ考えて「それならペットでいいですよ」と答えた。 男は肩まである自分の髪を邪魔くさそうに束ねて、いいねそれと笑った。 恋人ではない男のベッドで寝るなんてはじめてだった。 意外と平気。わたし、なんにも傷ついてない。 ベッドで過ごした数十分は、過去の恋人たちとしてきたのと変わらない、ただのセックスだった。 窓の外は雪

恋の証人。

これは本当に起こったことかもしれないし、そうじゃないかもしれません。 「俺、宏美とも寝てるよ」 男が口にしたのは、わたしの憧れの女性の名前だった。 ちょっとだけ虚をつかれて、眠気がとんだ。 深夜3時までだらだらと抱きあって、わたしたちはまだ裸でベッドに寝そべっていた。さっきまで繋いでいたその手が、あの優しい女性の体にも触れていたなんて。 バイト先のバーで、わたしが働き始めるよりもずぅっと昔に働いていた男とその女性、宏美さんは、いまでもそのバーにそれぞれ飲みにきていた。