お稽古とは?

「ま、まぁ、冗談はさておき、それでは、ユウキ殿はオリビア様とケイトと共に聖王都へお願いいたします。」
ブレンダは気を取り直して、言った。

「あらあら、冗談ではもが〜」
マヤはルーカスに口を塞がれた。

「しゃー!!!あたしは認めないからね!!
あたしもついていくんだからね!この泥棒猫にユウは渡さないんだからね!!」
ふんすと鼻息も荒くミケが言う。

「ど、どろぼうねこ……」
オリビアはショックをうけているようだ。

「それで、まぁ、ついていくのはいいけど、どうしたらいいんだ?」
ユウキはブレンダに向かって言った。

「まずは、国境の街へは私も向います、そこから聖王都までは、7日ほどかかるはずなので、それなりに準備を整えてまいります。そこから私はオアシスの街を目指します」
ブレンダはそう言うと、オリビアとケイトリンを向いた。

「ケイトリン、言わなくても大丈夫だと思うが、オリビア様を頼む」
ブレンダはケイトリンの肩に手をかけ心配そうに言う。

「はい、お姉様。私はこれでも、護身術と剣はしっかり学んでいますから、リブのことは私がしっかり守ります!
お姉様もお気をつけて、魔王様とお父様を支えてあげてください」
ケイトリンは笑顔で言うが、目が赤くなっているように見える。

「と言っても今すぐに出発するわけではないだろう?
先程の水晶球でみた限り、すぐになにか起こるようなこともなさそうだ、しばしここに滞在して訓練をしてみてはどうかね?」
ルーカスは、三人の方を見ながらいう。

「ええ、そうですね、それほど焦るほどではないように思いますが、訓練というのは、お二方に指導していただけるということですか?」

「ああ、もちろん、私が剣をマヤが魔法をそれぞれ教えられることを教えようと思っているが、どうかな?」
ルーカスはマヤの方を見た。

「ええ、そうねじゃあ、あなたたちに少しだけお稽古をつけてあげようかしら、オリビアちゃんは魔王姫なのだから、魔法を使うわよね?」
マヤは楽しげに言う。

「はい、ぜひお願いいたします!」オリビアがそう返事をすると。
「あらあら、いいお返事!じゃあ、スペシャルコースでやろうかしら、お夕飯が美味しくいただけるわよ〜」
と、のほほんとした声で返事をした。

「よし、では今日は私が腕を振るおうではないか」
ルーカスはそう言うと立ち上がった。

「お〜!!じいちゃん!もしかしてあれを作るのか?」
ユウキは嬉しそうにいい、ルーカスはニヤリと笑ってサムズアップした。

マヤの魔法の稽古にオリビアとブレンダが参加、ケイトリンはルーカスが作る料理に興味があるので手伝うということになった。

「なあ、じいちゃん、ばあちゃんのスペシャルコースって……」
「ユウ……聞かなかったことにしておけ……」
その後ろでルーカスとユウキが不穏な発言をしていた。

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