第二十一話 魔王国での捜索
「ええい!忌々しい、なぜ見つからんのだ!」
荒々しい声を上げているのは白色のローブを着た男だ、魔王国の真魔王の側近という立場にある。
「あの混乱のさなかに外に逃げ出したはずがないのだ、城と街のすべての出入りを抑え、場内の人員が争うことなく我々に従ったのに、なぜ、姫とその侍女だけが見つからないのだ!」
苛立ちを隠さず、ドン!と眼の前のテーブルに拳を叩きつける。
「あの娘がいなければ、勇魔の剣を持っていても意味が無いではないか」
白色のローブの男は与えられた執務室に一人きりで