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ブレストやワークショップを生産的にする 「事前課題アンケート」 。具体例とメリットをご紹介

今回は、会議を生産的にする方法をご紹介します。

この記事でわかること

・ブレスト会議が、ただ好き勝手にしゃべっただけで終わる…
・会議の時間を無駄に感じる
・ブレストやワークショップの会議を生産的にする方法

この記事でわかるのは、会議の中でもブレストやワークショップなど、あるテーマを集中的に議論する会議での 「有効な事前準備の方法」 です。

お仕事での会議を生産的にするために参考になると思います。ぜひ、最後まで読んでみてください。

会議は準備が8割

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ブレストやワークショップに限らず、会議で大切なのは準備です。私は、会議は準備が8割だと思っています。

特にブレストのようなアイデアを発散させる議論には、事前に参加者一人ひとりにどれだけテーマや論点について考えて会議に臨んでもらうかです。

ただし、事前依頼を単に伝えるだけでは、やってこない人もいます。

事前の言語化とアウトプット

そこで私がよくやる方法は、あらかじめ考えてほしいことを事前課題としてアンケートフォームをつくって回答してもらうことです。

アンケートにすれば、質問に沿って回答するというタスクとして依頼できます。具体的な行動と期日 (例: ブレスト前日) が指定されるので、依頼された側は何をやるかが明確になります。

アンケートというやり方をすることのポイントは、頭の中で考えるだけではなく文字にしてフォームに記入するというアウトプットまでができることです。

つまり、参加者全員に 「内省 → 言語化 → アウトプット」 のサイクルを会議の前に一度まわしてもらうのです

では、事前の準備をどのように進めればよいのでしょうか?

事前課題アンケートの具体例

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ここからは、ブレストの事前課題をアンケートで依頼する具体例をご紹介します。

以前の仕事で、ある会社の価値基準 (バリュー) を明文化するプロジェクトのコンサルティングを受けたことがあります。

背景は、その会社ではすでに価値基準がありましたが、そのまま同じものでいくか、見直しも含めて経営層で議論をし合意形成をし、あらためて明文化したいという状況でした。

複数回の価値基準のワークショップを設計し、Google フォームを使ってアンケートでの事前課題を参加者全員にお願いをしました。

具体的には、以下の問いかけをしました。

アンケートは自由回答形式で、3つのうち、1つめは第一回の前に、2つめと3つめは第二回の前に実施しました。

事前アンケート課題 (価値基準ワークショップ) 
・皆で大切にしたい価値観とそう思う理由 (価値観に関する原体験など) 
・なぜ会社全体で価値基準を持つことが大切だと思うか?
・価値基準を会社の全メンバーに浸透させるための成功の鍵は何か?

具体的なアンケートでの質問文は、以下でした。

Q1 皆で大切にしたい価値観とそう思う理由
[会社名] が今後も一層の成長していくために、あなたが [会社名] のメンバーの皆で大切にしたいと思う価値観は何ですか?
価値観とは、日々の行動や判断に迷った時の拠り所になるものです。価値観と、なぜ大切にしたいかの理由 (価値観への思いや原体験など) と併せて、あなた自身の言葉で記入してください。
Q2 なぜ会社全体で価値基準を持つことが大切だと思うか
[会社名] が皆で共有した価値基準 (shared value) を持つことは、なぜ大切だと思いますか?
価値基準があることによって、会社や組織、メンバーや自分自身はどうなるかなど、お考えを教えてください。答えに唯一の正解はありませんので、自由に記入してください。
Q3 価値基準を会社の全メンバーに浸透させるための成功の鍵は何か
価値基準 WS では、参加メンバーで [会社名] 価値基準の合意形成を行います。
その後、価値基準を 「[会社名] の全メンバー」 に浸透させるためには、何をする (または何をしない) ことが大切だと思いますか?なぜそう思うかと併せて教えてください。

*  *  *

アンケートのメリット

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事前課題アンケートには、どのようなメリットがあるのでしょうか?

私の経験から、ブレストやワークショップに向けて、重要な論点を考えてもらう事前課題アンケートのメリットは、大きくは2つあります。

事前課題アンケートのメリット
・事前準備として
・会議活性化

それぞれ、具体的には以下の通りです。

事前準備としてのメリット

・会議オーナーまたはファシリテーターとして、アンケート作成を通して何が重要な論点なのか、その論点をどう議論すればよいかを整理できる

・アンケート回答を通して、参加者全員が重要論点について事前に内省し、自分の言葉に落とし込み、アウトプットする機会がある

・オーナー・ファシリテーターは、会議の前に参加者のアイデアや思いをアンケート結果から把握することができる

・会議設計の参考情報になり、落としどころの目処が立てられる
会議活性化へのメリット

・アンケート結果のまとめを会議資料に使える。参加者に共有や配布すれば皆の記入内容が可視化された情報を手元に持っておける

・会議前にすでに一度ブレストをしたような状態で会議に入れる

・会議参加者はアンケートで一度論点を考え言語化できているので、会議の議論が始めから活性化する。事前回答をベースに、会議当日ではさらにアイデア・意見が広がったり深まる

まとめ

今回は、特にブレストやワークショップの会議を生産的にするための方法をご紹介しました。具体的には、事前課題をアンケートで実施するやり方です。

最後に記事のまとめです。

事前の言語化
・ブレストやワークショップの会議で、あらかじめ考えてほしいことを事前課題としてアンケートフォームをつくって回答してもらう
・課題に対して、参加者全員に 「内省 → 言語化 → アウトプット」 のサイクルを会議の前に一度まわす
事前準備としてのメリット
・アンケート作成を通して重要な論点の把握と、どう議論するか整理になる
・アンケート回答から、参加者全員が重要論点について事前に内省、言語化、アウトプットの機会にできる
・オーナー・ファシリテーターは、会議の前に参加者のアイデアや思いをアンケート結果から把握。会議設計の参考情報になり、落としどころの目処がつく
会議活性化へのメリット
・アンケート結果のまとめを会議資料に使える。参加者に共有や配布すれば皆の記入内容が可視化された情報を手元に持っておける
・会議前にすでに一度ブレストをしたような状態で会議に入れる
・会議参加者はアンケートで一度論点を考え言語化できているので、会議の議論が始めから活性化する。事前回答をベースに、会議当日ではさらにアイデア・意見が広がったり深まる

最後に

今回は、ブレストやワークショップなど、あるテーマを集中的に深く議論する会議における準備方法をご紹介しました。

準備側にとってはアンケートを作る、会議参加者も事前にアンケート回答をするというタスクが発生します。

しかし、この一手間を事前にやっておくだけで、ブレストの生産性は上がります。初めて試してみて、その効果に驚いたことを覚えています。

必ずしもアンケートにこだわらなくてもよいですが、参加者全員で、重要論点について事前に 「内省 → 言語化 → アウトプット」 をすることが、生産的なブレストやワークショップを実現します。

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