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強い組織にするために、人間の本質に立ち返った組織論

今回は、マーケティングとは「組織革命」である。 という本から組織について書いています。

強い組織とは何か、どのような組織開発によって組織は強くなるかを考えます。

人間の本質

人間の本質とは「自己保存」です。人は、自分の生存確率を高めることを、意識的にも無意識にも優先します。

人間が変化を本能的に拒むことも、自己保存から理解できます。今までの環境で生きてこられたのだから、変化をすると自分の死につながるのではないかと思うからです。生存確率を下げないために、変化することを嫌います。

人が組織に属するのも、組織に入っていれば自分の生存が守られると考えるからです。現代では生きるか死ぬかは大げさな表現ですが、組織内での生存確率とは組織で自分がやっていけるかどうかです。

しかし、ひとたび「組織の利益」と「個人の利益」が相反するものになれば、人は本能的に組織の利益に背いてでも個人の利益を優先させます。たとえ組織にとっては逆効果であったり、長い目で見れば組織が衰退するようなことでも、人は目の前の自己保存に従った行動をとります。

人間の本質に則った組織

組織と個人の利益が必ずしも一致しない状況において、本書で興味深いと思った考え方があります。

人が組織の利益にはならない振る舞いをすることは、人間が悪いのではなく、人間の本質に沿った組織体制や運用ができていないと考えることです。

自己保存と組織

組織開発と運営で望ましい方向性は、人が自己保存に従った行動を取れば、組織にとって良い影響を与えるような設計にすることです。

人が自己保存を優先することは、人間の本質なので変えられません。できることは、個人の利益 (自己保存を高められること) と組織の利益を一致させることです。適切な競争下において、自己保存の本能を組織に望ましいドライブに使えるかです。

具体的には、新しいことに挑戦することや、自分が主体的に行動するほうが、自分の組織での生存確率が上がるような制度設計です。ポイントは2つあり、評価制度と報酬制度です。

評価制度

評価制度とは、人が望ましい考え方や行動をとるように促し、評価基準によって評価する仕組みです。自分が何で評価をされるのかが示されるので、それに従って、どんな行動や振る舞いをするとよいのか、どのような能力やスキル身につけるかがわかります。

自己保存という人間の本質に則った評価制度であれば、個人の利益と組織の利益が一致します。自分が成長できることと、組織の目指す方向 (ビジョンやミッション) とがつながります。

評価基準に沿って行動をすると人は成長し、成長によって組織での自分の生存確率が上がり、組織自体も強くなります。強くなった組織に自分が身をおいていれば生存確率が高まり、自己保存の欲求を満たすことができます。

報酬制度

報酬制度とは、自分の能力向上と業績 (結果) の2つの評価によって実績が認められれば、金銭的な報酬や昇格として目に見える実感できるもので組織から人に報いる仕組みです。

報酬が返ってくれば、人は自分自身が組織から認められたと思えます。それだけ組織に自分が必要とされていることが実感でき、組織内での生存確率が高くなります。

最後に

今回は、そもそもの人間の本質とは何かに戻って、組織について考えました。

マーケティングとは「組織革命」である。 という本にかかれていることは、性善説とも性悪説にもより過ぎず、現実的な組織論です。


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