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シュタイナー教育と心理学⑦

ルドルフ・シュタイナー著 新田義之訳 『教育の基礎となる一般人間学』を読んでいます。

第2日目、第十二段落目まで↓

第十三段落要約

次にもう一つの面、意志を取り上げる。
意志は「死後にその本質を持つもの」、「死後になって初めて自己展開するものの種子」であり、私たちはこれに"好感"を持っている。
表象が"反感"の上に成り立っているのと同様に、意志は"好感"の上に成り立っている。
また、"反感"が強くなると表象が記憶像と化したように、"好感"が強くなるとファンタジーが生じる。
また、普通の生活では無意識の内にしか起こらないが、ファンタジーが非常に強くなり、人間存在全体のすみずみにまで浸透し感覚の中まで入り込むほどに強くなると、イマジネーションと呼ばれているものを手に入れ、イマジネーションを通じて外界の事象を知覚観照することが可能になる

第十四段落要約

心理学が「我々は事物を観照し、その後これを抽象化して表象を生む」と説いているのは誤りである。
意志を使用して"好感"とファンタジーとを経て、イマジネーションとなるのである。記憶を使用して概念を生じさせるのである。

第十五段落要約

ここまで心的なもの(das Seelische)について述べてきたが、もし人間の中にある好感的要素と反感的要素とを区別しなければ、人間という存在を把握することができない。これらの要素は死後の魂(Seele)の世界で本来の姿を現すものである。



「心的なもの」には"好感"の要素と"反感"の要素がある。
"反感"の要素は記憶を生じさせ、概念を作るのに作用する。
"好感"の要素はファンタジーを生じさせ、外界を知覚する。

"好感""反感"の単語を置いておけば、その分類を解説する文脈の読解は可能なものである。

しかしシンパシーが外界の知覚に役に立つか? アンティパシーが記憶を生じさせるか? と考えると、理解はまだ難しい。

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