フーセンガムと説明力とハサミと
今日、スーパーに6歳の娘と一緒に行くと「お母さん、これ買っていい?」とお菓子をひとつ持ってきました。
フーセンガムでした。
しかもヒカキンのイラストが描いてあるフーセンガム。
普段ガムなんぞ食べたことが無い娘。
恐らくYouTubeで馴染みのあるヒカキンに惹かれただけであろう。
私は「娘ちゃん、ガム食べたことないやろ? 他のにしたら?」とお伺いを立てるが「娘ちゃんこれがいい! ガム食べたいの!」の一点張り。
さすがO型、頑固です。(いつぞやのかき氷と一緒。下記リンク参照)
そのうえ娘ちゃんに言われたんですよ。
「お母さん、フーセン出来る?」
あぁ、出来るさ! なんてったって私はフーセンガムを顎が壊れるほど噛んでは練習したからな!(ドヤァ)
なんて得意げに話してしまったものですから、結局買うことに。
そして娘にフーセンを作って見せることになりました。
家に帰って早速二人でガムを噛み噛み。
ただ単に味わっている娘(確かに美味しかった!)を尻目に、私は娘が買ったガムを容赦なく頬張るように口の中に入れ、フーセンを作るべく準備を整えました。
そしてプーッと膨らまして娘に見せる。
(娘がテレビでも見ようものなら勢いよく肩を叩いてフーセンをアピールする母親。どう見ても立場逆転である)
しかしやはり6歳。
純粋に「わぁー! すごーい!!」と目を輝かせて驚いてくれました。
私、感無量です。
「それ、どうやって作るの?」
ここで壁にぶち当たりました。
これ、どうやって教えたらいいの???
とりあえず私は両手を使って、片方をベロ(舌)、片方をガムに見立てて説明してみました。
「娘ちゃん、わかる? これがベロで、これがガム。で、ガムをこう、ベターッとしてね、あ、これがベロね? そんでこのベロにこう、こうやってこう! こうしてこうくっつけて! そんでこのベロをこうして、ふーって息をね!」
全く通じないのである。
娘はそんな拙い説明にうんうんと頷いてくれながらも、表情は全くもって「何コイツ意味わからん」みたいな感じでした。ほんと、その通りだよね!!!
「ごめん、分かりやすく言うとね、このベロの上でガムをベターッとして、ベロの先にガムをこうしてこう! こうやってくっつけて……こうね! そんで息をふーって……」
全く通じないのである。(全然分かりやすくなってない)
旦那さんによく「なちこは家庭教師にはなれないよね」と言われますが本当にその通りだと思います。
私は勢いと身振り手振りで説明しようとする。
私の説明で分かってくれる人はすべからず想像力と理解力が優れている人でしょう。
さて、娘がガムを噛みながら寝っ転がったものだから、私はある記憶が蘇ってきました。
そうして娘に「ガム噛みながら寝っ転がったらいけないよ!」と注意をする。
何故、寝っ転がってガムを噛んではいけないのか。
私、小学校低学年のころフーセンガムを嚙みながら寝てしまったことがあったんですよね。
今考えると喉に詰まったらタイヘン! などと心配になるのですがそのようなことはなく……
しかし別の事件が起こってしまいました。
目覚めた私はふと、そういやガムどうしたんだっけと寝ぼけまなこで辺りを見渡します。
するとどういうわけだか髪が重い。
私がキョロキョロするたび、髪がのっそりのっそり大きく揺れながら付いてくるではありませんか。
目を見張りました。
私の髪が、枕として使っていた座布団にびっちりとくっついているではありませんか!!!
ギャ~~~~~~!!! お母さ~~~~~ん!!!!!
慌てて台所で料理をしていた母のところまで行きました。座布団両手に抱えて。
母は私の姿を見るや否や「あんた!!! 何しとんで!!!」と大激怒。
私の黒い艶やかなロングヘアーは、見るも無残にガムが絡まりに絡まって、ご丁寧にも座布団までくっつけてしまっていました。
母はまず最初に手で何とかほどこうと引っ張ったりしましたが、あまりにも痛くて「いだー--い!!!」と泣き叫んだ私。
こりゃ無理だわと母は数秒で判断。
次の瞬間には大きなハサミを手にしていました。
「もうこれ、どうにもならんけん髪切るしかないわ! 切るで!」
えっ、と私が反応したと同時にジャキンと大きな音を立てて髪をあっさり切られました。
ガムが付いていた部分だけ、短くなった私のロングヘアー。とんちんかんなヘアスタイルと相成りました。
「ガム噛みながら寝るけんよ! アホやな!!!」
そうして私はしばらくの間、凸凹な髪型で過ごしたのでした。
こうやって思い出したのでふと、本当に髪にくっついたガムはもう切るしか方法が無かったのかとGoogle先生に聞いてみますと。
いや、あるやん!!!!
切らんでもいけたやん!!!!!
この過去話を娘にしたところ、恐ろしがってすぐ飛び起きていました。
喉に詰まるというよりも、ガムが髪にくっついて絡まって座布団までくっついてくる、という方が効いたようです。
はははっ! 娘の役に立てる経験をしてて、良かったなぁ……!