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認知症おばあちゃんの四捨五入

亡くなったおばあちゃんは
認知症でした。

最初は
やりとりに違和感があるな…
という感じだったのが、
段々と症状が進み、
日時や場所が分からなくなり
わたしの顔と名前と関係もわからなくなり
手先もおぼつかなくなり
あらぬものが見えたり
急に不安になっていらいらと叫んだり
するようになりました。


おばあちゃんはわたしのこと
誰やらさっぱりわかってないけど
会いに行っておしゃべりをすると
喜んでくれました。
不思議なもんですねーー

認知症になっても、
嬉しいという気持ちとか
相手とのやりとりが心地よいとか
そういう感覚は
しっかり敏感に残ってるんですね。

あと、
娘時代の思い出とか
古い記憶は
ちゃんと残っていました。


とは言え、
認知症かなり進んだおばあちゃんとのやりとりは
いつも
同じ話の繰り返しだったり
話がどんどんずれていったり
全然見当違いだったり。

それは間違い
それはウソ
みたいな話ばっかりだったけど、
わたしは
うんうんそうなのね
と話を合わせてました。

話の正しさは置いといて、
会話のキャッチボールを純粋に楽しむ
という
他ではできない
不思議な体験でした。

否定されず
訂正されずに
普通に(?)会話ができるので
おばあちゃんは
喜んでくれていました。



そんな
傍から見たらへんな会話してる
私たちでしたが…

おばあちゃんは
よくわたしに
何歳?
と聞きました。
(認知症なので、何度も聞きます。)
自分の年は
とうにわからなくなって、
サバ読みまくり…
たびたび変更…
なのですが。

わたしが
年齢は48歳よ
と答えると
いつも
「あ、50か」
と、
おばあちゃん
そこの四捨五入だけ
なぜか
毎回
計算めっちゃ早っ😂

おばあちゃん!!
48はまだ50じゃないからね!
そこ
さっさと四捨五入しないでほしいんだけどね😂


そんな
わたしをさっさと50扱いしたおばあちゃんは
昨年亡くなり、
わたしはこの夏
50になりました。

おばあちゃん、
わたし、
ようやく
正確に50になったよ😊

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