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PdMに挑戦して学んだ5つのコト

こんにちは、世界中のヒトや組織の可能性を拡げたい、土屋翼(@tsucchi_13)です。株式会社アトラエにて、組織力向上プラットフォーム「Wevox」のPdMとエンジニアをしております。

今回は、PdM(プロダクトマネージャー)という役割に約1年間挑戦して感じた、学びや気づきについて書きます。まだまだ駆け出しの若造ですが、1年間走ってきて少しだけ見えた経験談として、非常に重要だと考える5つのコトについて書いていきます。
※ PdMと書いてますが、リーダーや事業開発などの文脈でも当てはまる内容かもしれません。


はじめに / PdMという役割に至った経緯

・株式会社アトラエの新卒6年目
・ローンチ済の1->10のプロダクトと、0->1のプロダクトのPdMを担当
・Saasプロダクト「Wevox」のバックエンドエンジニアを兼務

簡単自己紹介

新卒でアトラエに入社してから、バックエンドを中心にエンジニアとして働いてきました。何も書けないところから必死で技術を身につけつつ、1人のエンジニアとしての自信を一定感じられるようになってからは、

・もっと貢献を増やすにはどうすればいいか?
・もっと自分のWillに近い役割はあるのか?

と、モヤモヤと模索していました。
その過程で、とある外部研修で出会った恩人との会話をきっかけに、会社への貢献と自分自身の想いの重なる部分を探す形で、心から願えるような目標を設定することができました。
(※ ここの目標設定の経緯だけでも、1本noteが書けそうなので詳細は割愛しますが。。)

そこから、「自分が創ったと、自分が感じられるサービスを創りたい」というセリフで明確に考えるようになり、"そのためにも、プロダクトの起承転結を担いたい" と事業責任者に相談し、結果的に1年ほど前から、PdMに近い仕事を始めることになりました。

① コンフォートゾーンをズラし続ける

ここから、PdMとして日々もがく中で起きたこと、気づいたことについて5つ程ピックアップして書いていきます。

まずは、「コンフォートゾーンをズラし続ける」ことの重要性についてです。
PdMとして最も学びを得た時は、直接的にシステム開発をしていない時でした。「"プロダクト"マネージャー」と名がつくのでエンジニアの延長線上にありそうな役割にも見えますが、今の僕の感覚は全く異なっています。今までやってきた「エンジニア」という職種を一度完全に忘れ、選り好みせずに何にでも挑戦する必要があります。これは、野球をやっていた人がサッカーを突然始めるほど、異なります。

ChatGPTを触らない日はない毎日です。ちょいちょい画像挟んでいきます。

Wevoxというプロダクトを立ち上げた事業責任者に、毎週のように色々とFBされながら、自分にとって激しく心理的ハードルが高いことも、「騙されたと思ってやってみるか」と思い、とにかく行動に移してきました。(MTGでみんなの前で問われ、答えに窮した回数は数え切れない…笑)

実際に取り組んだ行動を少し振り返ってみます。

  • 新規企業向けのセミナーの企画と登壇。プロダクトを説明する資料を関係各所に壁打ちして、イチからつくるところから。

  • セミナーに参加してくださった方への商談打診・実施。

  • カスタマーサクセスと連携して商談に同席し、プロダクトの説明や新機能の紹介。

  • ユーザーでもある社内の人事と連携し、社内の運用を変更して自組織のプロダクト運用担当に自分をアサイン。

当然、私のエンジニアというキャリアにおいて、いずれも今まで一切やったことはありません。元々人前で話すことが苦手な自分にとって大きなハードルではありましたが、今まで伴走/アドバイスをし続けてくれていた先輩の言葉をまずは信じ、PdMという役割に至った背景となる「自分の意志」に立ち返りながら、なんとか行動を続けてきました。(ストレッチゾーンを飛び越え、パニックゾーンに行くこともしばしばでしたが…w)

結果的に、自分が説明する場面を創ることでプロダクトをより深く理解できるようになったり、顧客からの疑問や要望と向き合うことでプロダクトの課題を肌で感じることができました。まさに、プロダクト開発・事業開発で最も重要と考える「解像度」を上げるために必要な行動を取ることができたのではと思っています。

今後は私も、本気でPdMに挑戦するような後輩を持ったら、自分が貰ったアドバイスと同じように、上記のような行動を選り好みせずに取ることを、を必ず勧めると思います。

我らが事業責任者の森山は、これに近しい話を「行動コスト」という表現で書いているので、良ければこちらもご覧ください。

② ドメインエキスパートと信頼関係を築く

プロダクトとは、「現実世界にある素晴らしいモノ・価値」を言語化・構造化し、広く配布可能な形にすること、とも表現できると考えています。つまり、良いプロダクトを創るには、現実世界を最も深く理解している必要があるということです。

優位性のあるプロダクトを創るためには、その領域・現実世界の行いに詳しいドメインエキスパートを巻き込み、信頼関係を築きながらプロダクトに落とし込むことが求められます。
(Wevoxが元々エンゲージメントサーベイを創った時も、カルチャーサーベイを創った時も、同様だったと考えています。)

これらを実現するためには、研究者や専門家の方などその道を極めたドメインエキスパートの方と、対等に議論できるレベルには知識/経験が必要です。そんな方々と比べると若造である自分が、彼らと信頼関係をつくり、協働することが求められるのです。

「〇〇さんを巻き込んで進められるイメージある?」
「イメージありません。フォローしてください!」
約半年前、事業責任者と交わしたやりとりを思い出します。かなりのフォローをもらいながらではありますが、当初と比べると確実に、プロジェクトを前に進めることができています。経験豊富なドメインエキスパートの方としっかりと信頼関係を創り、知見を引き出しながら、プロジェクトを推進していく。PdMは広い意味で、「ビジネスパーソンとしての成熟」も求められるポジションなのだと感じています。

③ 説明責任から逃げない

PdMは、プロダクト上の仕様や価値、方向性において「わかりません」や「どっちでもいいです」という発言は許されません。プロダクトに関する全ての判断において、他の誰かに委ねて意思決定、説明から逃げるようなことはあってはならないのです。(報連相として関係者へ連携することは必要ですが)

もちろん中には、レピュテーションやリーガルなどの観点で、重大なリスクに関わる判断も求められるため、決して楽な局面ばかりではありません。
それらの意思決定を間違えずにすべて全うできるかどうかはさておき、プロダクトにおける全ての説明責任を持つ覚悟や気概がない場合には、PdMを名乗る資格はなく、すぐにでも降りるべきだと思っています。

私は、いわゆる 1->10のフェーズにあるプロダクトのPdMも兼務もしていますが、PdMとしてのバトンを受け取っているからには、そこにまつわる全ての説明責任を全うするつもりでやるべきだと思います。どれだけしんどく、逃げたくなる局面に出会っても、バトンを受け取った時点で、それは自分が始めた物語です。そんなカオスから逃げない姿勢もまた、PdMの必須要件であるように感じます。

④ 不安と向き合う

基本的に、PdMに課されるミッションは抽象度も不確実性も高いモノになるのではないかと思います。例えば、「〇〇を良くするプロダクトを創ってくれ」といった粒度です。

ミッションの特性上、進んでいるのか退がっているのかもわからない時間が長くなりがちで、そんな中で何かを生み出さないといけないため、PdMは極めて不安になりやすい役割でもあるとも思います。例えば、以下のような不安や葛藤を、自分自身も感じてきました。

  • 周りからの期待とプレッシャー

    • 「あれどうなってるの?」という確認や、周辺領域のFYI的な情報共有さえも、時にはプレッシャーに感じる

  • Inputが多く何もOutputしていない感

    • ユーザーインタビューやリサーチ、ドメインのキャッチアップなどの時間も多く、Output(≒仕事)をしていない感覚を得て焦る

  • 自分に掛けてもらってるメンバー(エンジニア/デザイナー/PM)のリソースを無駄にしてしまっていないか?と不安を感じる

    • メンバーの手が空いてしまうことを防ぐために、焦って自信や確信が持てていないモノでも開発タスクをつくろうとしてしまう

不安に呑まれて、焦り、仮説を盲信し、使われないモノを爆速でつくってしまう。これは非常によくあるアンチパターンなのではないでしょうか。かと言って、ずっと考えて議論をしているだけで何も動かないのもダメ。そんなジレンマの中でもなんとか活路を見出し、不安をコントロールして前に進む。不安との向き合い方や、乗り越え方の重要性も、この1年で強く感じたことです。

「不安と向き合う」画像…(?)

⑤ 誰よりもプロダクトの価値を信じる

なんだかんだで、これが1番大事だと思います。

色々と動いてみても中々顧客に使ってもらえない。渾身の機能リリースが無風で終わる。周りを巻き込んでみてもなかなかノってもらえない。周りに期待されてないのではないか?誰もこのプロダクトを求めてないのではないか?という不安がよぎる。常に順風満帆なプロダクト・プロジェクトなど存在しないはずなので、プロダクトに必死に向き合っている方ほど、上記のような体験もするのではないでしょうか。(僕は1年で全て体験しましたw)

そのプロダクトに責任を持ちたい人やリーダーが、プロダクトの価値を信じ切れなくなった時が、そのプロダクトが終わる時だと心得て、強い気持ちを維持する。強い気持ちを維持するために、考え抜き、仲間を頼り、顧客を頼る。PdMに限りませんが、プロダクトに責任を持つ者として、これが結局最も重要なマインドなのではないか、と今は考えています。

「信じる価値への挑戦」は、弊社アトラエが掲げている考えでもあります。
会社説明資料: https://speakerdeck.com/atrae/join-us

現実は厳しいけれども、それ以上に楽しい

PdMという役割は少しキラキラしている印象がある(?)割には、やっていることやアウトプットの手応えとしてもわかりづらいが故に、周りからも理解されにくく、苦労も多いのではないかと思っています。(逆に言うと、仕事をしてるフリもしやすいので、自分を律し、自分で自分のペースを上げる工夫もめちゃくちゃ重要。)

ここまで書いた5つのコトは、辛い方のエピソードばかりになってしまいましたがw、悲観的なわけでは全くありません。自分達のプロダクトが顧客や社会に価値を提供できたと感じられた時の喜びや、ドメインエキスパートの方を含む仲間達と、信じる価値をカタチにしていく過程には、何物にも代えがたい楽しさがあります。

必死に考えて手を動かして育ててきたモノに対して、「これめっちゃ良いですね!」「これは面白い、楽しみだ!」なんて言葉をかけられた日には、創り手としての喜びを目一杯感じられる、そんな最高に楽しい役割だと思います。

最後に

ここまで、約1年間PdMとして挑戦をしてきたこと、その過程で感じたことを偉そうに書いてきましたが、まだまだ自分は大きな成果を残せていません。
これだけコンフォートゾーンをずらし、身の丈以上に背伸びをして説明責任を果たそうとし、ドメインエキスパートと対等に議論しようと負荷を掛けてキャッチアップして。それでも全然成果出ないのか。。。
と、自分の心が折れる音がまた聞こえてきそうですがw、そんな時は仲間を頼りながら、自分で自分を慰めながら、なんとかガムシャラにやっています。また、これまで挙げたような行動や経験が、今後の大きな成果に繋がると信じており、プロダクトや事業の成功はこの挑戦の先にある、と確信めいたものも同時に感じています。必ず、PMFまで到達します。

そんな想いを胸に、引き続き試行錯誤をしながら、プロダクトの価値を信じて、泥臭くやっていきます。


もしこの記事を読んで何かを感じたり、興味を持っていただいた方がいれば、PdMポジションも積極採用中ですので、ぜひカジュアルにお話させてください。本記事では、プロダクトの具体的な話は控えましたが、より具体的、かつリアルなお話もできるかと思います。


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